表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/11

デートするよ!(前編)

勇者一行が帰った次の日、茉莉花は清々しい朝を迎えて目が覚めた。



「う〜ん!今日もいい天気だ!」


私は背伸びをしながら、部屋の窓から外を眺めていると松葉杖をついて池の方に歩いてる男を発見した………あれは…ロキよね?


「朝っぱらから、何してんだろ?」


私はロキの行動が気になったので、ロキの行動を静かに見ていた。




ロキは池の畔に着くと、持っていた松葉杖を剣代りにして構えるとジッと池の方を見ていた。



私は、また下らない事が始まりそうな予感がしていた………ロキって見てて飽きないわね!



ロキが構えてから、少しの時間が過ぎとロキが立っている畔の水面から、泡が上がって来ると、次の瞬間巨大な魚が顔を出したのだ。


ロキの前に現れた魚は余裕で10mはあった。



私はこんな魚が池にいるとは思っていなかったので、思わずひっくり返ってしまった………な、何であんな巨大魚が池にいるのよ?



ロキは巨大魚を見ると叫び始めた。



「今日こそ決着をつけるぞ!カトリーヌ!!」


ガタッ!!


私は、ロキの言葉にずっこけた………カ、カトリーヌって、何てネーミングなの………。



そんな事を思いながら、私は起き上がるとロキ達に動きがあった。



ロキはカトリーヌに向かって、跳ぶと松葉杖をカトリーヌの顔を何度も斬りつけた。しかし、カトリーヌは全くダメージを受けおらず、アクビをしながらロキを見ていた。


ロキは一旦、カトリーヌから離れて距離をとると、悔しそうな表情を浮かべてカトリーヌに叫んだ。


「お前は俺を舐めているのか!?カトリーヌ!!」


カトリーヌはロキを見下した様に見ていた。


そんなやり取りを見て、私はロキに少しは同情した………魚にまで舐めらるなんて、何か可哀想ね………。



ロキは余程苛立ったのか、カトリーヌに再び攻撃を始めた。


カトリーヌの顔に何度も松葉杖で斬りつけていたが、次の瞬間、松葉杖が折れてしまった。


ロキは空中で茫然としていたら、カトリーヌが動いた。


パクッ!!


「あっ!?」


私は思わず声ををあげた。


カトリーヌは大きく口を開けて、ロキを食べてしまったのだ。


モグモグ………モグモグ………ペッ!!


カトリーヌはロキを吐き出すと、酷く不機嫌な表情をしていた。


私はカトリーヌの気持ちが分かってしまった………余程、不味かったのね……餌にもなれないロキって………。



吐き出されたロキは、地面に叩きつけられて倒れた。


カトリーヌは倒れているロキをジッと見ていたが、やれやれと言った表情をすると、倒れているロキに唾らしき物を吐き出すと、池の中に消えて行った。


「うわ〜………酷い仕打ちよね………」


私は倒れてピクリとも動かないロキを眺めていたら、ロキの手がピクッと動いた………あっ!生きてた!!


ロキはベタベタな身体を起こすと、カトリーヌが消えて行った池の方を黙ったまま見つめていた。


やがて、ロキは目から涙を流しだすとその場に崩れ込み大声で泣き出した。


「……………」



私はそっと窓を閉めて見なかった事にした………私は何も見てない!


「さてと、アデルと約束もあるしさっさと着替えていきますか!」


私は昨日、勇者一行が来てる時に勘違い勇者に苛ついて、思わず近くにいたアデルを投げてしまったのだ。それで泣いたアデルのご機嫌を直す為に、私は一つだけアデルの言う事を聞く事にしたのだ………でも、デートで許してくれるなんて、アデルも可愛いわね!



直ぐに私は寝巻きから、余り目立たない服装に着替えると鏡の前に行き、伊達眼鏡を掛けて軽めの化粧をするとヨシ!と思った………今日は久しぶりに城下町に行くんだから、町の人に私達の事がバレたら大変だもんね!


着替えた私は部屋を出てアデルとの待ち合わせの場所である城の門へ急いだ………アデルはどんな格好てくるかな〜?何か楽しみ!



茉莉花は嬉しかったのかスキップしながら、約束の場所へ行った。







城の門の前に着くと城の門番であるカーゴイルが二匹が何やら、フードを深く被った小さい男の子に絡んでいたので私は嫌な予感がしたので、直ぐにカーゴイルの元へ駆け寄った。


「貴方達どうしたの?こんな子供に絡むなんて!」


話し掛けかれたガーゴイル達は、私はの方を見ると眉間にシワを寄せながら話し掛けて来た。


「何だお前は?」


赤のガーゴイルがそう言うと、緑の匹のガーゴイルが槍を茉莉花に突きつけて来た。


「怪しい奴だな!どうやって城に侵入した?」


緑のガーゴイルがそう言うと、赤のガーゴイルが子供の襟を掴んで持ち上げると、私の横に投げたで私は慌てて子供をキャッチした………こいつ等、私が誰だか分かっていないわね!それにしても乱暴な事するわね!こんな子供を投げ飛ばすなんて!!


