ある男の結末!
またまた、調子に乗って書いてしまいました。
ロキが茉莉花の逆鱗に触れて、城の最上階の部屋の壁に突き刺さる事件から一週間が過ぎた。
とある地下室で怪しい男が、必死に"ある物"の研究をしていた。
男が何やら怪しい赤色の薬と紫色の薬を混ぜ合わせた瞬間、爆発が起こり凄まじい爆音が地下室に鳴り響いた。
部屋の中は滅茶苦茶になっていて、爆発に巻き込まれた男は多分、生きてはいないだろうと思えるぐらいズタボロな姿になって部屋の床に倒れていた。
少しの時間が過ぎ、全く動かなかった男の手がピクリと動いたと思ったら、ズタボロ姿の男は急に起き上がり笑い出した。
「ハハハハハハ!!!遂に完成したぞ!!!………この薬さえあれば恐れるものは何も無い!!待っていろよ!!」
男は薬の入った瓶を空に掲げて叫んでいたが、先程の爆発で男の着ていた服はボロボロなっていて、男の下半身にはち○こが出ていた。
世間でよく言うフリチンになっていた。
男は歓喜の余り、自分のそんな状態に気が付いて無かった。
多分、この世界に警察がいたら男の姿を見た人は速攻で通報していただろう………。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
一方、茉莉花はアデルと共に魔王城の図書館でアデルと読書中であった。
「ねぇアデル!前から思っていたんだけど、私のこのチートみたいな能力って何なんだろうね?アデルは何か知ってる?」
「…………………」
「そっか……アデルでも分からないか………」
「……………」
「うふふ!心配してくれているの?ありがとう!アデル」
(前から思っていたけど、私とアデルの会話って他の人が聞いたら、私の独り言に見えるんだろうな〜………なんか虚しい)
茉莉花がそんな事を思っていたらアデルが突然クシャミをした。
くしゅん!!
茉莉花は慌ててアデルの傍に寄った。
「ちょっと、大丈夫?ほら〜鼻水が出ているでしょ!」
「………………」
「大丈夫じゃないでしょ!!待って、服で拭かないの!確かテッシュが在ったはずなんだけどなあ〜何処にしまったかな?」
茉莉花は何時も持ち歩いていたテッシュを探していたら、突然後ろから声が聞こえたので振り返って見ると、黄色いハンカチをアデルに差し出しているロキの姿があった。
茉莉花はロキが何時、私達の後ろに現れたのかが不思議だった。
茉莉花がロキに対して不思議に思っていると、ロキはアデルに話し掛けた。
「アデル様!コレをお使い下さい!」
ロキがそう言うと、アデルは差し出されている黄色いハンカチを受け取ろうした。
茉莉花は直ぐにアデルの手を掴んで、ハンカチを取らせない様にした。
「ダメよ!アデル!!」
茉莉花が、そう言うとアデルはキョトンした表情で茉莉花を見ていた。
茉莉花は直ぐにロキの顔を見て言った。
「ロキ!貴方のそのハンカチ………汗臭くないでょうね?」
茉莉花がそう言うと、ロキはギクッ!とした表情をして、慌てながら溢れ出す汗を黄色いハンカチで拭いていた。
「な、な、な、何を言うのですか!茉莉花様!」
茉莉花は目を細めてロキの顔を見ていた
(………怪しいわね?)
ロキは茉莉花の視線に更に汗を流していた。
茉莉花はポケット中にしまってあったテッシュを見つけたので、アデルにそのテッシュを渡したら、ロキの方から舌打ちをする音が聞こえたので、直ぐにロキの方を見た。
「ロキ…………貴方……今、舌打ちしなかった?」
茉莉花が、そう言うとロキはニヤリと笑って答えた。
「フフフ………確かに舌打ちしましたよ!でも、それが何か?」
ロキは茉莉花に挑発的な態度で言ってきたので茉莉花は無意識に青筋をたてていた。
「貴方………また、三途の川に行きたいの?」
茉莉花がロキを睨みながらそう言うと、ロキはトボけた表情をして言い返してきた。
「誰が好きで、そんな所に行きたいと思うんですか?行きたくありませ〜〜ん!」
「いい度胸ね!ロキ!!!」
茉莉花がロキに叫ぶとアデルは今にも泣きそうな表情になりながら机の下に避難した。
茉莉花は無事にアデルが机の下に避難した事を確認して、今まで我慢していた怒りを解放し始めると、茉莉花の中の堪忍袋の緒が切れた。
茉莉花は意識が飛んだ…………。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
ここからは、ロキの視点になります。
(上手く茉莉花様を挑発出来たぞ………問題はこれからだな……しかし、今までの俺ではない!新たな能力を手に入れた俺は無敵だ!)
