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オジョウサマトオトコノコ-boy meets dead girl-

作者: 雑多

 

   ――Once upon a time......


 むかし、むかしのオハナシです。

 そこにはシぬことを忘れた国がありました。

 そのシなない国には、同じくシなないオジョウサマがいました。

「ワタシはオジョウサマ。ミンナはワタシのことを、オジョウって呼ぶわ。でも、しつじのジイヤはワタシのこと、オジョウ様って呼ぶの。ワタシ、キライって言ってるのに」

 オジョウサマは、まだハカからウまれたばかりのシにたてで、ずっとずっとおしろで暮らしていたので、とても外の世界にあこがれていました。

「だって、ずっとおハカの下でこもっていたら、クサっちゃうわ。もうクサってるけど。夜は短し歩けよオトメ! あまりお昼に外に出てると、かんそうしちゃうけど」

 このオハナシは、オジョウサマが外の世界に出るところから始まります。

 

 今じゃない時。

 此処じゃない場所。

 朝は明るくて、星はキラキラして、色んな生き物たちがいて、なんとなく何時も楽しかった。

 そんな世界のオハナシ。

 



 ―第壱幕―


「オジョウ様! オジョウ様! お待ちください! オジョーサマァァアーン!」

ここはシぬことを忘れた楽しい国。ゆっくりとお休みというヒマもなく、今日も今日とて何時ものように、朝っぱらからジイヤの声がひびきます。

「オジョウ様オジョウ様! オゼウサママァァァァアアアアーーン!! やっと追いつめたぞこのクソ小娘ビッチがっ!!」

「エエイ、ウルサいこの世話焼きジイヤ! 主はワタシをカソウする気か!?」

 場所はお城の屋上。逃げるオジョウサマが、ジイヤとその仲間たち(ジイヤとメイド)に追いつめられています。

「待ちたまえ! 良い子だから! さあ! 今日もみっちりとお勉強が待っておりますぞ!」

「フン。そんなもの、やってられるか。ワタシは今から人の街へおりていくのだ。ジャマするでない」

「マっ……! また街へ行こうというのですか!? あそこにはイきている人がいっぱいおります! しかし、シんだ人はイきている人とはみだりに会うべきではございませぬぞ!」

「別にいいじゃん、かたっ苦しい。かるしうむ足らんのか? ジイヤのほねはただでさえスカスカなくせに。それじゃ折れるぞ。ジーヤのほーねはポッキー」

「骨のことはいいだろ別に!! とにかくお戻りくださいませ! 今ならバツは『アルゴリズムたいそう〜ジゴクの夏編〜』ですませてあげますぞぉ!」

「いやそれはちょっとキツイ」

「じゃあ、オトガメなしですませてやるよぅ!」

「フン、だが断る。この城にシにウまれてから何度もジイヤに止められたが、今度こそはこのノロわれたローゴクから外の世界へと抜け出すのだ! そのために、大たんかつ細かい計画がこのオジョウにはあるっ!」

