17
しばらくの沈黙の後、彼女は少しうるんだ瞳で言葉を探しながら言った。
「あの…えっと…。私、小崎くんのこと、あんまり知らないし……。その…えっと…………ごめんなさい」
半分、予想していた答えが返ってきた。
僕はがっかりと落胆しながらも言葉を返す。
「いや、僕のほうこそ…。いきなりこんなこと言って、ごめんね。これからも、友達でいてくれる?」
「うん……」
彼女はこくんと頷いた。
「じゃあ、僕、先に行くから」
そう言って、僕は先に音楽室を出た。
半分は予想していた答えだったけど、やっぱりつらいな…。
僕はひとりになれるところを求めて、屋上へ向かって歩いた。
屋上には誰もいない。
僕はフェンスにもたれて座り込んだ。
青く澄んだ空を見上げていたら泣きそうになって、がっくりと肩を落として地面を見つめる。
胸がズキズキと痛い。
さっきまでは確かにあったキラキラふわふわした気持ちは、今はすっかりしぼんで泡のように消えてしまっていた。
もう、あきらめなくちゃ…。
目をつぶると、水野さんの笑顔が浮かんでくる。
さっきまでは、僕を幸せな気分にしてくれた彼女の笑顔。
だけど今は、苦しい……。
早く忘れよう………。
好きになったばかりなんだから、だったら、きっと忘れるのも簡単だよな…。




