23
「さっき、水野さんといい雰囲気だったなぁ。なにしゃべってたんだ?」
HRがおわったとたん、加藤が僕の席に来て言った。
加藤には、昨日家に帰って電話でだいたいのことを話していた。
「別に、挨拶してただけだけど。」
「水野さん、赤くなってた様に見えたぞ?ていうか、みんなが注目してたの気づいてなかったろ。」
「あれは、風邪引いてたんだろ。たぶん。……て、は?なんで注目されてたんだ?」
「完っ全に二人の世界作ってたからな~。」
「…ただ、昨日の話してただけだし。」
「ふ~ん。まあ、良かったじゃないか。風向きが変わってきたみたいで。」
「は?どういう意味?」
「水野さん、お前のことが気になってるっぽかったし。がんばればもしかしたら、うまくいくかもよ?」
「………そうかなぁ。」
僕は半信半疑ながらも、嬉しい気持ちを隠せなかった。
うん。まだ、あきらめるのは早いよな。
まずは、話したりして少しずつ仲良くなって、僕のことを知ってもらおう。
あの時は『小崎くんのことよく知らないからごめんなさい。』って言われたんだ。
それなら、僕のことをもっと知ってもらってからもう一度告白すれば、違う答えがもらえるかもしれない。
断られたのにまだ未練たらたらで、ストーカー一歩手前な気もするけど。
このままあきらめたら、きっといつまでも水野さんのことを引きずってしまう気がする。
それよりも、やるだけやって、それでだめだったら潔くあきらめよう。
僕は昨日の帰り道に、そう自分に誓ったのだった。




