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ミッドランドの物語のひとつ。
出現した闇巨人の源を砕き、3つの別世界から帰還した7聖女、ミリンダル、ラファンタ、ペプシア、セブンナ、エネーポン、スコールオ、ネクターシャは、シラトネー山の頂上に再び集まった。
皆がユニコーンを降り、悪の怪物の状態を注視する。
巨人は以前、7聖女の攻撃を受けた時よりも大きさを増してはいたが、顔に浮かんでいた薄ら笑いが消え、憤慨しているように見えた。
彼(もしくは彼女)は長い1歩を踏み出し、7聖女たちへと巨大な両手を伸ばした。
「久しぶりに、ひとつになりましょう」
ネクターシャの提案に、他の6人は頷いた。
7人が、輪になる。
「ミリンダル!」
聖女が銀の片手用ハンマーを掲げる。
「ラファンタ!」
聖女が銀の円盾を高々と上げた。
「ペプシア!」
聖女が銀槍の先で、宙を指す。
「セブンナ!」
聖女が銀の剣を掲げた。
「エネーポン!」
聖女が束ねた銀の鞭を上げる。
「スコールオ!」
聖女が銀斧を振りかざす。
「ネクターシャ!」
聖女が銀弓を高く上げた。
7人の聖なる武器が、輪の中央で触れ合う。
「「「「「「「7人であり1人!」」」」」」」
異口同音に7聖女が叫んだ、その瞬間。
闇巨人の両手が、シラトネー山の頂きを打った。
しかし、怪物は困惑の声を洩らす。
すでに、そこに彼女たちは居なかったからだ。
悪の巨人の前に、すさまじいエネルギーを持った存在が立っていた。
彼女は美しい顔の、深い知性を湛えた瞳で怪物を見つめた。