「ハンッ! まだ乳ばなれもロクにできてないミルキーはママの味がナニを言う! すでに屋上へと続く路はほういずみぃ! もはや逃げ場はないぞ!」

「フン、鳥に路をたずねるオロか者よ。空に路はない!」

「ハァ↓ア↑ーン!? ならそこから飛んでみるかメーン!?」

「うん」

「え」

 オジョウサマ、飛ぶ。

「オ、オゼウ様ァァァァアアアアン!!???」

「なんてな」

 びょーん、とオジョウサマからヒモがのびます。

「流石にここから落ちたらイヤーンだからな。このくらいの命輪ゴムはするさ」

「輪ゴムスゲー!!」

 と、オジョウサマはテキパキと輪ゴムを切って、地面に着地します。

「お、おたわむれは良して下さい! ジイヤはシンゾウがまた動き出すかと思いましたぞ!?」

「新しいなー。さて、そういうことで。どうするジイヤ。ワタシはいってしまうぞ? なかなかどうして、コトリは地べたを走るのも速いのだ」

「ぐぬぬ……」

「それとも。そこから飛んでみるか?」

「なめやがってぇ! なら飛んでやるとも! ああ、飛ぶさ! たかが屋上ていど。ナニ、シぬことなどあ

りはせぬ! とくと驚け! ユーアーショック!」

 ジイヤ、飛ぶ。

「着地!」スタッ→ズボォ「落とし穴ァ!?」

「だから大きな計画があると言ったろう。三階以上から落ちたしょうげきで落ちる程度の落とし穴を作っておいたのだ。朝早く起きてジョパンニが一晩で略」

「くそー! めずしく早起きしたと思ったらそう言うことだったのかー! おもわずホメてお菓子あげちまった!」

「トリック&トリート。イタズラの甘いキスさ。ではそういうわけで、さらばじゃ。キサマは穴の底から

ミルキーでもしゃぶっているがいい!」

「ああ、お待ちくださいオジョウ様ー! 誰か、オジョウ様を追うのだー! ああ、ついにオジョウ様をお城の外へ……」

 そういうわけで、今オジョウサマはシタの街へ出かけます。夢にまで見た、外の世界へ。こうして、オハナシが始まります。

「あ、後オマエさっきからワタシのことバカにしすぎ。減給な」

「オゼウ様アアアアン!!|(泣」

 始まります……。


 ―第弐幕― 


 ここはシんでる国からシタとかウエに行ったそんな街。イきている人がいっぱいで、イけてる人もいっぱいで、イけられてる人もいっぱいです。

「ふむ、やはりこの街の料理はおいしいな。それにキレイだし。アッチじゃどうもムンクの叫びでドロヘドロとしておるからなあ」

 もぐもぐ。もぐもぐ。

「それにしても、さすが、お店の人だ。ダレにでもびょうどうに食べ物を売ってくれる。カンジョーを抜きにしたカンジョウなカチカンがビョウドウをウむとは、いやはやふむふむ……」

「ん? おいアレ、シんだ人じゃないのか?」

「うわ、ホントだ―。街に来るなんてメっズラシー」

 と、街の子供たちがオジョウサマを見つけました。

「よおよお、お嬢ちゃん。シんでるくせになに街になんか来てんだよ」

「そうだそうだー。カラスが来てめいわくなんだよ。ツチに帰れー」

 子供たちがオジョウサマにそう言います。

「ん? ん? それはケンカ売ってんのか? まあ、別にいいだろう。それくらいの差別、ジイヤからチョーキョーずみだ。ワタシはふところがデカいからな、許してやろう」

「調子にのんなメスガキが! 水かけろ水! 身体をキレイに洗ってやれ!」バシャーゴシゴシ

「うわっ! 何をする! ちょ、止め、体こすったらとけちゃうううう!」

「香水かけろ香水! 良い匂いにしてやれ! オブツはしょうどくだー!」プシャー

「うわっ! な、何をするぅ! 変な臭……けんっ、けんっ……!」

「ずいぶんとキレイになったな! ざまあ見ろ!」

「コレにこりたら二度とこの街の土をふまないこったな!」

「土のシタにウまるならけっこうだがな!」

『ワハハハハハハハまそっぷ!?』ドグシャァ

 子供たちはオジョウサマに思いっきりなぐられてたおれました。

「ぐぬぬ……わ、ワタシはふところが…………う、うわーん!」

 オジョウサマは、ナきながらその場から逃げ出しました。


「だからってムカつくんだぜクソッタレー!」

 オジョウウサマは街外れの川原で、空きカンをいきおいよくけりつけました。

「何だよ何だよアイツら。なめやがってー」

 イジイジ。川原で石をつみあげます。

「全く、シんだ人の何が悪いっていうんだコンチクショーめ。アイツら、シんだことないからそういえるんだ。シんでから言えってんだ」

 イジイジ。川原で石をつみあげます。

「……ジイヤの言う通りなのかな。やっぱり会わない方がいいのかな。シんだ人じゃダメなのかな。ああ

思いえがいてたユメは思ったほどキレイじゃなくて……あーぼうよーぼうよー……心折れそーぶろーくんはー。内側からハートのカケラがグッサグサー。チヘドをはいてベッタベター。あー、海のモズクになりたい。まちがえた。モクズになりたい。ここ川原だけど。いやならんけど。でもモズクはおいしいよね。あダメだ食べられる」

 イジイジ。イジイジ。イジイジ。イジイジ。

 るーるるー。

「えーい、もうこんなイきた人と一緒の世の中に何ていられるか! 絶望した! イきている人がいるこの世界に絶望した! ワタシを仲間はずれにするこんな世界とはおさらばだ! オレは元のハカバに帰るッ! ミンナシねバーカっ!」

 そう言って、何と、オジョウサマは川原へと飛びこんでしまいました!

「いややっぱダメだコレ苦しいシぬシぬシぬーっ!!」

 しかし、あがいても体がボロボロとくずれるだけで、水に浮きません。

 ああ、このままオジョウサマは海の……ちがった、川原のモズク……またちがった、モクズになってしまうのでしょうか?

