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第14話 恋人としての最後の下校

♠信一side&♡愛side



「アハハ、確かに!」


「ねぇ~私達らしいよねぇ~フフフ」


今二人は恋人としての最後の下校をしている


「数か月ぶりに手を繋いだのが別れの握手とか、クククッ・・確かに俺達らしいな」


「でしょ?フフフ」


ここ1年以上こうして二人で笑い合いながら過ごした時間は無かったが、今の二人にはそんな雰囲気は無かった、むしろ恋人だった時より恋人らしいと周りからは見えるだろう


「でもさぁ信一の好きになった人ってどんな人?学校の子?」


「う―――ん、多分違うと思うけど、俺も詳しくは知らなくて」


「え?知らない人を好きになったの?一目ぼれっていうやつ?」


信一は照れながら頭を掻いてる


「アハハまぁそんな感じ、その子、本当に優しくて気遣いが出来て、何時も元気で明るい性格で本当に天使の様な子なんだぁ」


「おお、てか!私と真逆じゃない!!元カノとしては複雑だぞ?」


「そうかぁ?でもその子も俺の事好きになってくれたらいいなぁ~」


「そっかそっか!うん私も幼馴染の恋を応援するよ!」


「ありがとな、愛・・・ところで愛の好きな人こそ誰なの?学校の人?あ、野球部の上杉先輩だ!」


「ブッブー!違います――ぅ、私もその人の事あまり詳しく知らないんだけど、彼凄く親切で優しくて、私の事判ってくれて、何気ない事でも大事にしてくれるそんな素敵な人」


「ええ?そんな出来た男がこの世にいんの?そんな男の子もう彼女いんじゃないの?」


「うーん、居るみたいだけど・・・今上手く行ってないみたいだし、私の入り込む余地あるかな?ってね」


「おーおー、悪い女ムーブしてぇ、三流小説に出て来るネトリ悪女の典型だなぁ~アハハハ」


そう言うと愛はジト目で信一を睨み拳を振り上げる


「うぉ―――まてまて冗談冗談だよ!!俺も愛の恋を応援するよ、幼馴染としてな」


「たく・・・」


そうしてる内に二人の家の近くの十字路に差し掛かった


皮肉な物で恋人としての下校道は長く感じたのに、こうして恋人関係を解消しての下校道は一瞬に感じる


「あ、今日はどうする?」


いつもの様に日常的に聞いてしまった愛だったが


「アハハ、もう恋人でも無いのに幼馴染とは言え男の俺がそうそうお邪魔は出来ないよ、愛の想ってる彼にも悪しね」


「そ、そう?そう言う事なら、今日はありがとね・・また明日、信一」


「ああ、また明日、愛」


愛は玄関に入ろうとして、ふと隣の家に目を向ける


家の塀より背の高い幼馴染の顔がはっきりと見える・・・(信一もっとショックを受けると思ったんだけど・・・)


少し胸の奥に痛みを感じながら家の中に入る愛


一方の信一も家のカギでドアを開けてふと横の家を振り向くとドアの影に入っていく愛の後ろ髪が見えたがすぐドアは締められた


(恋人との別れってこんな感じなのか・・・意外とあっさりしてるな・・)


俺は自分の部屋に戻ると、数年ぶりに恋人から幼馴染に戻った愛に数か月ぶりにメッセージを送る


『あ、ああ』と入力したが、後が続かないなんて送ったら良いのか分からないでいたら間違えて送信してしまった、直ぐにアプリからの着信が入る


『はい!?』


『どうしたの?何かあった?』


『いや、家族や学校でも俺達が別れた事を伝えるべきか聞くの忘れてな』


『ああ・・確かにね・・難しい問題だよね・・』


『だろ?』


『でも家族には言わないと、私は特に妹には・・・』


『優に?それまた何で?』


『それは良いでしょ!それより学校だよね・・・』


『あれだけ騒がれてたしな・・・別れたとなったらもっと騒ぎになるからな・・・・』


『別にわざわざ皆にふれまわる必要は無いと思うけど、近しい友人には打ち明けておいた方が良いと思う』


『まぁそうだよな・・何時までも誤魔化し切れないし・・・愛の言う通り友達にだけは明日話すよ』


『ええ、私もそうする・・まぁ口止め出来ないから直ぐに学校に広まると思っておきましょう』




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