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最強の二人〜彼らの謎多き日常〜  作者: 地野千塩


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無償の愛の謎(3)

 来るんじゃなじゃった。


 誠は、受付を終え、会場に入った瞬間から後悔していた。


 まず、会場はいかにも田舎という雰囲気だった。立食形式で、テーブルの上にはスイーツや軽食が並ぶが、変なご当地キャラの像とかも飾ってあり、田舎な雰囲気が漂う。


 参加者は意外と多く、会場はザワザワと賑わっていたが、男の方は……。豊がフツーに見えるぐらい、男たちは服装や仕草が色々アレだ。もうアレとしか言いようがない。服装も豊っぽい変なシャツの男も多いし、寝癖をつけているものもいた。貧乏ゆすりをずっとしているものもいる。こんな言葉は嫌いだが、「弱者男性」という言葉が浮かんでしまう。そしてこのルックスの中では誠も平均値というのも涙が出そうだ。


 女は意外と綺麗にまとまっているものも多かった。この婚活パーティーは年齢制限なども特に設けていないようだが、一番年齢が上に見える女性は四十歳ぐらいだった。コンサバで服装や仕草も女子アナっぽく纏めている。確かに新垣結衣や石田ゆり子はいないが、男と比べると平均値は高そうだった。


 一方、男は六十歳ぐらいの老人もいる。しかもタンクトップにサンダルという格好だった。身の程知らずというか、なんと言うか……。「変なおじさん」という言葉が頭に浮かんでしまうのだが。


 そうは言っても、豊は案外楽しそうで、変なおじさんとも談笑していた。誠も変なおじさんと話すが、茶渋を洗剤を使わずに綺麗に落とす方法などを教えてもらい、知恵袋ネタで盛り上がってしまった。変あおじさんは妙な知識がいっぱいあり、意外と話題は尽きずに面白い。仕事がなくて困っているというので、konozonを紹介しておいた。konozonは万年人手不足で労働者を紹介すると、ギフト券など貰えるもだった。


 しかし、こうして男たちと固まっていても仕方がない。司会者が現れ、婚活パーティーも正式に始まった。


 まずは回転寿司のように男達が動き、座っている女性達と自己紹介をする。プロフィールカードを渡し、一言自己紹介をするだけで、まさに回転寿司だった。


 一見服装や仕草はまともに見えた女達だったが、イケメンとその他の男たちの態度が露骨すぎて、誠の心臓はグサグサと刺さる。


「konozon勤務? っていうかあそこの工場の底辺労働者でしょー。この辺りでkonozon勤めてる同級生とか多いから。給料の割には重労働っていう噂ね」


 プロフィールカードにkonozon勤務と堂々と書きドヤ顔していたが、あっさりと女の真実を見抜かれ、誠は冷や汗を流す。豊も医者という嘘をあっさりと見抜かれ、頭を抱えていた。豊が医者というのは、やっぱり無理があるわな……。


 こうして地獄のような回転寿司は終わり、ゲームやフリートークへ進む。


 男達の中でも一番人気のイケメンにワラワラと女が群がっていた。ちょっとホスト風のイケメンだったが、この中では一番人気のようだった。女達はイケメンへはぶりっ子。二重人格に見えた。


 余り物の男達は、結局、女と会話する機会を失い、テーブルの食べ物ばかりがっついていた。


「うま!」


 変なおじさんは、サンドイッチやフライドチキンをがっつき、「一体この人何のためにきたんだろう?」といった状態だったが、豊とはすっかり打ち解け、konozonに入社する気も満々だった。


「来るんじゃなかった……。ここって男と友達になる場か?」


 誠は本来は婚活パーティーだった事を思い出し、ため息しか出ない。特にイケメンへの二重人格っぷりが、女不信になりそうだった。新垣結衣だったら、変なおじさんにもニコニコしているんだろなー思うと、再び涙が出てきそうだった。変なおじさんと一緒にフライドチキンがっつくが、涙の味がしそうだ。


「豊はどこ行った?」

「あっちだよ」


 変なおじさんが指差す方向を見た。会場の隅っこで、豊は一人の女性と話していた。


「は?」


 思わず手に持っていたチキンを落としそうになる。豊と女が結びつかず、その光景は幻のようにも見えてきた。


 豊と一緒に話していたのは、坂下亜由という女だった。回転寿司の時には、特に印象に残らない女だった。確か三十歳、保育士といっていたが、色が白く、目が黒めがちでウサギっぽい印象だった。誠は「konozon勤務」とドヤ顔しても「すごいですね!」と素直に言っていた事も思い出す。見かけ通り、ちょっと世間知らずで天然っぽい。


 まさか豊を本当に医者だと勘違いしてる可能性もある?


「こいつ、医者じゃないよ。俺と同じkonozon勤務ですからね」


 亜由が騙されていると思うと不憫になり、一応忠告にしの行った。


「うそ、そうなんですか? すごーい!」


 うん?


 亜由は本当の事を知っても、目をハートにして豊を見ていた。


 は???


「ごめん、亜由ちゃん。僕、見栄張って医者だって嘘ついちゃった」


 豊も豊で顔を真っ赤にして、後頭部をかいていた。お互い熱っぽいというか、キラキラした視線を向けているのだが???


 これは事件だ。


 あの豊に彼女ができるかもしれない。

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