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勇者一行の定期訪問(後編)

私は扉の方で声が聞こえたので、扉の方を見ると先程、私が城の外に捨てた男が歩いて来た。


「さっきは酷い目にあったぜ!城の外に捨てなくてもいいじゃねぇか!」


男はブツブツと文句を言いながら、私達の方へと歩いて来ると戦士の男が話し掛けた。


「聞いたぜ!また、凝りもせず姫さんの部屋に突撃したんだって?」


戦士の男から、そうな言われた男は言い返した。


「確かにしたけどさ〜俺って勇者じゃん!囚われの姫様を助けるのは当たり前じゃん!」


勇者らしき男は、威張りながら胸を張って答えた。


それを見ていた魔法使いの女が持っていた杖を勇者らしき男に向かって投げた。


サクッ!!


魔法使いの女が投げた杖は、勇者らしき男の頭に刺さった。


「お〜い!魔法使い!前から言ったいたけど、無言で杖を投げるの辞めてくれる?かなり、痛いんだけど………」


頭から血を流して勇者らしき男が言った。


魔法使いの女は、プイと横を向くと勇者の言う事を無視した。


勇者は頭に刺さった杖を外すと、僧侶の女に回復魔法を頼んだ。


「ちょっと目眩がして来たから、回復魔法を頼むよ!」


「嫌よ!」


僧侶の女は即答で勇者の頼みを断ると、隣に座っている魔法使いと話し出した。


勇者は溜息を吐いてブツブツ文句を言いながら、自分で回復魔法を掛け始めた。


「ったく!冷て〜よな〜!この勇者の俺が頼んでいるのによ〜!」


そんな勇者を戦士の男は、同情の眼差しで見ていた。


私は勇者とは関わりたくないので、アデルの手を握りその場から去ろうしたが、私の存在に気付いた勇者が話し掛けて来たので私は無視する事にした。


無視された勇者は、独り言を言い始めた。


「何で俺って、こんなに女の子に嫉妬されるかな〜………やっぱ、ハーレム属性が付いてるからかな?モテる男は辛いよ〜!」


勘違いしている勇者に女性陣が手に持っている物を投げつけた。


勇者に向かってロッドと毒針とアデルが飛んで行った。


私はハッと我に返ったが遅かった………アデル……投げてごめなさい。


勇者にそれぞれがヒットすると、勇者は倒れて動かなくなった。


私は慌ててアデルの元に駆け寄ると、泣いているアデルの頭を撫でながら謝った。


「ごめなさい。アデル!」


「………………」


「分かっているわよ!もう二度と投げないから、機嫌を直して………」


「……………」


「えっ?………分かったわよ!今度デートしてあげるから!だから、泣き止んでよ!」


「……………」


「フフフ………もぉ〜調子いいんだから!」


私とアデルの会話が終わると、他の四人が目を大きくして私達を見ていた。


私は四人の視線に少し怯えた。


「ち、ちょっと、何なのよ!」


私がそう聞きと、僧侶が目を輝かせて話し掛けてきた。


「凄い………凄いですよ!姫様!」


「な、何が凄いのよ?」


「だって、魔王さんの言葉を聞き取れるなんて、凄過ぎですよ!!!」


「そ、そうかな?」


私は何か褒められたみたいで照れていたら、ロキが話し掛けてきた。


「確かに凄い事ですよ!自分もアデル様とは200年間仕えて来ましたが、未だにアデル様が何を言っているのか、分からない時があるのです。しかし、茉莉花様は半年でアデル様と会話が出来る様になるとは………それもチートですか?」


バキッ!


私はロキの顔面に正拳突きを放った。


ロキは鼻血を垂らしながら、後ろに倒れた。


私はフン!と鼻を鳴らすと倒れているロキに向かって言った。


「何でもかんでもチートにするな!!私から言わせれば、200年も仕えて来たのに、未だにアデルと会話が出来ない貴方の方が不思議だわ!」


ロキは愛用のハンカチで鼻を抑えながら、起き上がると言い返して来た。


「しかし、茉莉花様のチートみたいな能力は反則ですよ!昨日だって、図書館での戦いでも自分が要約手に入れた、対茉莉花様用に復活させた古代魔法の瞬間移動の能力を、あっさりと真似されてしまったのですよ!お陰様で自分は何時もの様に壁に刺さりましたが………」


「嘘?………私が魔法を使ったの?」


「はい!バッチリと使っておりました!自分の脳裏に焼き付けております!それと、茉莉花様の純白のパンツも……!?」


バキッ!!


「それは、忘れろ………」


私は再びロキの顔面に正拳突きを放って黙らせた。


ロキは鼻血を流しながら、後ろに倒れた。


この会話を聞いていた魔法使いが怯えながら、私に話し掛けてきた。


「でも、ロキさんが言ってる事が本当でしたら、姫様は一体何者なんでしょうか?通常、古代魔法は魔族の者しか使えない筈です!それも、一部の魔族しか使えない筈です。例えばロキさんみたいに最上級の魔族とか………それを人間である姫様が使えるなんて、常識では考えられません!」


「う〜ん……そう言われても、使ったかどうかは、私は覚えてないのよね〜………何時もの様に記憶が飛んでいるから!」


「まさに謎ですね………」


魔法使いがそう言うと、戦士が頷きながら話した。


「まっ!考えてもしょうがねぇ〜よ!だって、俺達が本気で戦っても歯が立たないロキさんを一撃で仕留める辺りからして、人間とは考えられない!」


戦士の言葉に皆が頷いていた。


私は頷いた者達を、この場で殺そうかと思った………私を何だと思っているのよ!全く!!



こんな感じで、お喋りに夢中になっていると何時の間にか気絶していた筈の勇者が目を覚ましていた。


勇者は起き上がると背伸びをして、戦士達に話し掛けた。


「さぁ〜てと、そろそろ日が落ちる筈だから帰るか!」


勇者がそう言うと、他の三人も起き上がると頷いた。


「そうね!お腹も空いて来たし、長いは無用ね!」


僧侶がそう言うと、魔法使いが勇者に投げた毒針と杖を拾いながら答えた。


「ロキさんのお陰で私達の強さも分かったしね!」


僧侶と魔法使いが片付けをしている中、戦士が大きな袋をロキの前に置いた。


「家で作った野菜だ!お礼代りに貰ってくれ!」


ロキは野菜の入った袋を貰うと、戦士に頭を下げてお礼を言った。


「何時もすいません!本当に助かります!」


「な〜に、俺達もロキさんには、世話になっているから、いいって事よ!!」


「では、旅の扉まで送りましょう!便利な能力も手にいれましたから!」


「おっ!すまねえな〜!頼むわ!」


ロキと戦士の話しが終わると、僧侶と魔法使いも片付けが終わったみたいで、ロキの近くに集合した。


私は勇者一行に手を振ると、勇者達は私とアデルにお辞儀をして、魔法陣の中に消えて行った。


勇者一行がいなくなってから、アデルと二人だけになった私はこの世界ついて、少し考え込んだ………最初見た時も驚いたけど、何で勇者達は魔族に修行を頼んでいるのよ?本当におかしな関係よね………。







私はそう思いながら、アデルの手を握ると部屋を出て行った。

う〜ん!茉莉花は何者なんですかね?


自分も分かりませんΣ( ̄。 ̄ノ)ノ

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