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「あ、そうだ。昨日のお礼に、ケーキ買って来たんだよ。小崎くん、チョコ好き?」
「う……うん。」
「そうなんだ!じゃあ、昨日チョコケーキ買ってきてくれたのは、やっぱり一緒に食べるつもりだった?」
「え?」
「えっと…同じチョコケーキが二つ入ってたし。違うの?」
「えーっと………」
「?」
「あ~いや………うん…」
「そっかぁ。ごめんね。私、二つとも食べちゃったよ。じゃあ、これは二つとも小崎くんが食べていいからね。はい、どうぞ♪」
「……ありがとう。」
あれ?今、ちょっと嬉しそうな顔した?
ふとベッドサイドを見ると、食べかけの板チョコがおいてある。
やっぱり、小崎くんてかなりチョコ好きなのかな?
「いただきます。」
小崎くんはベッドにあぐらをかいて座ると、大きな口を開けてチョコケーキをパクパク食べ始めた。
その様子を思わずじーっと見つめていたら、彼と目が合った。
「あ、水野さんも一つ食べる?」
「いいよ、いいよ。私は昨日食べたし。小崎くんが二つとも食べて。」
私はあわてて首を振った。
もしかして、もの欲しそうに見えたのかな?
「そう?じゃあ、もう一つ。」
小崎くんが二つ目のチョコケーキに手を伸ばして一口食べる。
「あ。」
思わず口が動いちゃった!
えーっとえーっと…
小崎くんがじっとこっちを見てる。
うわぁ!何か言わないと!
えーっと…
「お、おいしい?」
私はニコッと笑顔を作ってごまかした。
「うん。おいしい。」
「よかった。どんどん食べてね。」
「うん。」
そう言うと、小崎くんはまたケーキを食べ始めた。
でも、気を抜くとついじっと口元を見てしまってまた小崎くんと目が合う。
うう~……。
視線を泳がせる私。
「ふっ…ふっふふ…」
?なんか、笑ってる?
小崎くんがケーキを口に運ぶ度に、自然と私の口も開いてしまって…
「ぶっ!あはは…ふっふはは……ひひ……ははは…………」
今度はお腹を抱えて笑いだした?
私は赤い顔をしてちょっと頬を膨らませた。
「あはははは…ひー腹いてー。………ふっぶふっ………くっくっ……あーおかしい」
小崎くんて、笑い上戸?
まだ肩を震わせて笑いながら、小崎くんはケーキを私に差し出した。
「はい。あと全部あげる。」
「え?」
「すっごい食べたそうな顔して、じーっと見てるんだもん。食べかけでよければ。」
「いいの?」
聞くと、彼は笑って私の手にフォークを握らせた。
「はい。」
「…いただきます。」
私は小さな声で言うと、ケーキを一口、口に入れた。
ぱくっ。
「…………おいし~い♪」
人が食べてるの見ると、どうしてこんなに食べたくなるのかなぁ。
ゆっくりと味わいながら幸せに浸っていると、小崎くんがじっとこっちを見ていた。
「?」