 しかし、その時、

 ――バッ

 人かげが、川原の中へと飛びこみました。


 ―第参幕―


「うおー、もう少しでシぬところだった。ビックリした。もう少しでシぬところだった。ビックリした。ヤ

バかった……」

 ぜー、はー、と息をあげるオジョウサマ。

「あー、やっぱダメだ。シぬのは苦しい。どうしよう。もうお世目に行けない……」

「――大丈夫?」

 そう、声が聞こえて、ハッ、とオジョウサマは顔を上げました。見ると、そこには男の子が座っていました。自分と同じくらいの身長です。だからこ、のオトコノコは……

「9さい?」

「? いや、ボクはじゅう2さいだけど?」

「ふーん」

 だからどうした、とオジョウサマは一人ツッコみました。

「そういうキミは、いくつ?」

「……2ひゃく4じゅう4さい」

「まだ若いじゃないか。しぬには早すぎるよ」

「オマエにワタシのなにがわかるっ! これ一度いってみたかった」

「あ、それボクもいってみたいなー」

「ふふーん、ブイブイ……って」

 こんなことしてる場合じゃない、とオジョウサマは思い直しました。

「そう言うのなら、話してみなよ」

 オトコノコは言いました。

「ハナスって、何を?」

「まあ、色々と。今日のこととか。少しは、わかるかもしれないから」

「………………」

 なんで話さなければならないのか、わからなかったけど、何となく話したい気分だったので、オジョウサマは今日のことを話しました。

「ふーん、それで……」

「どうせ、オマエもミンナと同じだろ? 仲間はずれにするんだ」

「仲間はずれ?」

「そうだ。仲間はずれだ。ミンナ、ワタシを置いてけぼりにしちゃってさ」

「置いてけぼり……」

「2ひゃく年もかけてやっと外の世界に来たのにさ。これじゃあ、来たイミなかったな。ムイミだった」

「むいみ……」

「ええい、もう! まったく、ヤレヤレだぜクソッタレーっ!!」

「…………」

「どうせ、オマエもワタシのこと、仲間はずれにするんだろ?」

「? いや、別に?」

「え、いや、別にって……しないのか?」

「うん、しない」

 オジョウサマはポカンとしました。

「え、いや、でも、ワタシ、シんでるぞ?」

「見ればわかるよ」

「泳ぎニガテだから、またシズんじゃうかもだぞ?」

「その時は、シなないように助けてあげるよ」

「シなないように……」

「だったら、ボクが友達になってあげようか?」

「え……?」

「ああ、あげる、はなんか違うね。ウン、キミの友達になりたいな」

「…………!」

 その時の気持ちを、何といったらいいかわかりません。

 あたかいような、うれしいような。

 けど、確かに言えることは、オジョウサマはオトコノコに恋をしたということでした。

「ほ、本当か? 本当に友達になってくれるのか!?」

「うん、別にいいよ」

「ウソついたらダメだぞ! 付いたらハリセンボンだからな!」

「はいはい」

「ともかくやったー! 初めてのゲボクだー!」

「はいは……ゲボク?」

 

