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HRがおわり、みんなぞろぞろと教室から出て行った。
僕は人のまばらになった教室で、ゆっくりと帰り支度をする。
今日は美術部もないしもう帰ろう。
あったってとても部活に出る気分ではないけれど。
カバンを肩に掛けて、ゆっくりと教室を出た。
下駄箱で靴に履き替えていると、急に外からバラバラと地面をうちつけるような音が聞こえてくる。
雨か………。
僕は置き傘を思い出し、傘置き場から黒い傘を取って外に出ていった。
昼間はあんなに晴れていたのに……。
今は雨雲が空を覆い、大きな雨粒が道路にバラバラと音をたてて落ちてはそこら中に水たまりをつくっていく。
まるで、今の僕の心みたいだ。
さっきまでは晴れ渡っていたのに、今はどしゃぶりだ。
どんどん落ち込んでいく自分を止められない。
雨はどんどん強くなって、数メートル先が見えないくらい視界も悪くなってきた。
僕はちょうど、学校から5分のところにある公園にさしかかった。
いつもは子どもの多い公園も、今は誰もいない。
遊具が白く煙って見える。
その時、公園の木の下に、思いがけない人影を見つけた。
あれは―――水野さん!?
心臓がドキンと跳ねた。
急に降り出した雨に慌てて木の下まで走ったのか、彼女の髪の毛や肩は少し濡れていた。
雨はまだやみそうにない。
僕は一瞬立ち止まり、すぐに公園の中へ入っていった。




