死にたいと言えない理由と、私と僕ーノンフィクションー
額縁の中の私は皆と笑って楽しそうにしてて、額縁の外の僕は、ただただ、楽しそうな『自分』を見つめていた
1章 心の物語へ
白とでも私のことを呼んでください。
私は、小説を書いている。
なんでかって?
私の心は【ぐちゃぐちゃ】だからかな。
短編小説は、主に私の物語。
そう、『心』の物語。
そう言えば、昔ピアノを習っていたけれど、ピアノの先生にも言われたっけ?
「あなたは分かりやすいね。音に『心』が現れる。」
怒ってる時は、激しい音。悲しい時は、切ない音。楽しい時は、飛んだり跳ねたりする音。
先生曰く、私は人に自分の気持ちを表現するのが凄く苦手なのに、音楽にはとても現れると言われてた。
そして、小説もどうやらそうらしい。小説を書き始めたのは最近だが、友人から、「君らしいね」とよく言われる。
私は、自分が本気で思っていることしか書けないので、とてつもなく小説を書くのが遅い。
今は長編を書いているんだけれども、心がのらないと、文を書けないのだ。
そして今に至る。私が今この小説を書いてるのは、きっと『心』が叫んでるからだ。
私の『心の物語へ、皆さんようこそ』
2章 私
私は昔から何故か人の心が読める。というより、正確には【人の心に自分の心が支配される】と言った方がいいかな?
幸せに笑ってる人を見ると、自然と笑えてくる。
悲しそうな人がいると辛くなる。
どこか痛そうにしてると、何故か同じところが痛む。
嘘をついてると、すぐ分かってしまう
嘘ばかりで、足の引っ張り合いで、憎しみだらけで…。こんな世界…。嫌だ。
私はすごくこの世界が生きずらくて、『消えたい』そう思ってる。
でもね、何よりもこの世界に生まれたことよりも1番恨んでいるのは、嫌いなのは…
自分自身
そんな私でも、必要と、愛してくれる人がいる。嬉しい。そしてその人たちと居るのは、幸せで楽しい。そんな中、私の中の僕が言うんだ。
『消えろ、お前はいらない。疫病神、壊すことしか出来ない』
私は、みんなの前で笑って、笑って、過ごしながら、その声をずっと聞いていた。
別に無理して笑ってないよ?
本当に幸せで、楽しくて笑ってる。
さっきは【消えたい】なんて言ったけれども、生きているからこそ感じる事だって分かっている。
だから、生きててよかったとも思うし、必要としてくれる人達の為にも生きたいとも思う。
例え、この世の中が消えたいと思うほど苦しくても、人の笑顔が好きだから生きたい。そして、生きなきゃいけないんだ。
3章 僕
『なぁ、なんでお前は笑ってるの?何が楽しいの?』
僕は、そうだな…。黒とでも呼んでくれ。僕はいつも一人ぼっちだ。
悲しい?いや、何も感じれない。
ただ、どうしてもいつもにこやかにしている白が気になっていた。白はいつも、みんなに優しく、笑っている。それを僕は無表情でずっと見ている。
僕は、一人でいる方が楽だ。何も考えなくて済むから。でも、白は違う。常に人といる。
無表情の癖にコイツだけには、白にだけには、『お前なんか嫌いだ』という感情があった。
何故か、白を見てると憎くてたまらない。
なんで?
僕は頭が痛くなり、考えるのをやめた。
そして、昔のことを思い出す。
友人に「お前が幸せだとみんなが不幸になる、疫病神。」
親に「お前なんか私の子じゃない。失敗作。」
好きな人に「さっさと死ねや、死ぬなら〇〇で死ね」
まだ色々な僕を縛る言葉が流れてるけど、これくらいにしとこう。
『死にたい、消えたい。』
常に僕の脳内を埋めていた。
だけど、僕はそれを人に言わない。いや、言えない。
4章 死という言葉
優しさだけじゃ人は救えない。そう知ったのは、最近かな。
私は、性格柄困ってる人がいるとすぐ行動にうつしてしまう。
困ってる人がいたら助ける。それは私の中での当たり前だった。
でも、優しさだけじゃ救えない現実にぶつかる。
この世の中には色んなしがらみがある。
法律は確かに、秩序を守るために必須だと私は思うけれども、でもそれが、諸刃の剣であることも体験した。法律がしがらみとなりうることも体験した。万能ではない。
そして、優しさも諸刃の剣であることも知ってしまった。中途半端に助けるくらいなら、中途半端に手放すなら、最初から見捨てた方がいいこともある。ほんとに嫌な世の中。
助けるなら覚悟を持って最後まで責任を持たないといけない。優しさだけじゃダメなんだよ。
そして時には優しさが人を傷つけることがある。
「なんで助けたんだよ!!お前がいなければ、辛い思いせずに死ねたのに!生きなくてすんだのに!」
過去の話だけど、今でも思い出す。何がよかったのか、何が正解だったのか。苦しくて何も返せなかった。
泣いたらダメ。生きなきゃ…。
私は私に言い聞かせた。何度も。
私の中にいる僕が『死にたい』と言っても。
私の中にいる僕…。お願いだから消えてくれ。いなくなってくれ。
私はあなたが嫌い。
5章 死にたいと言わない理由
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私はあなたが嫌い
僕は君が嫌い
「「あなた・君、が消えろよ邪魔だ」」
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私が、なぜ死にたいと言わないのか、消えたいと言うのか話すとしますか!
