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電気羊はタンゴを踊る  作者: おしぼり
12/15

守りたいもの

「そこまでだ、メグミ!」


 メグミとヨースケは屋上までやってきた。ヨースケがメグミに拳銃を構えると、メグミは立ち止まり、両手を上げる。

 そして振り返ると、その顔は笑っていた。


「何が可笑しい」

「私の勝ちだな」

「何!?」

 

 メグミがアゴで促す先を見ると、そこには二人の男が、赤ん坊を抱いたハルカを捕らえていた。


「いつの間に」

「私が一人で来ていると思ったか?」

「仲間がいたのか、、、」


 メグミはニヤリと笑うと、上げた両手の人差し指を上空へと向ける。

 そこに突如、ヘリが出現した。


「光学迷彩か」

「これでおさらばだね、ヨースケ、さん。あんたが毎日のように私にかけてくれた愛の言葉。嬉しかったよ」

「メグミ、、、」

「その日の夜に仲間と飲む酒の肴になってさ。よくもまぁあんな言葉を思いつくもんだ。どうプログラミングされていたんだ?」


 メグミは大声で笑うと、ヘリから降りてきたワイヤーに手を伸ばす。

 しかし、その手は空を切る。

 ヘリはメグミたちを乗せずに上空へと飛び立つと、火を噴き落下していった。


「何!? いったい、どういうことだ!」

「そっちこそ、俺が一人で来ているとでも思ったか?」


 ヨースケがそう言った途端、上空に3機のヘリが出現した。


「こんなに仲間が、、、」

「もういいだろうメグミ。投降しろ」


 ヘリから武装した男たちが降りてくる。そして、メグミとその仲間たちは一気に囲まれてしまう。

 だが、メグミの仲間の一人がハルカを捕らえていた。そのせいで、お互い動けないでいる。

 

「ハルカさんを離せ!」


 ハルカを捕らえていた男が突き飛ばされる。


「ミツヒロ!」


 ヨースケはそう叫ぶと、メグミを銃で撃つ。

 更に他の男二人も、ヨースケの仲間に銃で撃たれて倒れる。


「ミツヒロさん、、、」

「良かった、ハルカさんも無事で」


 ミツヒロとハルカは見つめ合い、顔がほころぶ。しかし、ハルカの顔は凍りつく。


「ミツヒロさん危ない!」


 ハルカはミツヒロとイオリを跳ねのけ前に出る。

 そして倒れながらもメグミの放った銃弾がハルカを撃ち抜いた。


「ハルカさん!」


 ミツヒロはイオリを抱えると、ハルカに駆け寄る。


「ハルカさん、しっかりしてくれ」

「ミツヒロさんが無事で良かった」

「早く二人を病院へ!」


 ヨースケの叫び声で、ミツヒロ、ハルカ、そしてイオリの3人は、すぐさまヘリへと収容されていった。


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