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神様女子高生の残念な日常~異世界帰りの勇者と四十一人の嫁編~  作者: 城火十夕顔
第二章 異世界帰りの勇者と四十一人の嫁編
7/9

続々々 神様女子高校は異世界帰りの勇者と四十一人の嫁出迎える

 前回までのあらすじ。

 色々とツッコミを入れてたら、トカゲが腹ペコで話が終わらなかった。


◇◇◇


 アタシは魔王からの反応を待つ。


 魔王は幼女の姿に変えられたと言っていた。

 そんでもって、四十二人の中で幼女は一人だけだ。


「どうしたよ、魔王アイシャ? この騒動の元凶はお前だろ?」


 いきなり正体を言い当てられてアイシャの奴、死んだ魚の目みたいになってやがる。

 そうまるで周りの奴らと一緒みたいって……あれ? なんか違う?


 振り返って、男の方を見るとめっちゃ首を振ってやがる。

 そんなに勢いよく振ってて首が抜けても知らんぞ。


「違う違う、幼女じゃない、妖怪の妖で妖女! 幼いはアンタの勘違い!」


 なるほど、そういう事か。

 言っとくがこの間違いはアタシが悪いんじゃないぞ。

 そう勘違いする様な発音で言ったアイツが悪い。


 そんで妖女ってどいつだよ?


「こっちじゃ、愚か者が!」


 アタシは声がした方を向いた――

 と同時に見えない何かに殴られた!


 身体が回転しながらぶっ飛ばされて張っていた結界の壁にぶつかる。


 ふう、ちょっとビックリしたぜ。

 もちろんノーダメージだぞ。全く痛くねえ。


 アタシをぶっ飛ばした奴を睨みつける。


「なるほど、年増の拗らせ女の方だったのか」


 地面に着地しながら思い出す。

 アイツの名前は確か……


「ジュリーかヒラリー……だな」

「そいつはアカリ! お願いだからイメージで名前決めないで!」

「あーそっちのリーか。アカリ―ね。うん知ってた。マリーとメアリーが違うのは分かってたんだよなあ」

「あんた、チーター以外の名前は覚えてないだろ!」

「ふざけんな! アイシャも覚えてたじゃねえか!」

「それでも二人だからね? 何でそれで威張るんだよ!?」

「アタシは神だからな。当然だ」

「……とにかく! アイツの名前は、アルティメット=カオス=3・5=リリースを略してアカリだ!」

「はいまたブッ込んできた。やっぱり一人一人ツッコミどころあるんじゃねえか!」


 チーターに頭を齧られてる男の方は置いといて、アルカリの方へと目を向けなおす。


 朱色の髪色で青白い顔をしていて陰がありアタシを見る目が尋常でない女。

 だったはずなのに、何となくだが雰囲気というか、色々と変化してるような?

 まあ最初から一人だけ纏う空気が異質だったが、他にインパクトと癖が凄いのが多すぎてそこまで注意を払えなかったぜ。


「急に言葉が流暢になったな、アルカリさんよお」

「やかましいわ。これぐらい魔王なら朝飯前じゃ」

「ふむ、ボケもツッコミもなしと。さすが中性」

「意味が分からんわ、小娘!」


 朝飯前とかいう癖に勉強不足だな。アルカリ+さん(酸)で中性なんだが難しいか?


「気をつけろ、攻撃が来るぞ!」


 男がアタシに向かって叫んだ。


 わかってるよ。

 見えない何かで物理攻撃だろ?


 まあ見えないだけで、空気の振動は感じ取れるからなっと。


 アタシを狙ってきた見えない攻撃をあっさりと躱す。

 するとアタシがさっきまで立っていた地面が派手にひび割れた。


「見えざる魔王の手、通称インビジブルマオーズハンドに気をつけろ!」


 あーそういう名前なのね。

 とにかく名前にはツッコミポイントが一つはある感じなんだ。


「大丈夫だ、そう簡単にくらうかよ」


 と余裕ぶっこいてたら、別方向から嫌な気配。

 スクワットの要領でしゃがむと、その頭上を見えない何かが通過していく。


「気をつけろ! 見えざる魔王の手、通称見えざる魔王の手インビジブルマオーズハンドは仲間の数だけ増えていく」、

「鬱陶しいな、どっちかに呼び名を統一しろ! ってか仲間だと?」


 どこに仲間がいるってんだ?