ロキが、そんな事を思っていると、目の前で凄まじいオーラを放っている茉莉花がいた。
おそらく堪忍袋の緒が切れたのであろう。
(何時もの俺だったら、茉莉花様がキレてから一秒後には壁か地面に突き刺さっているはずだが、今回は違う!)
ロキは直ぐに足元に魔法陣を創り出すとロキの身体は魔法陣の中に吸い込まれて行った。
そして、茉莉花から十歩ほど離れた場所に魔法陣が現れてロキの身体は現れた。
(フフフ………茉莉花様は俺がした事に驚いているはずだ。俺が新たに手に入れた能力………瞬間移動だ!しか〜し、移動距離が短いのが欠点だ………だが、この能力さえあれば、茉莉花様の攻撃から逃げる事が出来る………どうだ恐れいったか!茉莉花様には何時も殺られ放題だったが、これからはそうはいかない!)
ロキがそんな事を思っている間にも茉莉花はダッシュしてロキとの距離を縮めて来たが、ロキは直ぐに魔法陣を創り出して瞬間移動をする。
茉莉花の蹴りは空振りに終わるが、茉莉花の蹴りは衝撃波を放ち本棚を粉々にしながら部屋の壁に穴を空けた。
(お、恐ろしい……何時もあんなのを喰らっていたのか………)
ロキは茉莉花の殺傷力の高い攻撃に思わず漏らしそうだった。
(その攻撃は当たらなければ大丈夫だ。俺は絶対に逃げきってみせる!!)
ロキは茉莉花が攻撃すれば瞬間移動で逃げる作業を30回ぐらい繰り返していたのだが、突然、茉莉花の動きが急に止まったので疑問に感じた。
(急にどうしたんだ?茉莉花様の動きが止まった………ひょっとして疲れ始めたのか?)
ロキはそう思うと、嬉しくなって茉莉花に向かって中指を立てた。
(今思えば、茉莉花様には何時も苦汁を飲まされてばかりだった……散っていった同志達よ俺は勝ったぞ!!!)
ロキは勝利を確信していたのだったが、次の瞬間、信じられない光景を目にした。
なんと、茉莉花がロキの方を見てニヤリと笑うと自分の足元に魔法陣を創ったではないか。
「………あ、あの魔法陣は………まさか!?」
茉莉花の身体は魔法陣の中に吸い込まれて行った。そして、ロキの目の前に魔法陣が現れると凶暴な笑顔をした茉莉花が魔法陣から現れたではないか。
「そ、そ、そんな馬鹿な………貴女は一体何者なんですか………」
そして、固まっているロキに向かって綺麗な右足で回し蹴りを放ってきた。
ロキは茉莉花の蹴りが顔にヒットして薄れ行き意識の中で茉莉花のスカートから覗かせた純白のパンツをしっかりと目に焼き尽けながら右手で親指をグッと立てた。
そしてロキは心で"GOOD!"と叫びながら部屋の壁に飛んで行ったのである。
ロキは、壁に飛んで行く途中で机の下に避難しているアデルが自分を見てるのに気が付いた。
アデルはロキに向かって右手で中指を立てていた。
(アデル様………多分、茉莉花様の純白のパンツを見たから怒っているのですね………アデル様………申し訳ございません!さぁ……アデル様にも謝った事だし俺は俺の仕事をしよう!今日も綺麗に刺さってやるぞ!)
「これが、俺の生き様だぁぁぁぁぁ!!!」
ガスッ!!!
魔王城に大きな音が鳴り響いた!
図書館の壁に芸時的に刺さったロキの姿があった。
ロキのキャラは好きですね〜!