 それからというもの、オジョウサンは今日も今日とてオトコノコの元へ遊びに行くようになりました。

「よーし今日も遊ぶのだ! でもその前にワタシはノドがかわいたぞ! 何か飲み物を買ってこい! もちろん、オマエの金でな!」

「それパシリじゃないの?」

 その日から、オジョウサンは明日も明後日もとてオトコノコの元へ遊びに行くようになりました。

「どうして、外の世界に出たかったの?」

「だって、ずっとお城の中でこもってたらクサっちゃうだろ。それに、友達が欲しかったかし」

「どうして?」

「だって、きっと楽しいだろうからな。そしてワタシは、オマエといてとっても楽しいぞ?」

「そう」

「そうだ。さあ、今日は本を読もう。今日はジイヤの恥ずかしいポエムを見つけたからな」

「うん、わかった」

「ヤメロガキどもオオオオオオオオオオオ!!」

 それからというもののの、オジョウサンは来年もさ来年もとてオトコノコの元へと遊びに行くようになりました。

「オマエは何処に住んでるんだ?」

「いや、ボクには家がないんだ。加えて言えば親もいないし友達も、ああ、キミ以外にはいないね」

「ふーん」

「ホントウは、今日にでもこの街を出て自由気ままなタビにでも出ようかと思ってたんだけどね。キミと友達になったから、行かないことにしたよ」

「む、それは残念だな。でも、旅ってあこがれるな。なら一緒に行こう。きっと楽しいぞ」

「うん、きっと楽しいと思うよ」

「うん、きっとそうだ」

「加えて言えば、お金もない」

「ふむ、ならジイヤのお金を使えばいい。アイツ、ヘソクリかくすばしょバレバレだからな」

「またヘソクリパクられたチクショォォォォォオオオオオオオオオオオ!!!」

 5年後も、

「ワタシたちの国はウまれないから、代わりにシにたい人を受け入れたり、たまにツジギリして人口をふやすんだ」

「それはひどい」

「だからワタシのカアサマも血がつながってるとかはないんだ。でも、ワタシはカアサマを愛してるぞ」

「ふーん」

「ワタシたちの国はツクらないから、代わりに他人の家のコワしてそこに住むんだ」

「それはひどい」

「というわけで、新しいヒミツキチのためにジイヤの家をコワすぞ」

「わかった」

「ヤメたげてよオオオオオオオオオオオオオ!!!」

 じゅう年後も、

「よーし、写真をとろう!」

「写真?」

「うむ、福引でカメラあたったから。おーい、ジイヤも写真とるぞー」

「ワタクシもですか? しかし見ての通り、いまちょっと重要な電話中でありまして……」

「それ愛人だろアホ。あ、ワタシが真ん中な! オマエはワタシの左で、ジイヤが右な」

「わかった」

「よーしとるぞー……って、オマエ。こういう時は、もうちょっと笑えばいいと思うよ?」

「ボクのこと?」

「えくさくとりーだ。オマエって、ちっとも笑わないのな」

「そう? 笑ってるけど」

「顔は笑ってるけど、気持ちがこもってない」

「そう? ふーん」

「もっと楽しく生きないと損だろ。人生って損なものじゃないんだぞ」

「ハハハ」

「ダジャレじゃないっ!」

「ジイヤを前にしてイチャつきやがって何なのコイツら?」

 2じゅう年後も、

「もし、アナタがシぬ時は、ワタシの国にはいればいいわ」

「どうやって入るの?」

「ワタシの国の土にウめたら、もうワタシの国の住人よ」

「何そのさいばい方法……」

「体を入れかえれば何時だって新品どうぜんの体になれるわ」

「その体は何処から……」

「だからミンナ意外とキレイなのよ?」

「でもキミの身体はボロボロだね」

「だってキレイなの汚すとジイヤがうるさいなの」

「だから最初から汚す、と。まあ、どのみち、ボクはキミの国には入れないよ。多分、シんだらそのまましんじゃうと思うから」

「そうなの?」

「うん、たぶんね……」

 3じゅう年後も、

「ねえ、オジョウはどうしてイきてるの?」

「? シんでるけど?」

「ああ、そうだった。あれ、じゃあどういえばいいんだろう……」

「まあ、言いたいことはわかったわ。でも可笑しなこときくのね。どうして?」

「さあね。でもだれでも考えることだと思う。ボクもちょっと考えてたからかな」

「そうね。まあワタシはとりあえず、まだやりたいことがあるからかしら? 明日は『マホウ少女キムゼルオール』の最新コミックが出るの。それまではシねないわ」

「そう」

「それに、タビにも行ってないし」

「ああ、そんな約束してたね」

「そういうアナタはどうして?」

「うーん……夢幻の恋人探しってとこかなあ。偽りを本当にしたいから、とか……」

「どういう意味? 気取ってるの? バカなの? シぬの?」

「まあ、今は特にないよ」

「じゃあ、何でイきてるの?」

「さあ、なんでかなあ」

「まあナンでもゴハンでもいいわ。とりあえず、アナタの今イきる意味はここから逃げることよ。早くしないと、ジイヤに追いつかれるわ」

「そうだね」

「待てやゴラァァァアアアアア! ワタクシの大事にしていたプリン食いやがってええええええ!!!」

 ずっと、

「オジョウ様! オジョウ様! オジョーサママァァアーン!」

「あーもーうるさいシね」

「すでにでございますオゼウ様! いやそれは置いといてでございますね! またもあのクサれガキの元へと行くつもりですかオゼウ様!」

「行くつもりだしオマエのワキの方がクサってるから」

「ほげー! シツレイを承知で申し上げますがオジョウ様! アナタのオ目々はオクサっていらっしゃるのですか!?」

「オクサっているし、右目にいたっては抜け落ちてるぞ」

「コイツァは一本取られた!」

「一本取ったついでにワタシにナメたタイドをとったバツとして右ウデ一本もぎっちょのケイな」ぶちぃ

「いったぁぁあああい!!」

「そして減給な」

「ワタシの給料はもう0でございますよ!?」

「うっさいシね」

「もうシんでますー!」

 ずっと、

「ジイヤは絶対にあのガキと会うのは反対ですぞ! お化けトリオ、オジョウサマを邪魔するのです! とりあえずアイツの見た目をバカにしてやれ!」

『はいなー(×3』

「む、何だお前達」

『ねえねえオジョウサン。またオトコノコに会いに行くの?』

『でも合わない方がいいんじゃないの? だって……』

『そのイタんだ髪! その穴ぼこ目! クサった肌! それでオトコノコに会おうなんて……』

『本気〜?(×3)

