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短編:詩&エッセイ

世界でたった一つだけの最期のラブレター。

作者: 尖角

“私”は“私”として生まれることができてよかった。


“私”はこの町で生まれることができてよかった。


それは“あなた”と出逢うことができたから。


この世にたった一人しかいない“あなた”という存在。


“私”はそんな“あなた”が大好きです。



心の底から身を委ねることができる存在。


相談事があれば気兼ねなく話すことができる存在。


“私”にとって、とても頼りになる存在。


“私”はそんな“あなた”が大好きです。



一緒に同じ夢を持ち、一緒に同じ夢を追いかけ、


共に傍で支え合った、何にも代えられない存在。


“私”にとって、“あなた”は必要不可欠な存在。


“私”はそんな“あなた”が大好きです。



“私”が心の底から尊敬できる存在。


何も言わなくても、“私”という人間を理解してくれる存在。


“私”はそんな“あなた”が大好きです。



だけど、それも今回で終わりです。


それは、今日で“私”の人生は終わりだからです。


今まで、共に歩いてくれてありがとう。


今まで、“私”の傍にいてくれてありがとう。


“私”は“あなた”に何もしてあげられなかったけれど、


“私”は“あなた”からたくさんの大切なものを貰いました。



本当に今までありがとう。


これからは“私”が“あなた”を見守ることにします。


だから、長く生きられなかった“私”の分まで幸せになってください。


先に死んでしまった“私”より長く、誰よりも長く生きてください。



でもね? “あなた”よりも早く死んでよかったこともあるの。


それは、“あなた”が死んでしまった時に、涙を見られなくてもすむから。


“私”が先にこっちで待っていて、後から来る“あなた”を笑顔で案内するの。


“私”には、そんな夢があるの。 とっても楽しそうでしょ?


だから、“あなた”は“私”のために泣かないで。


“あなた”はとっても優しい人だから、


“私”が死んだのは守れなかった自分の所為だと思っているんじゃないかな?


だけど、それは違うの。 “あなた”の所為じゃないの。


“あなた”は今まで精一杯“私”を守ってくれたから。


大事に、大事に守り続けてくれたから。


だから、“あなた”は長生きをして、“私”に縛られない生活をしてください。



そして、“私”は“あなた”の傍にいつもいるから、寂しくなったら独り言を呟いて?


そうすれば、答えはなくても、“私”は“あなた”の話を聞いているから。


だから、“あなた”が心配することなんて、何もないんだよ?


そんな“あなた”のことが大好きだった“私”は逝ってきます。

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