第13話 別々の道へ・・運命の歯車は回り出す2/2
♡愛side
「今日は何時もより早く目が覚めたわねぇ・・・・」
昨日ノブ―のと話してやはり私にはノブ―しか居ないと再認識した「ノブ―も私の事好きでいてくれたなんて・・・」
身支度を整えると、リビングに向かう
「え?愛?こんなに早く起きてきて、なんか有るの?」
「おはようお母さん・・ううん、たまたま早く目覚めただけ・・」
「ごめんなさい、ご飯まだなの・・・」
「良いの良いの、私パンとコーヒーだけで今日は学校行くね」
私は軽い朝食を食べて学校に向かう、何時も早いけど今日はそれよりも早く学校に着いた
住み込みの用務員のお爺ちゃんが校門を開けるのを見かけて挨拶する
「おはよう御座います」
「おはよう、今朝はえらい早く来たね」
「フフ少し早起きしてしまって教室で本でも読もうかと」
「それはそれは、感心感心」
用務員のお爺さんに会釈して教室に向かう、当然誰も居ない教室・・・
自分の席に付くとカバンから本を取り出し栞のページを開く・・・が・・全然気分が乗らない・・
(何を悩んでるの?愛・・・恋人を辞めても幼馴染は続けるって話するだけじゃない・・・)
澄んだ空を教室の窓から眺める・・・
(きっとこれで良いの・・・信一の為にも・・・私の為にも・・・)
「愛」
「きゃぁぁ、って信一じゃない・・・脅かさないでよ・・て、珍しく早いのね・・」
背後から声を掛けられてビックリしたがそこに立っていたのは信一だった
「ああ、この時間なら愛が居るかと思ってね・・・」
「そう・・・ちょうど良かった、私、信一に話があるの放課後屋上に来てくれない?」
「あ、ああ分かった」
そう返事をすると信一は私の教室を出て自分の教室に向かって行った
そして歯車の回り出す、放課後・・・・
屋上には信一の姿は無かった、どうやら先に私が来たみたいだった・・・フェンスから街の様子を眺めてると
「待たせたね・・愛・・」
「私も今来たところ・・・」
信一は私の横に立ち同じように街の景色を見つめる
「この景色は変わらないな・・・・」
「そうね・・・景色は・・・変わらないわね・・・」
「景色は・・・か・・・・所で話って?」
信一は察している様だ、でも言わない訳にいかない・・私は信一の方を向くと
「信一、私好きな人が出来たから私と別れて」
心臓が緊張でドキドキしたが、表情に出さないように必死に堪えた・・・信一は・・・表情は至って普通というより何時もより優しく見えた
「愛、丁度良かった俺も好きな人が出来たから同じ事言おうと思っていた」
やはり・・・信一も私を同じでもう気持ちが離れていたのね・・・
「そっ・・」
「ああ・・」
暫く無言の時間が二人の間に流れて・・・・信一は私に右手を差し出した
「愛、恋人として3年間・・有難う・・これからは昔みたいに幼馴染として付き合って行こう」
私からお願いしようと思ってた幼馴染に戻ろうという言葉を信一の方からかけてくれた・・・私はゆっくりと信一の手を握った
「ええ、信一も有難う・・これからはお互いの好きな人に向き合っていきましょ・・幼馴染として応援する」
「フフフ・・・」「アハハハ・・」二人は握手しながらぎこちなく笑い合った
ここから二人のすれ違いの日々が始まるのだった・・・・