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一日中、私は小崎くんが話しかけてくるのを期待していた。
でも結局、小崎くんは一度も話しかけてくれないまま帰ってしまった。
不思議に思いながらも、仕方なく私も帰ることにする。
自分の下駄箱から靴を取り出すと、なにかがひらりと床に落ちた。
見ると、それはピンクの封筒だった。
え?
一瞬見間違いかと思ったけど、それは今朝、小崎くんに渡したはずのあの封筒だった。
なんで???
訳が分からず中を開けてみたけど、やっぱり、私が書いたものに間違いない。
中の手紙も、ちゃんと入っている。
どうして返されたの…?
なにか気に障る様なこと書いてたっけ?
読み返すけど、そこには
あなたが好きです。
水野 明
という文字しかなくて、これのなにがいけなかったのか、私には全然わからなかった。
小崎くん………
どうして……?
悲しくて訳が分からなくて、私は封筒をカバンにしまい、とぼとぼと家へ向かって歩いた。
下を向いて泣きながら、ゆっくりと歩いた。
涙があふれて足元がぼやける。
それでも、通い慣れた道だから危なげなく歩けた。
歩きながら私は考える。
小崎くんは、この前とても優しかったのに…
私のことを二回も優しく抱きしめてくれたのに…
なんで…?
わからないよ……。
私はこれからどうしたらいいの?
もう私のこと、嫌いになっちゃったのかな?
頭の中はぐちゃぐちゃで、ただただ悲しくて、私は泣き続けた。
泣いて泣いて泣いて…
家につくまで目を腫らして泣き続けた。




