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最強の万能剣士のおじさん、弟子に稽古を付けるⅢ

「マリナ、ガード姿勢が崩れている。俺との打ち込みで姿勢が崩れてしまったら剣術にも影響する。姿勢を保て」


 俺は彼女の持っている木刀に連撃を打ち込んでいる。


「……師匠、厳しい」

「マリナ、俺の攻撃を受け流し、逆に攻撃するんだ。良いか?」


「でも師匠の攻撃、速くて受け流せない。あっ!?」

 彼女は持っていた木刀を地面に落としてしまう。


「大丈夫か? マリナ」


「ごめんなさい。師匠の攻撃、痛いくらい重くて、強くて……木刀で受けても姿勢が崩れてしまうし、それに師匠の攻撃が速すぎて受け流せません」


「最初はそんなものさ、マリナ。自信を失うことはない。まだ君は稽古を初めてたった三日目なんだ。俺だって成長するのは人一倍誰よりも遅かったけど、こうして実力を付けている。俺の稽古に慣れればきっとマリナも出来るようになる」


「私、師匠みたいになれるかな?」

「なりたいと思ったらなれる。要は気持ちの問題だ」


「そう……師匠、ありがとう。何回も何回も努力して師匠みたいになれるように頑張るわ!」


「そうだ、前向きになることが必要だ」

「もう一度、稽古よろしくお願いいたします」

「こちらこそ」


 この日の彼女は私の稽古に全然付いていけていなかったが、それ以降は少しずつ変化が見られた。


 先ずはガードの姿勢。俺の連撃を受けても、ガードの姿勢があまり変わらなくなった。それだけでも、成長の証だ。


 彼女は確実に成長している。後は俺の動きに慣れて受け流しさえ出来れば合格だ。必殺技等は後で覚えたら良い。俺はそう思いマリナの木刀に何度も何度も連撃を与える。


「マリナ、ガードばかりしていては俺に隙を与えられない。受け流すんだ」


「……でも師匠の攻撃が速すぎて」

「失敗したって構わない、最初はみんなそうだ。恐れないことが大事だ」


「分かりました、マリナ、勇気を持ちます! てやあ!」


 パシッパシッパシッ!

 彼女は俺の攻撃を受け流そうとするが、逆に木刀の攻撃に当たってしまう。


「師匠、痛い!」

「マリナ、何度も何度も挑戦するんだ。繰り返しの失敗が成功へと導く」

「はい!」


 その日は受け流しの技術は成功出来なかったが、日が立つに連れ、少しずつ変化が見られていく。


 パーン

 俺の攻撃を捌き、受け流すことにいよいよ成功したマリナ。


「マリナ、凄いな、もう受け流しの技術を習得するなんて」


「ハア……ハア……ハア……。師匠、私はまだまだです。確実に身をつけるまで稽古をして下さい」


「そうか、お前は本当に頑張り屋さんだな」


 それ以降、彼女の実力は上がっていく。受け流す技術も完璧ではないが、ほぼ完全に出来るようになった。


 毎日練習していた構えの基本的な姿勢もマスターし、俺がマリナに教えることはなくなった。


 後は実戦でどれだけ、俺の動きに付いていけるのか? だけになった。


読書のお時間いただきましてありがとうございます。次回の投稿はまた未定とさせていただきます。

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