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chocolate time  作者: さや


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22/39

22

不意に、ガラッと勢いよく扉が開いて、小崎くんが教室に入ってきた。


良かった―――。


ほっとして、何気なく彼が席に着くのを見ていたら、ふと彼もこっちを向いて目があってしまった。


ドキン!


慌てて小さな声であいさつをする。


「あ……お、おはよ。」


「おはよう。・・・・ぅあっくしゅ!」


彼は大きなくしゃみをして、鼻をすすりながら席に着いた。


やっぱり、昨日あんなに濡れたから風邪引いちゃったのかなぁ。

私は申し訳ない気持ちでいっぱいになって、いすに座ったまま、体ごと左後ろの小崎くんの方に向き直った。


「あの・・・風邪?大丈夫?」


「うん。全然、大したことないよ。」


彼はそう言って表情を和らげた。


「水野さんは風邪引かなかった?」


「うん。小崎くんのおかげで全然濡れなかったから・・・。」


私は小さく笑って答えた。


「良かった。」


言いながら、小崎くんは優しく微笑み返してくれる。


ドキン


また、心臓が飛び跳ねた。

私どうしたんだろう…。

ドキドキしながら彼の笑顔を見つめる。


「水野さん、顔赤いよ。本当に大丈夫?」


ハッと気づくと、小崎くんが心配そうに私の顔を見ていた。

さっきよりも間近にある彼の顔をみたら、余計にドキドキが激しくなる。


「だ、大丈夫。」


私は慌ててうつむいて返事をした。

どうしよう・・・小崎くんの顔が見られない・・・。

自然に話さなきゃ、変に思われちゃうよ・・・。



焦ってなにか言葉を探していると、ちょうど先生が教室に入ってきて、HRが始まった。


はぁ。良かった・・・。


私は高鳴る胸を押さえながら、ホッとため息を吐いた。


だけど、さっきの彼の笑顔がいつまでも脳裏に焼き付いて離れない…。

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