「? 何か変か? お前たちはワタシのこと変と思うか?」

『まっさかー。ボクたち、オジョウサマが大好きだよー』

『何時もご機嫌麗しゅう』

『掃除機で吸わないしねー』

「なら良いではないか。では、行ってくるぞ」

『行ってらっしゃーい(×3』

「てコラー! オジョウサマを邪魔しないでどうするんです!」

『いってもねー。ボクたち体のないお化けにしてみれば、イきてる人もシんでる人も変わらないしねー』

『むしろ汗とかシンチンタイシャとかない分、シんでる人の方がおキレイ?』

『牛乳をかけましてチーズを溶く。その心は?』

『どっちも美味!(×3』アハハハハハハ

「えーい役立たず!」

「あとお前減給な」

「げえっ。オゼウ様!」

 ずーっと、

「ねえ!」

「なに? オジョウサマ」

「ワタシ、アナタのこと好きよ。ライクじゃなくてラブの方ね」

「そうなんだ」

「そうよ。知ってた?」

「ううん、知らなかった」

「だったらもうちょっと驚きなさいよ」

「そうだね。でも、ならキミももっとそれらしくするべきじゃないかな」

「それらしくって?」

「例えば、体を洗うとか?」

「こ、この頃は洗ってるもん! お前までシイヤみたいなこと言うのか! ワタシは汚いのか!?」

「ううん、全然?」

「じゃ、じゃあ、いいじゃない。別に」

「それじゃあ、恥ずかしがるとか?」

「それってさり気にワタシのことバカにしてるのね。そうでしょ。コレでもワタシ、シぬつもりで告白したのよ? 照れかくしに何時も通りふるまってるのがわからないの?」

「うん、ごめんね」

「つれないわね。まあいいわ。重要なのは、アナタもワタシのこと好きなのかどうかよ。どうなの?」

「さあ、どうかな」

「あら、つれないのね。それはどうでもよくないわ。とでも寂しいから」

「なら、キミがボクのことを好きと言うのなら、ボクもそれと同じくらいキミのことを好きになるよ」

「そういうことじゃないわ。全く」

「ごめんね。そういうこと、言われたことなかったから」

「そうなの? ちょっとはわかるようになってきたけど、まだまだ、イきてる人はよくわからないわね」

「そうかな」

「そうよ。とにかく、ワタシはアナタのことが好きだから。覚えておいてね」

「うん。そうする」

 すえながく、オジョウサマは楽しくオトコノコと幸せに……


「などと、いくわけがない」

 しかし、おとぎ話のオハナシのように、すえながく幸せに、というわけにはいきません。

 何時かは、おワカれが来るのです。

「ムリなのです。イきている人とシんでいる人が一緒にいるなど……」

 ジイヤは言います。

「ワタシが、やらなくては……」

 ジイヤは決意します。

 そして……


「……ここにいましたか、オトコ様」

 ジイヤは、オトコノコの元へと行きました。

 いえ、もう、コではありませんが……。

 オトコは川原にいました。家がないので野宿です。

 辺りは夜で、まっ暗です。

「ああ、これはジイヤさん。お久しぶりですね」

 その姿は暗くて、よく見えません。

「ズバリ言います。もうオジョウ様には会わないでほしい」

「…………」

「オジョウ様は、これまで外の世界を知らずに生きてきました。無論、しに別れるなどということは、経験したことがありません」

「…………」

「イきている人は、やがてしぬ。わかるでしょう? 少しばかり甘やかし、せめて息抜きをとジイヤの勝手な老爺心で長く遊ばせすぎましたが、ここが限界、オジョウ様に、悲しい思いはさせたくないのです」

「でも、何時かはするだろうね」

「3びゃく数じゅう年もしなかったのです。この先もさせないつもりです。アナタがお引きになれば」

「……じゃあ、ボクがアナタたちの国に入れば?」

「それは……ムリでございますね。アナタ様のタマシイはもうしんでます」

「……へえ、わかるんだ」

「シんだ人はそういうのがわかるのですよ。より魂に近いからですから。ワレワレが肉体しねど魂シせずというのなら、アナタ様はその逆。たまにいるのですよ。何も感じない人というのが」

「そうなんだ。でも、魂が見えるなんてすごいね」

「普通の人にもできますよ。あまりにも外見しか見ないだけで。しかし、魂のし、ですか。たまにいますが、めったにいるものではありません。アレは、普通はセイシのつどに7度、タビを繰り返したモノだけが至れる境地。言わば、悟りとも言えるもの。それを、アナタ様はすでに……いや、違う。これはむしろ、諦念ですか? 見切りですか? いえ、それとももはやどうでもいいのか……イきることも、シぬことさえも。ただの慣生の法則。アナタは、一体、どのようなイき方を……。アナタはまるで、反応するだけの人形だ」

「……どのような、ね。まあ、夢見るあまり夢見いられたってところかな。そのせいで、もう何でイきてるかもわからないよ」

「…………これ以上、オジョウ様をまどわせないでほしい。アレは、拾った子イヌを育ててるだけです。少し離れれば、また別の子イヌを探します。それに何よりも、オジョウ様は知らないのです。アナタ様が本当はオジョウ様のことを本当は何とも思っていないということを」

