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最強の万能剣士のおじさん、楽々と魔族を討伐

 俺の隣でマリナはぐっすり眠っている。俺の分まで食事を平らげたからな。これも彼女の成長期なんだろう。


 良く食べる子は育つ。良く寝る子は育つって言うのはこういうことなのかもな。


 精霊様も木の中で静かに熟睡している。シーンとしていて少しだが、寂しげな感じもある。


 夜の空には満月が出ていて、光がコテージにいる俺達に当たり、こちらに照っている。


 俺もそろそろ寝付かないと。そう思っていた時だった、魔物の強い気配を感じたのは。


 どういうことだ!? 俺は必殺の【結界張り】を使い、結界を張ったはず。一時的とは言え、直ぐに消滅する結界ではない。ならば何故!?


 俺はマリナに気付かれないようにそっとコテージを出ていく。


 その時だった。何処からかガサガサガサッと草が動く音がした。


 もしかしたら魔物か? いや、気配がない。っと言うことは何も問題ないな。


 それにしてもさっき強い気配を感じた魔物は何処にいる!?


 必殺【直感(インスピレーション)】を使い、魔物を(さぐ)る。


 アイツか? 俺は【高速移動】を使い魔物の目の前に来る。そして鞘から剣を取り、

サクッ

っと始末する。


 しかし先ほどの強い気配はコイツではなさそうだ。それでは!?


 気持ちを全集中させ【直感】を使う。

 すると、数十体くらいの魔族が俺の脳内に入ってきた。


 アイツ等だ。早速、【高速移動】を使い奴等のところまでやってくる。


 後ろから

 バシュ、バシュ、バシュ、バシュ、バシュ!

っと背中を切り裂く。


 振り向く魔族達。


「何だ、貴様は!」


 一人の巨大な魔族が剣を振りかざしてくる。俺は奴の攻撃を受け流す。

 パキイイイイン

「な、何だと!?」


 そこを必殺【滅殺斬り】で奴の鋼の装甲を打ち砕き、消滅させる。


「ぐうわあああああああ!」


 奴は断末魔の叫びを上げる。そしてもう一人が攻撃を仕掛けてくる。


 俺は背後を振り向き、その攻撃も受け流す。

 パキイイイイン

 そして必殺技の【破滅斬り】で消滅させると、もう一人の魔族も俺の背後から大型の剣を振りかざしてくる。


「……無駄なことを」

 パキイイイイン

 とパリィしても後ろから数十体の魔族達が俺にかかってくる。


 弱ったな、こんなに来られては普通の技では対抗出来ない。


 ならば

 超必殺技、【十字型(クロス)斬り】

 バシュュュュュュュュー

っと俺の振りかざした剣から縦一線と横一線がクロスして高速で数十体の魔族を消滅させた。


「ぐうわあああああああ!」

 魔族達は断末魔の叫びを上げ、消滅していく。


「後は、貴様だけだ」

「ク、クソ!」


 奴が逃げようとしている。

「逃がさん!」


 俺は必殺技【超多殺斬り】で攻撃をする。


「止めてくれええええ! ぐうわあああああああ!」


 これで強い気配を出していた魔族は消滅したな。


 でもおかしい? これくらいの魔族なら俺の結界張りで消滅しているはず? どういうことなんだ? もしかしたらそれよりも強い魔族がいて、結界を破壊されたということなのか? 分からない。でも…何だろう、変な胸騒ぎがする。これは一体?


 まっでも精霊様に一応、報告しよう。

  必殺、【自然界話(テレパシー)


「……エヴァンです。精霊様」


「聞こえますか、エヴァン様!? アンジェリアです! 今、何処にいますか!?」

 一体どうしたというのだろうか?


「精霊様、俺は魔族の討伐に行っておりました。何かありましたか?」


「マリナちゃんが、魔王四天王のデーモンに捕らわれています!、今すぐに来て下さい!」


 マリナが、そんなバカな!? じゃああの時、草が動いた音、あれは気のせいではなかったのか!?


 だと言うことは魔王四天王は、気配を隠すのが上手い魔族だと言うことになる。


 俺は【直感】を使い、マリナのいるコテージを探る。居場所が分かると、【高速移動】で素早く移動する。


 ダダダダダダッ。


 マリナ、無事でいてくれ、頼むっと神に只管(ひたすら)願う。


 俺があの時、魔族討伐に行かず、彼女のそばにいてあげれたら……こんな危ない目にあわさずに済んだのに……申し訳ない、俺は師匠失格だ。


 【高速移動】で移動していると精霊様(アンジェリア)の姿が見えた。


 彼女の前で俺は跪く。


「精霊様、申し訳ありません。魔族討伐に行きながら、魔族の存在に気が付かないなんて」


「謝るのは後で構いません、それよりもあなたの大事なマリナちゃんを助けてあげて下さい!」


 そうだ、俺は魔王四天王の捕らわれている彼女を救出しないといけない。


 ズシン、ズシン、ズシン、ズシン。

 足音が森に響く。


「ほう、貴様か?」


 声がする方向を振り向くと、そこにいたのは2mオーバーのスリルとした体型をした魔族らしき姿。

 上半身に鋼の装備をしていて右手で巨大な剣、左手でマリナを握り、捕えている。


「お前が魔王四天王か?」


「如何にも、私が魔王四天王のデーモンだ! 良くも私のお気に入りの配下達を消滅させてくれたな。仕返しにこの子供を殺す!」


 握っている手を強くして彼女を苦しめるデーモン。


「し、師匠!」


「おい、止めろ! マリナには手を出すな!」


「ハハハハハッ! どうだ、仲間が苦しめられている気分は!? お前が私の配下を滅ぼしたように貴様の大事な小娘を殺してやる!」


マリナ、今すぐに助けてやるからな。魔王四天王(デーモン)の手から必ず。


読書のお時間いただきましてまことにありがとうございます。

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