最強の万能剣士のおじさん、弟子と一緒に精霊のところに挨拶に行く
「まさかあなた様が私とコンタクトを取ることが出来るとは大変驚きであります。
伺わせていただきましたよ、魔族への討伐。驚くべき力ですね」
「いえいえ、俺なんてちっぽけな存在ですから」
「とんでもございませんよ。あなた様はもしかしたら、私達、精霊種の救世主になりうる存在になるのかも知れないのですから」
「何かあったのですか?」
一応は聞いておく。
「実はですね、あなた様の目の前に姿を見せた魔族は魔王四天王デーモンの配下にあたる存在です。
奴等は森の奥で悪さをしては精霊種を虐殺し、自分達の領域を作っているのです。
精霊種を滅ぼされては自然界のエネルギーが成り立たなくなります」
やっぱり、あの精霊の死体はそうだったのか。
「ねえねえ、師匠。今、精霊さんとどんなお話をしているの?」
「マリナ、ゴメン。静かにして欲しい。今、精霊様と重要なお話をしているんだ」
「し、師匠。ムーッ」
頬を膨らませているマリナは可愛い。微笑む俺だが直ぐに真剣にお話しを聞こうと思う。
「すみません、お話を続けて」
「はい、私はあなた様に魔王四天王デーモンの討伐をお願いしたい訳です。
一度、私のところに挨拶に来ていただけませんか? 勿論、ご馳走もご用意致しますので」
「それはよろしいのですか!? 実は俺の弟子が空腹状態でして。是非、弟子にご馳走をさせていただけるなら」
「ええっ。構いませんよ。あなた様の礼儀の良い態度、そして圧倒的な強さを兼ね備えている方なら安心して提供することが出来ます」
「ありがとうございます。俺達、人間も自然エネルギーを破壊されては生きてはいけない。
だから魔族は一刻も早く討伐しなければ……早速、お挨拶に行かせていただきます」
「こちらこそ、お待ちしておりますよ」
こうして俺は精霊様とコンタクトを切った。
「ねえねえ、師匠。精霊さんとどんなお話をしていたの?」
「マリナ……精霊様に挨拶しに行くぞ」
急がねば! 自然の世界に関わる事態だ。
俺はマリナを背負う。
「ちょっと、師匠、どうしたの!?」
「ゴメン、マリナ。緊急時なんだ。ちょっと急がせてもらう」
そして必殺技を使った。
必殺【直感】
俺は直感を使い、コンタクトを取った精霊様の位置を確認した。
場所が分かったぞ、彼処だ。
俺は必殺の【高速移動】を使いあっという間に精霊様のところにやってきた。
精霊様は小柄で背が小さいが綺麗な小顔で髪が伸びていて以下にも女性っぽさが出ている。
急にやってきた俺達を見て精霊様は驚いているようだ。
「もしかしてあなた様が先ほどコンタクトを取られた剣士様?」
「はい、精霊様」
俺は精霊様の前で跪く。
「そうですか。私は精霊、アンジェリアです。よろしくお願いいたします」
「精霊様、私はエヴァン・ワイルド、エヴァンとお呼び下さい。こちらはマリナ、私の弟子です」
「精霊さん、よろしくお願いいたします」
「マリナちゃんね。可愛い名前」
「わっ。何だか精霊さんに可愛いとか言われたら何だか少し恥ずかしいかも」
精霊様は笑顔を出していた。しかし直ぐに真顔になった。
「エヴァン様、マリナちゃん。良く聞いて下さい。私達の領域には結界が貼っていて魔族達は侵入出来ないようになっております。
しかし最近、結界が弱くなり、いつ魔族達が侵入してくるのか、全く分からない状態です」
っと言うことは結界により、領域を保っていたという事か。それは一刻も早く到着しておいて良かった。
「それならば、この俺にお任せを」
「えっ、どういうことでしょうか?」
必殺【結界張り】
[剣から結界を発生させ、味方の領域を守る技。俺の結界張りは強力で、触れた魔族をも滅ぼす。しかしこの結界は一時的な物なので、永久に領域を守ることは不可能になる]
「一体何を?」
「弱っていた結界を俺の結界張りにより、一時的に強くしました。これで魔族が侵入しようとしてきても一旦は大丈夫です」
「そうですか、ありがとうございます」
「いえ、礼には及ばないことです。一時的なことですから」
「それでも安心出来ます。エヴァン様がいるなら」
「いえいえ、私はまだ何もしておりません」
「エヴァン様、マリナちゃん、お腹が空いたと仰りましたよね? あなた方の食事がもうすぐ来ますので安心してゆっくりしていって下さいね」
「本当、精霊さん! お食事持ってきてくれるの!? 嬉しい!」
「良かったな、マリナ」
「うん、師匠!」
暫くはここでのんびりするか? 何せ魔王四天王の討伐を依頼されたからな。
読書のお時間いただきましてありがとうございます。
また投稿したくなりましたら致しますので、よろしくお願いいたします。