「…………」

「だから、もう会わないでほしい。できれば、この街から出て言ってほしい」

「……イヤだと言ったら?」

「アナタ様はイタがっても、『イタみの感情』はありますまい。ならば、コチラの心もイタみませんぞ」

「それはひどいな。じゃあ、言われたとおりに出て行こうかな。でもまあ、心配はいらないんだけどね」

「? それは、どういう意味で……」

 と、ジイヤは気づきました。健全な魂は、健全な肉体に宿る。その逆も然り。

「なるほど。アナタさまは魂だけでなく、肉体も、もう……」

「そういうこと。どのみち、もう長くはないさ」

「……申し訳ございませぬ」

「心はイタまないんじゃなかったの?」

「それが、イきているということですよ」

「…………オジョウサマには、旅に出る、とでも言っておいてくれ」

「わかりました。……では、アナタに良き日々がありますように。さようなら」

「そちらも、良き人生を。さようなら」

 そう言って、オトコノコは街から出て行きました。


 それを知ったオジョウ様は、オトコノコを追いかけようとしました。

「そんな! なんで急に!?」

「さあ、わかりませぬな」

「うっさいわかれ! ワタシ、追いかける!」

「いけませぬぞ、オジョウサマ。言ったでしょう。シとセイは両立できませぬ。良いきかいです。ワカれましょう。あのオトコと一緒にいても、フコウになるだけですぞ」

「そんなのわからないだろう!」

「だったらわかってくださいまし」

「わかるものか! そこをどけ! ワタシが通る!」

「もう遅い。追いつけませんよ」

「減給するぞ!」

「前にも言いましたがもうワタシの給料は0でございます」

「ならマイナスだ!」

「それでもけっこう。ここは通しませぬ」

「何故だ!? 何故そんなにもワタシの邪魔をする!?」

「オカアサマのようになりたいですか?」

「…………っ!」

「アノヒトも、イきた人に恋してました。しかし、セイとシは両立できない。そういうことですよ。わかるでしょう? 何時かお別れが来る。そうなる前に、こうやって別れた方がまだ良いのですよ」

「オカアサマは、好きな人と一緒にいられたから、後悔なんてしてなかった!」

「でもやはり別れることとなった。そして立ち直れなかった」

「それでも最後までずっと一緒にいたことを悔いてはなかった!」

「……なら言いますがね。カレはオジョウ様のこと、何とも思ってませんよ。カレの魂はもうしんでいる。例えこの先何千何万回と視線を交わせど、その心は重なるどころか一センチも縮まることはない。例えこの先1まん年と2せん年をかけても、カレはオジョウ様のこと、一片たりとも、愛することなどないのです」

「そんなのはわかっている!」

「――――。なんと……」

「ワタシだってシんでる人だぞ。それくらいわかる。だがそれがどうした。好きなのだ! ワタシの初めての友達になってくれたのはアイツなんだ。何時も一緒に遊んでくれたのはアイツなんだ。アイツみたいな奴は何処にもいないんだ。ふり返ってもらえなくてもホレがいがあるのだ! 1まん年と2せん年はおろか、8せん年さえ過ぎたとしても、この気持ちは変わらない! ワタシは、アイツだから好きなだ!」

「…………」

「…………カアサマは……」

「…………」

「最後まで寂しそうだけど、けど最後まで、幸せそうだったぞ……」

「…………。……………………」

 ジイヤは、目をつむりました。

「……そうですか。なら、もう何も言いません。行くなら勝手に……」

「さらばじゃ!」

「まだセリフの途中……」

 オジョウサマはお城を飛び出していきました。

「…………アノコが恋に落ちる瞬間を初めて見てしまった。まいったな……」


 ―最終幕―


 オジョウサマは走りました。街を通りこして、路を走ります。

 夜は暗くて、星は遠くて、一人ぼっちです。

「はあ……はあ……胸が痛くてシにそう。シなないけど。でも痛い……」

 でも、やはり見あたりません。やはり、もう会うことはできないのでしょうか。

「そんな。せっかく、初めて会えた人なのに。初めてゲボクにさせられたのに。初めて一緒に遊んだのに。初めて、好きになったのに……もう、会うことも、パシることも、遊ぶこともできないのか?」

