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1歩1歩の積み重ね これは努力で幸せを勝ち取った俺の、幸せな生活のほんの1部

  それからの日々はいつもと変わらず、けれどクラスの皆とより仲良くなる事が出来て楽しかった。


  いつかは前山くん、三上さん、村田さんと俺の4人で一緒に遊びに出掛けた事もあった。


  どんどん過ぎ去る楽しい時間。いつかは終わってしまう。そして卒業式。


「時間が過ぎるのって早いね……」

「うん、ほんと……」




 俺と村田さんは空き教室に2人でいた。別に卒業式をサボった訳では無い。

  卒業式が終わって、今からクラスの皆でお別れ会をしに行く前。


  俺は村田さんに伝えたい事があり、時間を貰った。


「それで……話って?」

「うん……」


  1年生の頃とは違う。この3年間、俺は自分で色々な目標を作り、達成し成長してきた。


  そして、初期の目標はまだ果たしていない。機会を逃しに逃しまくって、卒業式になってしまった。


  こういう少し臆病な部分がまだまだ成長出来てないな。



「俺、ずっと村田さんの事が好きだったんだ……出会った頃から。1年生の頃から。何かキッカケがあったとかじゃないけど、いつの間にか好きになってたんだ。だから良かったら……俺と付き合ってくれませんか……?」



  廊下から隙間風が入り、村田さんの髪を靡かせる。髪を耳に掛けながら村田さんは――――



「――――……」

















「ってな感じでパパは私に告白してきたんだよ! 緊張が伝わってきて待ってるこっちも恥ずかしかったんだから」


「えー!パパ凄く頑張ったんだね!」


「そうそう、パパ凄く頑張ったんだよー」



  一体俺は何を聞かされてんだ……。花音と娘の綾2人から頭を撫でられながらボヤく。


  そう、俺達はあの後付き合いその後数年を経て結婚し娘が産まれた。


  幸せの絶頂にいた。



  それからも綾に俺と花音のエピソードを次々と語っていく。


「頼むからもう辞めてください……」


  恥ずか死しそうだ。




  中学生の頃は人見知りコミュ障で友達も全然居なくて彼女すら出来た事もない落ちこぼれの俺。

  けれど勇気を出して少しずつ少しずつ成長した。その小さな勇気、小さな一歩を積み重ねたからこそ今の生活がある。


  そう、人は努力次第でどんな人間にもなれる。勇気を出す事は本当に難しい事だけどそれを乗り越えないと成長出来ない。


  大丈夫。皆思ってる程怖くない。優しいよ。



  綾を寝かしつけてから、リビングに戻ると花音がテレビを見ていた。


「あ、ありがと」

「うん」



「今日も……しよ?」


  上目遣いで誘ってくるなんて反則だろ……。


  俺は運にも恵まれ、今は村田花音……いいや妻の村上花音と娘の村上綾と楽しい生活を送っている。



「明くん、私を選んでくれてありがとね」


「こちらこそ、ありがと」


  そう言い合った後俺達は照れ笑いをしながらキスをした。

  そして長い夜は今日も明けていく。






  ――これは努力で幸せを勝ち取った俺の、幸せな生活のほんの1部である。

最後少し駆け足になってしまったけれどこれにて完結です。

好評なら体育祭の後から書いたり結婚後とか書こうと思います

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