番外編⑤ いるやつ・・・幸生とシーバー
今年もよろしくどうぞ。
番外編⑤『お茶濁し自己紹介』
羽柴彩香には両親がいない。そのことを知ったのは彼女が15歳になった時である。物心ついた時から比較的裕福な親戚の家に預けられていたため、親だと思って接していた彼等が本当の親ではないことを知らなかった。
15歳の誕生日。その事実と共に、本当の両親は娘である彼女を庇って謎の怪死を遂げたと聞かされる。そして高校在学中、沖谷幸生と楽しい青春を送りながらも、彼女の中にある疑問は膨らむばかりだった。
何故両親は自分を庇って生命を落とさねばならなかったのか。
何故臓器を綺麗に抜き取られた状態で海上を漂っていたのか。
そして彼女は決心する。高校を卒業したら、最後に両親がいた神京に行こうと。両親を取り巻く謎を解くために。それが娘の自分に出来る親孝行だと信じて。
「本当に行っちゃうの?シーバーのご両親は、シーバーを守るために亡くなったのに。シーバーが神京で暮らすことは・・・その努力を無下にする選択かもしれないんだよ?」
「それでも・・・気になるくね?」
「・・・え?他には?」
「えーと、ゆ、許さねぇ・・・写真でしか見たことないパパとママ!私の柔道5段で敵を取るからね!」
「無理して嘘つくな!」
パン屋『大原』の従業員として働く傍ら、情報収集を行っていくうちに、両親は公安の捜査員であることを突き止める。そして両親はある組織を捜査中、偶然機密情報を入手してしまい、口封じの為に始末されたのだということを知る。
「――私がこうしてさっちゃんと電話できるのはこれで最後になるかもしれん」
「え?死ぬの?」
「私明日から、最期に親が潜入していた組織に所属する。ワンチャン迷惑かかるかもしれないから、一旦おめーと縁切るわ」
「いや急すぎ――」
――ごめんさっちゃん。今までありがとうっ・・・!
彼女は両親と同じ世界に自ら入ることを選択する。果たして死ぬことなく謎を解き明かす事ができるのか。
「本当にただ『気になるから』ってだけでここまで行っちゃうとは・・・流石シーバーだね。親譲りの知能と悪運は伊達じゃないってことなのかな」
そしてこの物語の重要な鍵を握るのは――幸生だった。
シーバー(以下 シ)「やっぱ親戚のおばあちゃんの家に預けられて、そこでおばあちゃんにいじめられて育ったってことにしよう。そんな生活が嫌になって家出して、神京まで来たとき出勤途中の凌君が助けてくれるって流れで」
幸生(以下 幸)「そこの設定そんな重要!?」
シ「凌君と私の恋愛要素8割、組織に潜入して両親の死の謎を解き明かすミステリ&サスペンス要素1割、さっちゃんから全てを聞いて私が涙する感動要素1割のパーフェクトストーリー。ここに爆誕!」
幸「配分下手か!折角詰めたあらすじがもはやおまけじゃん!まさか『シーバーのお父さんお母さんって何してる人?』って質問からこんな壮大な妄想が始まるとは・・・」
シ「さっきの話に戻るけど、私一人っ子な」
幸「妹と弟いるの嫌になっちゃったの?」
シ「一人っ子って憧れん?めっちゃ甘やかしてくれそうだし。はるまちゃんって確か一人っ子よな」
幸「全ての一人っ子がはるまみたいな感じだとは限らないよ。逆にはるまはレアなんじゃない?沖谷家も妹がいなかったらもっと厳しく私を育ててたってお母さん言ってたし」
シ「あ、あれ以上に・・・!?恐ろしいな」
幸「とまあ前置きが長くなってしまいましたが・・・読者の皆様お疲れ様です。お茶濁し自己紹介のお時間です。本日のゲストは待ってました!シーバーこと羽柴彩果ちゃんです!名前久しぶりに読んだわ」
シ「美味しそうだろ。彩る果実」
幸「こんな素敵な名前をつけたご両親をあっさり殺すなんて正気じゃないな。あ、シーバーのご両親は2人共海外勤務しているそうです」
シ「ちゃんと私の為に稼いでくれとるわ」
幸「お気づきの通り、彼女の性格の悪さは大概です。そんなシーバーは身長152cm体重『ヴォーーエオーー』うるさっ!何で法螺貝!?」
シ「羽柴と言えば法螺貝じゃね」
幸「ねーよそんな公式。えーと趣味はラブマイで推し・・・じゃなかった彼氏の足利凌君」
シ「凌君王子様すぎてもぅマヂ無理。凌君が飲んだジュースのストローペロペロ舐めたい」
幸「(耐えろ!耐えるんだ私!)・・・えーと読書、は特に昔の短編小説が好きなんだ。私(新作長編推理小説派)とはまた違ってていいね。後は日本人形とフランス人形を愛でること。好物はハンバーガーとポテトチップスとコーラ・・・ジャンキーだなぁ」
シ「最高。この世で最もうめえもの。全員食え。ハッシュドポテトとホットケーキもマジで美味い」
幸「で、嫌いな食べ物はトマトと茄子」
シ「食感がちょっとな・・・でもよくかぶりついてる」
幸「よく食うんかい!えー外見の特徴は右利きコンタクトで金髪セミロングのウルフカット(7月現在)8月3日生まれのO型です」
シ「もっと強い誕生日が良かった。開戦した日とか」
幸「自分の誕生日にケチつけるキャラ初めて見た・・・っとこれ以上は規制が入るな。シーバー髪染めたんだ。5月に会った時は黒髪だったのに」
シ「一度やってみたくて・・・」
幸「その髪で仕事大丈夫なの」
シ「全然平気。むしろ皆めっちゃ褒めてくれる」
幸「その職場大切にしなね・・・あ、一応・・・シーバーは神京のパン屋『大原』の社員さんで、看板商品はいもむしパンだそうです。へー3種類のクリームが入ってるんだ」
シ「芋蒸しじゃないからな。虫の芋虫。味は季節によって変わる。今は頭を齧るとオレンジクリームが出て、胴体をちぎるとクリームチーズが出て、下半身をむしるとレモンクリームが出る」
幸「表現がグロい!でもいつか食べてみたいな・・・(ピンク色に濁った甘ったるい牛乳ゴクリ)」
シ「さっちゃんが飲んでるのは苺オレか。それめっちゃ甘ったるくてキマるよな。私も好き」
幸「キマ・・・瞳孔開く程ではないかな。シーバーには白く濁った牛の乳をどうぞ」
シ「えーハイボールがいい」
幸「えー現在時刻午前11時です。飲み過ぎはほどほどに。シーバーの備考は酒豪。もう本当にウワバミ」
シ「そういえばこの前、出勤前に間違えて梅酒を緑色に濁ったお茶で割ったやつ飲んでさー」
幸「朝茶は福が増すって言うけど・・・お酒は論外だからね!?良い子の読者様は真似しないように!」
シ「お茶だけに・・・ってことよ」
幸「クビになってしまえ!」




