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第9歩 この寝癖、MVPです

 《9日目》


  今日も朝から村田さんに挨拶を済ませ、前山さんや三上さんにも挨拶しようと思ったが、前山さんは友達と話していて声を掛けられない。三上さんはまだ来てないっぽい。


  村田さんも挨拶の後に直ぐ女子の友達と喋り始めた。

  危ねぇ……もう少し遅かったら挨拶出来なかった……。

  流石に喋ってる所に割って入って挨拶だけするのは無理無理無理。何か用があるとかなら全然変じゃないけど、特にそう言った用もないからな。



  いつ声を掛けよう……? 朝のこの時間を逃したら1番ハードル低い「おはよう」が出来なくなってしまう。


  なるべく、この時間に挨拶は済ませたい!!


  どうしようどうしようと机で特に何もついてないスマホの画面と睨めっこしていると「おはよーだー!」と元気な昨日何度も聞いた声が聞こえてきた。


  その声の持ち主は、俺に気付くとわざわざ近くまでやってきて「村上くんおはよー」と挨拶してくれた。


「おはよう、三上さん」


「村上くーん。寝癖ついてるよ」


「えっ、嘘!?」


  ちゃんと朝から髪の毛濡らしてドライヤーして来たのにまじか。今日の寝癖はどうやら手強かったらしい。


  どこにあるんだ? と髪の毛を触っていると「アホ毛みたいになってる」と三上さんが無邪気に笑った。


  俺が気にして頭の頂きを触ると確かに跳ねている。直れ直れと髪を撫でるがぴょんと髪が跳ねる。


「まぁ可愛いからいいんじゃん!」と手を振り去っていく三上さん。


  嵐のような人だ。それにしてもまじかぁ。恥ずかしくなりつつ髪を撫でて直そうとするも本当に直らない。


  俺と三上さんの会話が聞こえていたのか前山さんが声をかけてきた。


「おはよー村田」

「あ、おはよう前山さん」

「さん付けやめい」

「慣れてないから無理です……」

「せめて『君』にしろ」

「前山くん」

「やっぱちょっとキモイからさんでいいや」


  なんのやり取りだったんだよ……。


「てか寝癖面白いな」

  ケラケラと笑う前山さん。気にしてるんだからやめてクレメンス。


「まぁ、似合ってるぞ」そう言って去っていった。


  …………その似合ってるって意味は俺がアホっぽいからアホ毛が似合ってるって事か……?


  俺そんなにアホっぽい……?











  先生が来たから皆席に着いて、村田さんも帰ってきた。


「その寝癖、似合ってるよ」


  村田さんに微笑みながら中々嬉しい様なバカにしてる様な事をを言われてちょっとドキッとしてしまった。


「馬鹿にしてる……?」


「してないしてない」


  三上さんと前山さんと話す話題にもなったし、村田さんも笑ってくれたしこの寝癖MVPです。














  気が付けば朝から2人とも挨拶だけじゃない会話も出来て目標は達成。やっぱり話しかけられるとちょっとは話せるんだよなぁ。


  これはもう友達2人出来たって思ってもいいのかな。

  明日は次のステップに進もう。連絡先交換!! 1回やった事あるし、村田さんの時よりもハードルは低いだろう。陽キャラだし、断られる事はないと思う!!


一応最後まで書ききった作品です。次話はまた明日から毎日更新しますのでよろしくお願いします。


ここまで読んで少しでもいいと思ったら評価、ブックマーク、いいねお願いしまぁぁぁぁぁす!!!!

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