私は頭に来たので、ガーゴイル達に文句を言った。


「ちょっと貴方達!こんな子供に酷い事して、何様のつもりよ!!」


私がそう言うと、ガーゴイル達はお互いを見あって笑い出した。


「おい!聞いたかよ!この女、面白い事を言ってるぞ!」



「ああ、聞いた聞いた!"何様のつもりよ!"だってよ!」


ガーゴイル達は声を上げて笑っていたので、私はガーゴイル達に段々殺意が湧いてきた………こいつ等………どうやら死にたい見たいね!


私がガーゴイル達に殺意を抱き始めていると、隣の子供が被っていたフードを脱いだ!


「「「!?」」」


ガーゴイル達は子供の顔を見て目を大きく開いて鼻水を垂らして驚いた。


私もガーゴイル達程まではいかなかったが、目を大きくして驚いた。


「「ま、ま、ま、魔王様!!!」」


「ア、アデル?」


フードを被ってガーゴイル達に絡まれていたのはアデルだったのだ。


ガーゴイル達はアデルの前に土下座すると必死に謝り出した。


「も、も、申し訳御座いません!魔王様と分からなかったのです!どうか、お許しを………」


「し、し、知らずとはいえ、大変な事をしてしまい申し訳御座いません!」


ガーゴイル達が必死に謝っているとアデルは土下座しているガーゴイルの耳元で何やら呟いた。


「………………」


すると、アデルに囁かれたガーゴイルは涙を流しながら喜んだ。


「有難う御座います!魔王様!もう二度とこの様な事は致しません!魔王軍に恥じぬ様、今後からは精進します!!」


「私も以後気を付けます!!」


私はアデルがガーゴイルに囁いた言葉が分かった………アデルも甘いわよね!"今回は自分だったから許すけど、町の人にそんな事をしたら、許さない!!"なんて、ちょっとは魔王としての自覚が出て来たかな?


私は感心しながら、ガーゴイル達に言った。


「貴方達、良かったわね!アデルが魔王で!」


茉莉花の言葉を聞いたガーゴイル達が、急に立ち上がると怒り出した。


「おい、女!今、魔王様の事を呼び捨てで呼んだな!!」


「それに上から目線で喋りやがって、いくら魔王様がいるとはいえ、調子に乗るなよ!!このボケ女!!お前は見るから怪しい奴だから、牢獄にぶち込んでやる!」


ガーゴイル達は茉莉花にそう言うと、手に持っていた槍を突きつけて来た。


茉莉花はガーゴイル達の言葉に身体をワナワナと震えさせると、突きつけられていた槍をを握ると折った。


「「なっ!?」」


槍を折られたガーゴイル達は驚いたが、直ぐに戦闘体制をとって茉莉花に叫んだ。


「この馬鹿力女め!!抵抗すりつもりか?」


「抵抗するなら殺すぞ!!」


ガーゴイル達の言葉に茉莉花は笑みを浮かべて言った。


「へぇ〜私を殺すですって?………それに馬鹿力女?ボケ女?……誰に言ってるのか分かってるの?」


ガーゴイル達は茉莉花の言葉に少し怯えたが、アデルの前で怯むわけにはいかなかったので茉莉花に言い返した。


「お前に決まっているたろ!!」


「舐めるなよ!!」


ガーゴイル達はアデルを守るようにアデルの前に立ったが、アデルは女の正体が茉莉花だと気付いていたので、身体を震わせながらその場から逃げ出した。


「「ま、魔王様?」」


急にアデルが逃げ出したのでガーゴイル達はアデルの方を見ると、自分達の背後から禍々しい殺気を感じたので汗を流しながら、ゆっくりの振り向いた。


そこには眼鏡を外して、ニヤリと笑っている茉莉花の姿があった。


「あ、あ、貴女様は………」


「ま、ま、ま、茉莉花様!!!」


ガーゴイル達は女が茉莉花だと理解すると、絶望の表情になった。


「今まで好き勝手言ってくれたわね………覚悟は出来てるわね!!」


私はそう言うと、堪忍袋の緒が切れると同時に記憶が無くなった。







ガーゴイル達の叫びが聞こえている中、アデルは震えながら耳を塞いでいたのだった。

ロキは一応、上級者魔族なんですが………何時もやられていますΣ( ̄。 ̄ノ)ノ

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