 オジョウサマは泣きだしました。

「そんなの、あんまりだ……」

「でも、一人でも好きになることはできるわけか」

「あ……」

 路ばたの木の影から、人が出てきました。

 オジョウサマは涙をふいて言います。

「……どうして、一人で行っちゃうの? 旅に出るなら一緒に、って、言ったじゃない」

「そうだね。やっぱり一人じゃ寂しいね」

「バカ……」

 オジョウサマは、オトコノコに抱き付きました。その顔はもうしわくちゃのかさかさで。目は夜のようにまっ暗で、髪は星のようにまっ白です。

「もうオジサンね。しわくちゃのまっ白々すけ。中身はずっと子供なくせに」

「キミは初めて会った時から変わらないね。見た目も中身も、ずっとむじゃきな子供のまま」

「中身はもうオトナよ」

「そうなの?」

「うん、そうよ……」

 何となく、オジョウサマにはわかりました。

 どんどん、オトコノコの身体が冷たくなっていくことが。

「ジイヤさんに遠くに行くように言われたんだけどね。疲れててムリだったよ。スミマセン、って、言っておいてくれるかな」

「本当に、あのバカはおせっかいね。後でウめておくわ」

 でも、すでに自分の身体は冷たいから、それでも暖かかったのでした。

「ねえ、ワタシの国に来ない?」

「それはムリだよ。ジイヤさんが言ってた。ボクのタマシイはもうしんでるから」

「知ってる。言ってみただけ」

 でも、ああ、カレの身体を暖められない、この身体がもどかしい。

「………ねえ、ワタシがどうしてアナタのこと好きか、知ってる?」

「知らない」

「特に理由なんてないわ。きっと、最初に友達なったのがアナタじゃなかったなら、ワタシ、その人でも良かったと思うわ。ただ、ずっといてくれたのがアナタというだけで。そういうもの。そういうものなのよ? ジンセイって。花を見るたびにキレイって思えるの。知ってた?」

「いや違うね」

「…………」

「キミがボクに会わなかったら、キミは恋なんて知らずにシんでいただろう。そう断言するよ。少なくとも、キミみたいな人とこんなにまで付き合うイきている人は、ボクくらいだ。最初に見た花がキミだから、ボクはその花が美しいと思ったんだ」

「…………」

「何て言ってみたり」

「バカね。だからイきるのが下手なのよ。これは知ってた?」

「うん、それは知ってた」

「……バカね」

 だから、その代わりに、こうやって抱き付くの。

「ごめんね。許してもらおうなんて思ってないけど。ボクは何年何じゅう年かけても、キミのことなんて何とも思っちゃいなかった」

「許すよ。ワタシは、キミのことを何じゅう年も思ってきたから。そして、これからもそう。だからワタシ、何時までも幸せだわ」

「勝手だね」

「そういうものよ」

「…………」

 ここにいると、寂しくないように。

「でも……ああ、それで良かったのか」

 やがて、お別れの時が来る。

「ボクが選んだ花をボクの代わりにキミが花を見て、ボクの花をキミが美しいと思ってくれれば、それで

……そうすれば、きっとボクも、美しいと思ったということだから」

 何時か来る、その時は。

「……ボクは、ここで立ち止まってしまうけど。キミは、どうかこの先へと進んでほしい。ボクの代わりに、キミが幸せに……」

 せめて、安らかに、って……。

「お願いだ……」

「勝手ね」

「そうなのかな……」

「ええ、そうよ」

 オジョウサマは身体を離し、手を引きます。

「帰りましょう。夜は冷えるわ」

「うん」

「ララバイとかいる? 子守唄のことよ?」

「……うん」

「そう。じゃあ、お休み。バイバイ、何てね」

「…………うん」

「……ありがとう、さようなら。好きよ」

「うん…………こちらこそ。ありがとう、さようなら。ボクもだよ……」

 そうして、オトコノコは、目を閉じていきました……。


 月日は流れて。

「オジョウ様! オジョウ様! お待ちください! オジョーサマァァアーン!」

ここはシぬことを忘れた楽しい国。ゆっくりとお休みというヒマもなく、今日も今日とて何時ものように、朝っぱらからジイヤの声がひびきます。

「オジョウ様オジョウ様! オゼウサママァァァァアアアアーーン!! やっと追いつめたぞこのバカ娘がっ!!」

「エエイ、ウルサいこのおせっかいジイヤ! キサマの思いは重すぎる! 主はワタシをドソウするきか!?」

 場所はお城の屋上。逃げるオジョウサマが、ジイヤとその仲間たち(シツジとメイドとその他大勢)に追いつめられます。

「待ちたまえ! 良い子だから! さあ! 今日もみっちりとお勉強が待っておりますぞ!」

「フン。そんなもの、やってられるか。ワタシは今から人の街へおりていくのだ。ジャマをするでない」

「マっ……! また街へ行こうというのですか!? ジイヤは聞きましたぞオジョウサマ! さいきん、街に行っては子供たちをゲボクにして遊んでいるようではありませぬか! もうワタクシは近所や親やPTA(プリン。たべたい。アントニオ)から苦情さっとう雨あられですぞ!」