 いや、そういう事か。

 つまり今ここにいる嫁の四十一人はもう既に……


「アルカリが支配したって事かよ?」

「その通り。紛い物の女なぞ、その程度の価値しか有りはしないのじゃ!」

「紛い物?」


 どうも今一つ、スッキリしないな。


 そもそも何でアタシが戦う事になってるんだ?

 狙うなら、自分の力を封印した勇者の方だろ?

 ここまでの力を揮えるのに、何でこの魔王は黙ってここまでやってきた?


「流石に神を騙るだけの事はある。ならばこちらも奥の手を使うのじゃ!」

「もう手はアホ程使ってんじゃねえか。さらに奥の手って何だよ?」


 次々と襲ってくる見えない攻撃を躱しながら様子を見る。

 反撃しても良いんだが、ちょっと気になることがあるからな。

 せめてそれを確認してからでも遅くないだろう。


 だってアタシ神だし。魔王相手でも余裕だし。


「お前たち、魔王を称えるのじゃ!」


 何言ってんだアイツ?

 と思ったら、死んだ魚の嫁たちが整列し始めた。


 何が始まるんだ?


「あれはっ!?」

「知っているのか?」

「ああ、魔王を褒め称える言葉。通称、マオーズサポーッテッドバイミニオンズだ!」

「……チーターに齧られてた頭から血が出てるけど大丈夫か?」

「怪我の所為で言ってるんじゃないからな!」

「それ余計にダメだろ」


 まあ大体何をするか想像がついた。

 つまり……


「それでは魔王様を称えるエールを皆でー!」

「「「「「「「「「「「「「フレーッ!」」」」」」」」」」」」」

「「「「「「「「「「「「「フレーッ!」」」」」」」」」」」」」

「「「「「「「「「「「「「マオウサマーッ!」」」」」」」」」」」」」


「でおじゃる」


「「「「「「「「「「「「「ガンバレーッ!」」」」」」」」」」」」」

「「「「「「「「「「「「「ガンバレーッ!」」」」」」」」」」」」」

「「「「「「「「「「「「「マオウサマーッ!」」」」」」」」」」」」」


「でおじゃる」


 なあ、さすがに読めてたよな?

 それじゃあ、みんなで一緒にツッコむか。

 せーのっ、


 おじゃるいらないだろ。


「くくくっ、来たぞ! 力が漲ってきおったー!!」


 と、そこで魔王アルカリに変化が起こった。

 操った奴らから何らかの力を受け取ったのだろう。

 ふわりと宙に浮くとそこで変身を始めやがったんだ。


 そのおかげで攻撃が止まったんで、男の怪我を治療してやってると男が慌てだした。


「や、やばい、魔王の奴、自力で封印を解きやがった!」

「いやそもそも封印自体が、元からガバガバだったんじゃないか?」


 いくら何でも簡単に解け過ぎだよ。

 つまり最初からやろうと思えばいつでもやれたって事だ。


「せ、世界が、この世界がヤバい。こんな時になんで俺は力が出せないんだ!」

「いや別に大丈夫だよ。何故ならアタシがここにいるからな」


 男はポカンとした顔でアタシの方を見ている。

 何だ? 気持ち悪いからアタシに惚れんなよ?

 そして、その数瞬後、魔王が完全体となったんだ。


 物凄い形相でアタシの事を睨みつけながらな。


 もうオチが読めただろ?

 後はもう茶番なんだけど、まあ最後までちゃんと語るとしよう。



 次回、出迎え編クライマックス。



明日も昼前頃に投稿します。


読んでいただきありがとうございました。

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