月猫プログラム
真空の中
剥き出しで
悪意の宇宙線を浴びながら
無責任な太陽光の明るさで気付く
傷ついたクレーターの深さに
月の海を一人で歩く月猫が
平気だよと足跡つけるけど
傷跡は決してみせない
気丈なまでに背筋をのばして
光のあたらない場所で
震えてる
天体望遠鏡で月を覗くように
あなたの心模様に触れることができら
でも現実は
星図の海で溺れるばかりで
空気のない海で
吐き出した感情
星の光の速さでも届かない
何億光年かけてもすれ違う残像
ブラックホールに全部落としても
消えない、君を想う月猫の
星の海に取り残された残骸感情
オートマティックに掘り起こす
そんな旧時代のプログラミングから抜け出せないままに
星図の海で溺れるばかりで