私は色んな人の【死にたい】を聞いてきた。
すごく胸が苦しくて、何も言葉が出なくなる。だって、きっと、色々と考えてこの言葉が生まれたと思うから。
だから、【生きてて欲しい】なんて私のわがままだから。
私が消えたいと言うのは、存在自体が無くなること。そう、誰の記憶にも残らないで、無かったことにする。そんなこと、無理だと分かっていても、そうすれば、悲しむ人はいなくなると思ってしまう自分がいて、『消えたい』とは言う。
でも、ある日限界に達したのか、親友に『死にたい』と言ってしまった。
親友は、一呼吸ついたあと、言った。
「それが白にとっての幸せなら構わない。もちろん悲しい。でも、それが本当に幸せならしょうがない、いくらでも樹海にだって連れて行ってあげる」
私はこの言葉でボロボロと泣いた。
私の言葉は『死にたい』は彼女、親友にとって、とてつもない脅迫に近い言葉だっただろうに。
彼女は、私の幸せを望んでくれたのだ。
私が死にたいが言えないのは、言われた側からすれば【脅迫】だからだ。
だから私は、私の中にいる僕に言う。
「邪魔だ」
その僕は私に、死ねと言うから。
私は、もう二度と、大切な人を傷つけたくないんだ。この言葉で。
6章 黒と白・白と黒
僕は、、、
実は【白】なんだ。
訳分からないよな。うん、僕もだよ。
いつも、無表情、無感情で額縁の外側から、キラキラ輝く白を見ていた。
【偽善者】
それが僕の感想だ。『自分』という存在は2人も要らない。だから、白は要らない。
いや、本当は僕が、黒が必要とされたかった。
気持ちが悪かった。生きてるようで死んでて、死んでるようで生きてて。『自分』が2人いて、まるで光と闇で。本当に自分なのか?自分は誰か。僕は…私は…僕は…わたし…?
そんな時に出会ったのが、運命の人とでも言うのか。こんな、無感情の僕にでも優しく接してくれて、誰も信じれない僕に、馬鹿なのか住所教えて。「これで、弱み握ったから信じれるでしょ?」って。
いや、君相当危ないことしてるぞ。
僕が危険人物なら相当やばいことしてるぞ。
でも、素直で真っ直ぐな君のおかげで僕は初めて泣けたんだ。
【私を・僕を、受け入れてくれたのは君】
笑ってる私を。
無感情な僕を。
私、白を。
僕、黒を。
全て受け止めて優しさで包んでくれたのは君なんだよ。
7章 私の心の詩
『殺し愛』
嗚呼目の前にいるのは
どうやら僕みたいだ
どーしてこーなった?
目の前の僕が言った
「どうせ二人、生きれないから
君は邪魔でしょ?
殺せ、殺せ
僕が必要とされている」
遊離した影が
みんなの前で笑って
みんな幸せそうに笑うんだ
そこにいるのは僕なのに
どうして?どうして?
僕は僕を見てるの?
虚実の境界
今日も狭間で揺れ動く
必要とされなきゃ
意味ないじゃん、ねぇ
自分らしくでいいよ?
綺麗事言わないで
あいつを消そう
笑う影を
嗚呼目の前に現れた
優等生の僕を
殺してしまえばいい
君は僕じゃないから
「僕を必要としない人は
切り捨てればいい
いらない、いらない
僕は僕でありたい」
遊離した影に
ナイフを突き立てた
なんで悲しそうに笑う?
そこにいるのは影なのに
どうして?どうして?
僕は僕を刺してるの?
虚実の境界線
今日も狭間で揺れ動く
必要とされなきゃ
意味ないじゃん、ねぇ
自分らしくいたいよ
でももうわからないんだ
本当は一緒にいなきゃ
いけないのに
いつからか切り離してた
君は僕で、僕は君
抱きしめて
溶け合う温度
「おかえり…」
虚実の境界線
今日も狭間で揺れ動く
必要とされるために
笑う僕だって
泣いてる僕だって
汚い僕だって
全部、全部、僕なんだ
【作詞、本人】
8章 音羽心音
さてさて、小説もラストになった。
これが【音羽心音】という存在なんだ。
今も、私は色んな私と葛藤しながら生きている。
弱い自分も、汚い自分も、笑う自分も認めていこうと頑張っている。
とある人からすると、当たり前というか、簡単なことかもしれないけれど、当たり前の数は人の数だけあると思う。
でもね、どんな考えが浮かんだとしても、確かに自分だけれども、認めたくない考えでも、自分だけれども、色んな人に出会ったからこそ、これだけは言いたくない。
『死にたい、死んでやる、死ぬ』
思うことはある。でも言わない。
そう思ったとしても、私は猫のように隠れるだろう。
だって、やっぱり人を悲しませたくないから。辛い思いをさせたくないから。
今の私は、生きたいとも死にたいとも思わないけれども、何時か『生きたい』と思えるように。
今を精一杯、自分のペースで生きてみようと思う。
これは、音羽心音の自伝。いや、『心の物語』をほんのちょっと切り取った小説だ。
こんなの小説じゃないという人もいるかもしれない。
それでいい、私は、僕は、音羽心音という1人の人物だから。
誰かの心に1人でも刺さればいい。
これで救えるとは思わないが、ただいえることは…。
『君はどんな君でも君だ。周りからなんと言われようが、それが君なんだ。そんな君を愛してくれ』
私がまだ出来てない事だ。人に言えたもんじゃない器だと分かっている。
最後に
『私は、太陽よりも、夜しか見えない北極星になりたい』
とでも言って、しめようか。