「別にいいじゃん、かたっ苦しい。ワタシも聞いたぞ。さいきん、エルフと人魚とサラマンダーで三股かけてるらしいな。どんだけせっそうないんだキサマは」

「な、何故それを!? い、いやそれとこれとは無関係です! とにかくお戻りくださいませ! 今ならバツは『アルゴリズム体操〜真紅の秋編〜』ですませてあげますぞぉ!」

「いやそれはちょっとキツイ」

「じゃあ、オトガメなしですませてやるよぅ!」

「フン。だが断る」

「ハァ↓ア↑ーン!? ならそこから飛んでみるかメーン!? 言っておくが、キサマが朝ほった落とし穴

はすでに埋め立てづみだぞ! あの頃のジイヤとは違うのだ!」

「あっそ」

 ぴょーん、とオジョウサマが屋上から飛び降ります。すたりと着地。

「ハハハ! バカめ! すぐに後を追ってやる! とくと驚け! イィヤッフー!」

 ジイヤ、飛ぶ。

「着地!」スタッ→ズボォ「なんでだYOU!?」

「さいきん、チカで巨大ミミズと友達になったのだ。オマエが落とし穴を埋めた後にまたほってもらったぞ。というわけで、ではいってきます!」

「ああ、お待ちくださいオジョウ様ー! 誰か、オジョウ様を追うのだー! ああ、あの引きこもりのチカの国で知り合いを作るとは、なんともすばらしい友だちづきあいで……」

「そう言えばジイヤ、久々に給料上げてやろうか?」

「下げろよ!」

「ええぇー……」

「あ、いや、上がった方が嬉しいのか。何か金銭感覚が……」

「ダメだコイツ、早く何とかしないと……」

 歳を重ねて、オジョウサマは立派なオジョウサマになっていました。今ではお城の中でこもっていなくて、何時も外の世界で遊びます。友達もいっぱいで、もう一人ぼっちではありません。


「久しぶり。また会いに来たわ」

 オジョウサマはオトコノコに会いに来ました。

「ねえ、聞いて? またワタシのことジメめてくる人がいるのよ。きっと、アレはワタシのことが好きなのね。魂の色でわかる。あんまりシツコイから、土にウめちゃおうかしら」

 空はもう紅の色。カラスがカーカー泣く時間。遠く彼方が見わたせる丘の上で、オジョウサンは、オトコノコの隣に座って、語りかけます。

「焼きもちとかする? しないかな。きっと、キミは『フーン』っていうだけね。つれないわ」

 オジョウサンは、オトコノコを見ました。そこにはオハカが一つと、お花と、写真がポツンとあるだけです。オトコノコは、やっぱりあのまましんでしまいました。

「ごめんなさいね。もうちょっとしたら、ワタシ、旅に出られるわ。もうすぐお祭りがあるの。ソレが終わって、色々して、もっと色々として、後はジイヤに押し付けて。そうしたら、一緒に行きましょう。楽しい友達と、色々な処へ行って、色々なモノに会って。それはきっと、とても楽しいわ」

 オジョウサマは語りかけます。

「ねえ、見える? 空がとってもキレイよ。ねえ、聞こえる? ミンナお祭りの準備で大忙し。ねえ、匂いがする? 草木や土や花の香りがとっても落ち着く。ねえ、気づいてる? 風が少し寒くて、もうすぐ冬ね。ねえ……」

 オジョウサマはほほえみます。

「ねえ、感じてる? ワタシ、今、とっても幸せよ。そして、きっとこれからも。ねえ、世界は、こんなにもすばらしいわ。そしてたぶん、きっと、もっと、もっと知らない世界があって、そこにもいっとすばらしいものがあって、だから、もしかしたらそこには、アナタみたいなひねくれ者でも、きっと、美しい、って、思える、世界が…………あ」

 オジョウサマは、顔をひざの中にうずめました。

「――どうして、こんなにも世界は美しいのに…………」

 オジョウサマは、少しだけ黙って、そしていきおいよく立ち上がりました。

「だから、早く行きましょうね。旅に。それは、きっと楽しいわ。アナタの代わりに、ワタシ、とっても楽しんであげるから」

 そして、オジョウサマは空を見上げました。

 その目に映るは、眩むほどのスカイブルー。

「だから、アナタも……」

 そして最後に、オジョウサマは写真を、子供の頃にとった写真を、懐かしそうに笑って、

「じゃあ、またね」

 そう言って、お城へと帰っていきました。

 そして、何時かやがて、オジョウサマは旅に出ます。

 楽しい友達と、色々な処へ行って、色々なモノに会って、同じだけの別れをして。何時か、誰かに来るべき日が来ても、それでもずっと、オジョウサマは歩きます。それはとっても寂しいことかもしれないけど。でも、やっぱりこの世界は美しいから。その誰かのことを忘れずに。ずっとずっと、楽しく愉快に。

 ……けれどもこれは別の物語、いつかまた、別の時に話すことにしましょう。

 でも、一つ言えることがあります。それは、オヤクソクなこの言葉。

 

 オジョウサマは、それからもずっとずっとずーっと……幸せなに暮らしましたとさ。



 ――今じゃない時。

 ――此処じゃない場所。

 ――朝は明るくて、星はキラキラして、色んな人たちがいて、なんとなく何時も楽しかった。

 ――そんな世界のオハナシ…………




 オジョウサマトオトコノコ……終

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