表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

4/21

第4歩 会話の結果……気まずくなっただけでした

 《4日目》


  昨日目標を達成出来なかった罰として筋トレをしたからか、朝から全身が筋肉痛で起きるのが大変だった。


  痛みに耐えながら支度をし、学校に向かう。



「完全に無理しすぎた……」


  もっと最初は10回とかから始めれば良かったと後悔している。


  ずっと運動してなかった奴が最初から100回とか今思い返すと馬鹿過ぎる。


  でも、まぁ罰だからしょうがないか……。


  重い身体を頑張って動かし、遅刻しないように痛みを我慢する。








「いてて……」


  学校に着き、自分の椅子に座る。椅子に座るという動作だけでも筋肉を使う訳で、痛い。



「あ、おはよう」


  忘れず今日も村田さんに挨拶。千里の道も一歩から。毎日挨拶をしていたからか、4日目の今日は少し簡単に出来た。


「おはよう」


  村田さんに挨拶を返して貰える安心感が出来たからなのだろう。


  今日の目標は達成出来なかったから昨日と同じ「少しでも会話する」だ。


  さて、どうしたものか。あれからずっと話題が無いか考えて、スマホを使って検索してみたりするも如何せん、村田さんが何に興味があるのかが全く分からない。


  いっその事、それを聞いてみるか……? いやしかし、自己紹介の時に特に趣味がないって言っていた。そのまんま返されたらそこで会話が終わってしまう。それでは意味が無い。



  いや……待てよ?俺がアニメが好きって事を人に言い難いように、村田さんもあまり人に言いたくない趣味なのか!?



  その可能性に賭けてみる価値はある!!


「む、村田さんって趣味とかあるの……?」


  スマホを観ていた村田さんは顔を上げて「特にないです」とだけ言ってまた顔を下げた。


「あ……そうなんですね…………」



  チーンと頭の中で効果音が勝手に再生される。



  …………ですよねぇ。人に言いづらい趣味ならまだ出会って4日目の俺なんかに教えるはずないですよねぇ……。



  しくじった。気まずい。ゲームオーバー。小中と女子と関わって来なかった自分に嫌気がさす。本当に、どういう会話をすればいいのかが全くわからない。


「……やっぱり仲良くない人には教えたくないですよねぇ……」


  と無意識に零れてしまった独り言。


  はっ、と気付いた時には村田さんは顔を上げてこっちを見ていた。

  相変わらずの無表情で何を考えているのか、どう思っているのかが全く読めない。


「っ!!……すみませ」

「別に本当に趣味が無いだけです」


  謝ろうとした瞬間に、村田さんが口を開いた。


「え、そうなんですね……す、好きな物とかも無いんですか……?」


「無いです」


「あっ、そ、そうなんですね」


「「…………………」」


  沈黙を破ったのはチャイムでした。


  助かったぞチャイムよ。


  何も会話を広げられなかった……。気まずかったからナイスタイミングだ。


  今日の目標これで達成でいいよね!?ね!

  頑張って会話したんだから!


  とことん自分に甘いのは許して欲しい。俺は褒められて伸びるタイプなのだ。


  褒めてくれる人がいないなら自分で褒めるしかないのだ。


  てことで、今日は筋トレを免れて良かったと安堵する。


  この筋肉痛じゃ、とてもじゃないけど出来なさそうだったからね。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