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イトネン 第4話

少しだけ奮発しました。

「第五級神の権限はそう多くありません。

 第ハ級神を二、三名ほど任命することができます。任命するには『世界中枢』に申請します。普通は申請しても長期間待たなければならなかったり、そもそも許可が下りなかったりしますが、そこはご安心を。

 だって、あなたのバックには私がいるのですから、所要時間は当社比99%削減。さらに、よほど素質が悪くなければ基本通ります。これが一つ目です。」


「普通に申請すればどのくらい時間が掛かりますか?」


「昔は神が多くて、時間が結構掛かったんですよですけど、今は少なくなったので随分と待ち時間が減りました。

 う〜ん、200年くらいですかね。」


 いやいや、長すぎだろ。地球は数十年修行するだけで職人とか、達人とか呼ばれるのに、もう人の一生を超えてるわ。


「地球にも数十万年生きた人がいますよ。というか数千万年の方もいます。」


「そうなんですか!?」

 これにはさすがに驚きを隠せず、大声を出してしまった。もしかしたら神話とかに出てくる神や妖怪は実在するのか?まず、パンドラがいるということはギリシャ神話は一部真実。


「えぇ、いますよ。日本で挙げますと天照と須佐男は知っていますよね。人間の方は卑弥呼さんが有名ですね。」


「邪馬台国の女王ですよね、今も生きてるんですか?」

 歴史の教科書に出てくる人だから現実味が出てきた。織田信長も本能寺で死ななかったと言われているから生きてるかもしれない。


「卑弥呼さんはビンビンで生きてますよ。あと、一つ訂正、卑弥呼さんは邪馬台国の“女王”ではありません………

 男の娘です!日本最古の女装家なのです!」


「はぁ?」


 ………………………………

 暫く沈黙が奔った、“です”という音が部屋を反響するだけ。


「あのぅ、聞いてますか?」


「はい、聞いてます。もう立ち直りました。とんでもないことを聞いてしまったので、都合よく記憶喪失します。

 ところで、どうして卑弥呼“さん”なんですか?天照と須佐男はつけてませんよね。」


「卑弥呼さんは強いからですよ。強者には敬意を払う、当然のことです。

 卑弥呼さんは天照より太陽の神っぽいですよ。私は何回か神になりませんか、と誘ったんですけど返事が芳しくありません。

 日本にある魔界の扉を鎮守しているから、離れられないのは当然ですが。」


「そんなものが日本にあったのですか?万が一破られたら大変ですよね。」

 そんな物騒なものが自分の近くにあったとわかるとゾッとする。


「確かに、破られたら大変です、そして物騒です。でも、その理由はあなたが想像するものとは真反対ですよ。」

 ギャグ神の目つきがいつもと違った、さっきの“ドッキリ”の比ではないほどな存在感を放ち、しかし全く重圧と恐怖を感じない。

「純粋な魔族というのは、慈愛の権化といっても過言じゃありません。ただただ優しい、傷ついても抗わず、誰かをわざと困らせることさえ言語道断。というより、あの方達は考えることもすら難しい。

 他者が虐げようが、争う力などほぼありません。いえ、力がないというのは語弊ですね。純粋なエネルギー、それを扱う知恵、個体数、どれも龍族に引けを取らないほどです。足りないのは“強者の矜持”、それさえあれば龍族と世界を二分、いや、殆どを我が物に出来たでしょう。龍族は繁殖能力が低いですからね、魔族はそれの倍以上あります、あまり欲がないから多く産まないだけです。」


 驚きの事実だった、悪魔というのは碌でもない奴らばかりだと思っていたから、こんなのとは思いもしなかった。うん?もしや

「“純粋な魔族”というのは?。」


「“悪魔”というのなら、碌でもないばかりです。純粋な魔族とは違う種族と思ってください。悪魔の誕生はまさに悲劇でした。

 話を変えますが、想像してください。油田があります、その油田は自分を守れません。そして欲深い人族に見つかられました。何が起きたと思います?」


「人は魔族を攫ったのですか?」

 さすがにここまでくれば、僕も話が見えてくる。


「攫っただけではありません、侵攻したのです。

 攫った魔族達の力で魔界を侵攻する、なんともむごい話です。魔族の力の運用方法の一つが“悪魔”、魔力を人間の身体に無理矢理融合させようとした悲しい産物。」


「それを誰が止めようとはしたのですか?」

 あまりに残酷だ。しかし人とはそれをしかねないほど貪欲、歴史を振り返れば醜いことなど、耳にタコが出来るほど聞ける。


「もちろんいましたよ、それで始まったのが『第一次魔界戦争』。魔王サタンがリーダーとして“籠界”。エネルギーと智慧をやっと有効活用して、でっかい結界を張って魔界全体を覆った。後は綻びを“魔族にしては”バカじゃない方が守る。人族は結界の解決策を練るため一時退却、これで『第一次魔界戦争』は幕を閉じた。

 この戦争には他の二大種族のうち、龍族は傍観、妖族は魔界に支援しました。妖族の方から“まともな方が来なかったら戦況はもっと酷かったかもしれない。サタンくんが堕天使を連れて、神を裏切って魔界に来たことが一番の幸いかな。」


「神も魔界を侵攻したのですか?」


「全てではありません。一部の低級神だけです、上級神は誰も参戦しませんでした。これもあくまで記録で、私はその時まだ生まれてないですから。」

 ギャグ神は残念そうに目を伏せ、すぐにしょうがないとばかりに続けた。

「『第二次魔界戦争』の時にはサタンくんと一緒に戦いましたよ。『第二次世界大戦』と呼んでもいいほど、惨烈な戦いでした。地球の『第二次世界大戦』とは全くの別物ですから、一緒にしないでください。人族は魔界を攻める派と、私についた守る派に分かれました、一番多いのは前と同じように傍観派。龍族は一部、妖族は妖界の守護兵以外、全戦力を投入し、人族は三大種族と相手に戦いました、私達も含めると実質四大種族と戦いました。結果は目に見えてます。」

 ギャグ神は誇らしげに鷹揚自分の戦果を話した。

「人族は四大種族から除名され、三大種族となりました。魔界に行く通路には関所が設けられ、実力が第三級神以上の強者が鎮守。最大の関所である地球は、第一級神相当の卑弥呼さんが常時鎮守し、至高神の私もいる。人族対策は整えております。」

魔族というのは実はメッチャいいやつです。

というのを書きたかったので書きました、久しぶりシリアス入りました。

えっ、やっぱギャグ?

聞こえません、ないったらない

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