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第四話 小悪魔うらら②

「人間なんて薄情なものだな。昼間は異性のことであんなに必死になっておきながら、日が沈めば画面に映るどこかの知らない女の裸で自分を慰めるんだ……」


 まあ、僕もその例に漏れないわけだけど。

 そんな戯言を呟きつつ、僕は左手でスマホを構えた。


 いつものサイトで、「Japanese teen uncensored」と検索。「日本人 若い 無修正」という意味だ。これは死ぬほどどうでもいい情報だが、僕はモザイクがあると抜けないタチなのだ。


「んお、いいのがあった。今夜はこれでいこう、もとい、イこう」


 すでに戦闘態勢に入っている聖斗ジュニアをズボンからポロンと取り出し、右手をそっと添える。


「さてと抜くk「あにき〜」ガタタゴトォン!!


「うらら!?」


 僕としたことが……部屋の鍵をかけ忘れていたとは……一生の不覚ッ!

 それにしてもせめてノックくらいしろや! 自分がされて嫌なことは他人にしないって小学校で教わらなかったのか!?


「あにき、大丈夫?」

「……大丈夫だ。問題ない」嘘である。問題しかない。

「お母さん、帰るのあしたになりそうだって」

「そ、そうか」

「だからあしたの朝ご飯はあにき担当でよろしく」

「おう任せとけ。もう十時回るし、中学生は早く寝ろな」

「うん、おやすみあにき」うららは年甲斐もなく僕に手を振った。「それと……」

「ま、まだ何かあったか?」


「——ウチの壁、そんなに防音効果ないからね♡」


「…………ちょっと富士樹海行ってくるわ」

「じゃ、おやすみ〜」


 絶望に打ちひしがれる僕をよそに、うららはいつものようににゃははと笑って部屋を後にした。

 ほんとにもう……嫌……。


 ☆ ☆ ☆


 あにきにおやすみを言ったあと、ベッドに寝転がって、パラパラとアルバムめくる。まだまだ眠くなかった。


 ふと目に止まったのは、五、六年くらい前の写真。

 市民プールで撮ったものだ。

 うららはあにきの肩に乗っかっていた。あにきはものすごく重そうな顔をしている。失礼な。

 そして、その隣には、懐かしい女の子の姿が。


「ホタルちゃん……元気にしてるかなあ」


 ホタルちゃんは、昔よく一緒に遊んでいたあにきの同級生。

 お父さんの転勤で引っ越してからというもの、いまのいままで一度も会っていない。


「ま、死んでも会いたくはないけどね。うららの、《《うららだけの》》あにきに近づく、生意気な女なんか」

 こちらの公開日は2月14日ですが、皆さんどうですか。もらいましたか。日曜日なのでちょっとアレですけど。

 もらってない方は好きです。もらった方は覚えとけよ貴様……ッ!!

 ちなみにきょうはふんどしの日でもあるそうです。僕としてはむしろそっちのほうを前面に押し出していきたいところです。ふんどしバンザイ。それではまた。

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