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ワーヒド 第1話

やっと第2章に入りました!

この章からちょくちょく世界をクロスさせますので、時間軸がとんでもないことになります。

16次元よりも大らかな心の持ち主だけお進みください。

 アーラム領をどうにかして立て直したい僕だが、どうもこうも、うまくいかないことばかりだ。


 アーラム領全体に『肥沃化』をかけようとも思ったが、この領は恐ろしいことに、領地の大半が山地、岩石がごろごろと転がっている。

 前のアーラム領はそうでもなかった。しかし、それはあくまでも先代がウリナ地域を借金の返済に充てる前の話だ。


 これが致し方なしの苦渋こ決断ならともかく、ただの行楽に費やすのはアホ以外に言葉が見つからない。

  先代は絶対にアホか何かだ。生命線とも言える食料の生産地を売り捌くなど言語道断。




 『肥沃化』は土がなければ使えないかと言うと、そうでもない。何回か、土の場合と岩石の場合を比べたことがある。


 結果は言わずもがな、土と岩石に使うMPの比は1:50以上なものだった。それではアラーム領全体を穀倉地にするどころか、領民を食わせる程の土地も『肥沃化』できそうにない。

 一晩寝ればMPは回復するが、それでも年単位の大掛かりの領全体の一大プロジェクトになる。


 決して、やれなくはない。しかし、今のアーラム領には時間がない。今の状態が数年間続けば、間違いなく、地図からはアラーム領の名前が消えてしまう。

 代わりに、ウルバン伯爵領は更に拡大した地図が直ぐに発行されることだろう。





 農作物でどうにかするのは諦めよう。僕の唯一できることが封じられた気もするが、しょうがないことはしょうがないのだ。

 改革どうこうよりも、ウルバン領に吸収されてしまうほうが先になりそうだ。


 大体、ウリナ地域をウルバン伯爵が掴んでいる。己の短所で敵の長所に勝つのは大変難しいこと。

 勿論、やれる場合はやってしまいたい。虐めてきた相手を逆にやり返せるのなら、顔面に向かって一発ぶちかましたい。

 それでも、今やるべきでもないし、やろうと計画するだけ、時間と労力と脳力の浪費だ。




 近くに海があるのだから、塩を売って稼ぐのはどうかと思って提案した。結果は残酷だった。

 僕のようなド素人でも思いつくようなことだ。何代にもわたってこの地を経営し続けたアーラム家が思いつかないのはあり得ない。


 海に面しているのは何もアーラム領だけではない。近くに海を面している領が四つ程ある。

 特に、グリザヤル子爵はアーラム領よりも高度な製塩技術を持ち、質の良い塩を売っている。価格は変わらないのに、態々不味い塩を買おうとする者はいなかった。

 塩に関しては手を出さないほうが良い。せっかくの唯一の友を自ら手切れするのはアホだ。




 農産物の案はウルバン伯爵と先代アーラム伯爵で潰えた。海産物はグリザヤル子爵と比べるだけ無駄なまでに差がある。仮に差がなくとも、やってはいけない。


 本当に、どうすればこのアーラム領を立て直せるのだろうか?


 僕がオークとかを狩りまくって稼ぐことも考えたが、それも挫折した。

 そもそも、オークというのはあまり森から出ない。あのオークの大群と出会ってしまったのは完全に運が良い?悪い?だけだった。


 曰く、アーラム領の全ての兵士を集めなければ勝てない大群だと。そんなものは滅多に出てこない。


 北のシーラン伯爵領に接するところに、『カムディザル森林』がある。

 そこはオークなどの魔獣が大量に棲息しており、冒険者ギルドもその森のすぐ近くに二つもある。但し、どれもシーラン伯爵領に位置している。


 アーラム領は正直に言えば、インフラどころか、道らしい道も碌に整備されていないド田舎である。

 こんなところには中々冒険者ギルドを設置して貰えないのだ。


 もし、このカムディザル森林がなくなれば、この領も多少は潤うかもしれない。

 今のアーラム領の商売は専らグリザヤル子爵領のみとなっている。ウルバン伯爵領と貿易をしようにも、絶対に買い叩かれる。


 やはり、危険を冒してまでカムディザル森林を切り拓いて道をつくるべきか?

 だが、道があっても商人たちがアーラム領にやってくるかは未知数。それに、僕が道を切り拓いてもそれを維持できるかが問題。


 二日に魔獣騒ぎ、一週間に死人沙汰が起きては返ってアーラム領の評判を下げかねない。


  かと言って、森の中に入るのも少し躊躇してしまう。そもそもの話だが、僕がその森を突破できる戦力を有しているのかも判明していない。

 オークはなんとなくで倒せたものの、それ以上の魔獣が出てきた場合。僕が到底太刀打ちできないような強敵が出てきた場合は元も子もない。


 余裕がある時、せめてアーラム領に最低限の運営ができるまではその森に入らないようにしよう。




 さて、どれもこれも、案としては絶対無理ではないものの、楽観的なものは何一つないのが現状だ。






 三人寄れば文殊の知恵。こういう時は兄弟の力を借りよう。

次話からタラータさんとクロスさせる予定です。

その内他の世界もクロスさせますので、ご要望があればメッセージをください。

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