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青春MEMORIES  作者: 紫紀
17/44

第17話 世話が焼ける

今日も充実した1日でしたわ。

二階堂(にかいどう)萌乃(もえの)はそう思った。

授業も委員会も部活も大変だし忙しいがやりがいがある。楽しい高校生活を送っていた。


友達と別れ駅に向かって歩いていると聞き覚えのある声がした。


「うぅ」


「ほら金だせよ」


「金あるだろ。その制服、武蔵野総合(むさしのそうごう)だろ?公立だけど金持ちが多いって聞くぜ」


明らかに不良だと思われる2人の男が金銭を巻き上げようとしている。


下品ですわね、絡まれた方も不幸ですわ。

そう思い二階堂は通り過ぎようとした。


「いやです」


「なんだと」


「警察呼びますよ」


「やってみろ」


絡まれたと思われる者はかなり窮地に追い込まれていた、不良共は今にも手を挙げそうだ。そしてその絡まれている人物は不知火(しらぬい)蓮斗(れんと)だ。彼は隣のクラスで風紀委員のため風紀委員である二階堂と共に作業をすることが多々あるため顔なじみだ。


不知火なんて馬鹿なんですの、あの状態でどうやって警察を呼ぶの。携帯なんてだせない状態でしょうに。呆れてものも言えない。しかし絡まれているのが不知火だとわかってしまえば放っとくわけにはいかなかった。


不知火は携帯を取り出そうとする、その途端に不良共は不知火の携帯を奪い思いっきり殴った。


「いた」


「痛いに決まってるだろ」


不知火は地面に叩きつけられる。不良共はその様子を面白おかしく笑っていた。


「あなた達、野蛮なことはおやめなさい。みっともないですわ」


その言葉に不良共は二階堂の方を振り向く。不知火は身体を起こし目を見開いた。


「二階堂さん、ダメだよ」


「おっ、なになに彼女かよ。彼女に守られるとかダセェ」


不知火の方を見て不良共は大笑いする。


「二階堂ちゃんだっけ、 俺たちは遊んでただけだって。そんな怖い顔しないで」


明らかにバカにしたような言い方だ。


「遊びには見えませんでしたわ、それにあなたは不知火を殴った。これは暴行罪にあたりますわ」


「なんだ、俺たちがやったっていう証拠あるのかよ」


「見ればわかりますわ。だって防犯カメラ。あそこにありますもの」


そう言い二階堂は防犯カメラを指さした。


「ふざけやがって」


そう襲いかかろうとすると、二階堂は足を引っ掛けさせ思いっきり転ばせた。


それを機にどんどん二階堂に向けて不良共が立ち向かってく。


「二階堂さん、あぶなーい」


不知火が叫び目を固くつぶった。


「君たち何やってんだ」


警察が駆けつけ不良共を確保していく。

そう二階堂は事前に警察を呼んでいた。二階堂は不知火の元に駆け寄った。


「二階堂さん、怪我してない?」


「私はあなたと違って馬鹿じゃないからしてませんわ。というか自分の心配をなさるべきではなくて?怪我してますわよ」


「ほら君、病院行くよ」


警察官に促さられ不知火は病院に行くため、警察官と共に近くの病院に向かった。

二階堂は他の警察官に事情を聞かれたあと足早に帰って行った。


「まったく不知火は世話が焼けますわ」


と独り言を言い二階堂は駅の方へ消えていった。



こんばんは紫紀です。

今回のお話は『気弱なあなた』に登場した。不知火くんと二階堂さんのお話でした。いかがでしたか?お楽しみ頂けたら幸いです。

それではsee you again.....

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