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勇者一行の定期訪問!(前編)

今回はちょっとベタになりました。

私が図書館でロキを血祭りにした次の日の出来事だった。


朝からやけに城内が騒がしかったので、私は自分の部屋から出ると廊下を早歩きで移動している武装したゴブリンを見つけたので、私はゴブリンを呼び止めた。


「ねぇ!そこの貴方、ちょっと待ちなさい!」


ゴブリンは私に呼び掛けられると、辺りをキョロキョロと見ると自分以外、誰もいなかったので自分自身を指差した。


「ま、茉莉花様………ひょっとして、自分をお呼びですか?」


私はゴブリンの行動にちょっと苛ついたが我慢した………私が恐れられてるのは分かっているけど、そこまで恐れられると何かムカつくわね!!


「そうよ!貴方以外に誰がいるの?」


私が少し怒り口調で話すと、ゴブリンは震えながら答えてきた。


「も、も、申し訳御座いません………どうかお命だけ、お助け下さい!」


ゴブリンは命乞いをしてきたので、私は深く溜息を吐いて言った。


「あのね〜何か勘違いしてない?誰も貴女を殺そうって訳じゃないのよ!私はこの騒ぎ何なのかが聞きたいの!」


私がそう言うと、ゴブリンは安心したのか片膝を床について上を見て祈りを捧げながら呟いた。


「神よ、助けて頂き有難う御座います………」


「………………」


私は祈りを捧げているゴブリンを見て無性に殺意が湧いてきた………何が神よ!お前は魔族だろうが!!!


「で!何なのこの騒ぎは?」


私がそう言うとお祈りをしていたゴブリンが我に戻り私の質問に答えた。


「はっ!今日は恒例の勇者一行が攻めて来る日なので、城内の掃除と警備をしているのです!」


「そんなんだ………彼奴らが来る日か………呼び止めてごめんね!もう行っていいわよ!」


「はい!」


私がそう言うとゴブリンは駆け足で去って行った。


私は勇者一行が来る事が分かったので、テンションが一気に下がった。


「はぁ〜〜〜また、彼奴らが来るのか………関わりたくないな〜!」


私は三ヶ月前に魔王城に攻めて来た勇者一行の事を思い出して溜息を尽きながら自分の部屋に戻った。



部屋に戻った私は直ぐにドアに鍵を掛けて今日は一歩も部屋から出ないと、心に堅く誓いながらベッドの上に倒れた。


「朝から変な事、聞いちゃたな〜折角の気分が台無し!絶対に今日は部屋から出ないんだから!!」


私は独り言を言うと、そっと目を閉じて二度寝した。



ドン!ドン!



再び眠りについていた私は、扉を叩き音で目を覚ました………誰にゃ?私の睡眠を邪魔するのは?


ドン!ドン!ドン!


うるさいにゃ!!もう少しだけ眠らせて…………。


私がそう思いながら布団の中に潜り込むと、突然部屋の扉が蹴り壊されて、若い男が部屋に入って来た。


「姫ーーー!!助けに来ましたぞ!!」


男はそう叫ぶと寝ている私に向かって右手を突き出し親指を立てて、ドヤ顔をしていた。


私は直ぐに目を覚ましてベッドから飛び起きると、ドヤ顔をしている男の方へ近寄って行った。


「貴方………また懲りずに人の部屋の扉を壊しやがって!!!」


私がそう言いながら男の胸ぐらを掴むと男は笑顔で答えた。


「姫!助けに来ました!!!」


「……………一度、死んで来い!!!」


私は男を窓に向かって投げた。


「あれーーーーーーー!?」


男は叫びながら窓を突き破り、城の外にある池に落ちて行った。


「二度来るな!!!」


私は窓から落ちて行った男に向かって叫んだ。


「はぁ〜また、扉を修理して貰わないといけないわね………」


直ぐに寝巻きからドレスに着替えると、自分の部屋から出てアデルがいる王座の間に向かって歩いた。


王座の間の前まで来ると、扉が開いていたので深呼吸をして、そっと部屋の中を覗いて見た。


「……………」


覗いて見ると、王座の前でロキと三人の男女が戦っていた。


ロキは右手と左足にギブスをして頭には包帯を巻いていて左手で松葉杖をついていた。


ロキは見るからにして痛々しい姿だったが、目の前の三人の攻撃を軽く交わしていた。


三人はロキに攻撃が通じないのに、諦めず攻撃を続けていた。


私が四人の戦いを見始めて30分が過ぎただろうか、見るからにロキが手を抜いているのが分かって、何だか三人が可哀想に思えてきた私は、手を叩きながら部屋に入っていた。


「はい、はい、今日はそこまでにしたら?」


四人は私の方を見ると戦いを止めて、その場に座り込んだ。


王座の後ろに隠れていたアデルがニコニコしながら、私の所まで走って来て抱きついてきた………本当にアデルは甘えん坊さんね!


アデルの頭を撫ぜながら、ロキの方を見て話し掛けた。


「どうだったの?ちょっとは強くなっているの?」


そう言って尋ねると、ロキは悩んだ表情をして答えた。


「三人とも前回よりは成長してますが、まだまだですね!」


ロキの言葉に座り込んでいる三人は深く溜息を吐いた。


「そっか………今回は良い線まで行けると思ったのになぁ〜!」


戦士の格好をした男が言った。


「でも、ロキさんが前回より良かったって言ってくれたから、次はもっと頑張りましょうよ!」


僧侶の格好をした女がそう言うと、隣に座ていた魔法使いの格好した女が、私に話し掛けたきた。


「そういえば、勇者を見ませんでしたか?」


私は魔法使いの女に先程の出来事を詳しく話すと、魔法使いの女は顔を引き攣らせていた。


「あの人は本当に救い様がありませんね………」


魔法使いの女がそう言うと、皆が一斉に頷いた。


私はロキに先程の壊された部屋の扉の修理を頼むと、ロキは了解すると大声で警備の者を呼んだ。


ロキに呼ばれたゴブリン二匹が直ぐに私達の前に現れると、ロキはゴブリン達に私の部屋の扉の修理をする様に命令すると、二匹は私の顔をチラッと見て頷ずくと、ダッシュで部屋を出て行った。


(彼奴ら私の顔色を伺ったわね………後で焼き入れてろうかな?)


そんな事を思っていると、戦士の男がロキの姿を見ながら言った。


「ちょっと、気になっていたんだけど………ロキさんのその怪我って、また姫さんに殺られたのかい?」


戦士の男の質問に、ロキは私の顔をチラチラ見ながら頷いた。


三人はロキの心境を理解したのか、それ以上その話題に触れなかった。


私は今夜もロキを壁に突き刺そうかなぁ〜と考えいた。





そんな事を考えていたら、扉の方から声が聞こえたので皆が振り向くと、先程私が城の外に捨てた男が歩いて来た。

何だろ………この関係?

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