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神様女子高生の残念な日常~異世界帰りの勇者と四十一人の嫁編~  作者: 城火十夕顔
第二章 異世界帰りの勇者と四十一人の嫁編
5/9

続 神様女子高校は異世界帰りの勇者と四十一人の嫁を出迎える

 前回までのあらすじ。

 異世界帰りの男の嫁は金髪碧眼美少女、というか幼女だった。


◇◇◇


 事案発生で通報案件な奴が異世界の門から現れて、空を見上げたまま思考を停止していたアタシはようやく思考する力を取り戻した。

 というより誰かに呼びかけられて、それに気付いたと言った方が良いだろう。


「アノー大丈夫デスか?」


 可愛らしい声に呼ばれそっちを見れば、そこにいたのは金髪碧眼美幼女である。


 やはり見間違いではなかったと、そう認識したと同時に周囲の気配がおかしい事にも気が付いた。

 というか……


「なんじゃあ、こりゃあ!!」

「おー懐かしいドラマだー!」


 誰が殉職するかボケ!


 男がアタシの叫びに合いの手を入れてきたが、それどころじゃない。

 だって……


「えーっと、紹介しますね。彼女たちが俺の嫁です」

「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「ヨロシクお願いシマース」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」


 そこには嫁がアホ程いた。

 どんだけいるんだよ! コイツ、バカじゃないか?


「いやー行く先々で人助けをしていたら、いつの間にかこんなに増えちゃって」

「バカだろお前」

「失礼な、俺は異世界の勇者なんだから、モテモテで当たり前なんだぜ?」

「知るか!」


 改めて周囲を確認すると嫁が四十人くらいはいそうだな。アリババかよコイツ。


 最初に幼女が出てきたから驚いたけど、そんなんばっかじゃなさそうだった。


 まあ金髪碧眼多いけど、ちょっと多過ぎだけども。


 えっとそれ以外にもちょっと歳食って拗れてそうな奴とか、耳が長かったり、顔色青かったり、この世界の人間のカテゴリーに入れるのが難しそうなのがゴロゴロいやがる。


 なんか動物の耳とか角とか生えてるのは一体何なんだ。


 ヒョウ柄の肌って、そんなん大阪のオバハン以外で初めて見たわ。いやオバハンは服だけどよ。


 完全にトカゲにしか見えないのもいるけど、コイツホントにトカゲが嫁で良いのかよ。


「あー流石に多すぎって思ってるよね。でも皆良い子で可愛いんだよ。おーい、ちょっと並んで自己紹介してあげて。この人一応この世界の神なんだって。プッ!」


 ムカッ、この男は後で絶対にシメる。


 アタシがそんな決意をしていると、嫁どもがゾロゾロ並び始めた。


「それじゃアイシャから順番にね」


 男が自己紹介を促すとアイシャってロリ娘から順番に自己紹介が始まった。


「アイシャ、デス」

「アカリ、デス」

「イザベラ、デスワ」

「イザベル、デスワ」

「イライザ、デス」

「いろはです」


「ちょっと待て」


「え? なんなの急に?」

「キャラと名前が被ってないか?」

「キャラってなに?」

「イザベラとイザベルは何で二人ともお嬢様口調なんだよ?」

「そりゃあ二人ともお嬢様だし」

「姉妹か? イザイザは姉妹なのか?」

「えっ? どっちのこと? イライザには姉がいるけど。イザイラっていう……」

「イザでもイラでもどっちが先でも後でもどうでも良いんだよ! アタシをイライラさせんじゃねえ!」

「上手い事言おうとして失敗してるなあ」

「やかましいわ!」


 とりあえず一発拳骨を落とす。

 何で最初の数人でこんなモヤモヤさせられなきゃならんのだ。

 ふざけんなっ!


「痛いっ! 勇者なのにめちゃ痛い! 何でダメージ通るんだよ……痛いなー!」

「あとそのいろはってのは急に日本語流暢すぎんだろうが! まさか全員にツッコミどころ準備してるんじゃないだろうな?」

「だからなんなんだよ? ツッコミどころって……そういう名前なんだよ。いろはは元々奴隷で言葉が喋れなかったんで俺が教えてあげたんだって」

「……そういう事か」

「だから名前も日本風でしょ? 俺が名付けてあげたんだよ」

「わかった。それならもう一人ずつ名乗らせるのは時間がかかり過ぎるから、お前が順番に紹介しろ」

「それでいいの?」

「そしたら一々ツッコまずに済むだろうからな」

「いや一人ずつでも普通はそうならないからね?」

「お前はつい一分前の出来事も覚えておけない人間なのか?」

「拳骨見せながら凄まないでよ。神じゃなくて只のヤンキーじゃないか!」」


 もう一発いったろうかと思ったが、まだ何かありそうだから最後の一発は大事に取っておこう。

 とりあえず先を促す。


「さっさと紹介始めろよ」

「えーっと五十音順で紹介するぞ?」

「好きにしろ」

「それじゃ、アイシャ、アカリ、イザベラ、イザベル、イライザ、いろは、うゐ、エリス、オリビエ、かよ、キンキン、クルミ、ケロンパ、サーシャ、しゑひ、ジュリー、スミレ、すん、そつねな、ソフィア、たれ、チーター、ツミレ、てあさき、トミエ、ナターシャ、にほ、ぬるをわ、ネトネト、のおく、ヒラリー、ふこえ、フルジェンコ、へとちり、マリー、ミッキー、メアリー、もせ、やまけ、ゆめみ、ヨッシー、らむ、以上! うち四十一名が俺の嫁だよ」


 最後まで聞いて頭が痛くなってきた。

 ちょっと頭の中を整理したい。

 一体今の嫁の名前紹介の中にどんだけネタ仕込んでるんだよコイツ……


「……さてどこからツッコめば満足だ? お望みならケ〇の穴から手ぇツッコんで奥歯ガタガタいわしてやるが?」

「そんなツッコまれ方は嫌だよっ! 俺は至って真面目だってば」

「だったら、ふざけてるのはお前の嫁どもか?」

「だから、どこがふざけてると思うんだよ?!」


 神になったアタシでも混乱気味なのに、この話を聞いてる奴のどれくらいがついてこれてるのか心配になってきた。

 とりあえず気が付いた分だけツッコむとするか。

 そんじゃ答え合わせの時間だ、準備は良いな?


「まずイザベラ、イザベル、イライザの名前がややこしい、あと見た目全員金髪碧眼って個性ないんか! ていうか全体の四割くらい金髪碧眼だろ、趣味偏りすぎだボケ! あと何でちょいちょい芸能人のニックネームみたいな名前の奴がいるんだよ! キンキンとかケロンパとかジュリーとかチーターとか、それ以上にチーターお前はヒョウ柄だろうが、チーター名乗んな! あとネトネトってなに? 何でそんな名前つけられてんの? 嫌がらせじゃないの? 本当に気に入ってるのか? 気に入ってたらゴメンな。それから、たれとかツミレとか何だよ? 焼き鳥なのか、じゃあ、てあさきじゃなくて、手羽先だろうが……あっ! いろはってそうか、何かひらがなの名前多いし、へとちりとか意味わからなかったが、ひらがなは全部元奴隷だな!? そんでいろは歌の順番に名前つけやがったな!? へとちりは完全に嫌がらせだろうが! あとぬるをわも! ネトネトより嫌だわっ!」


 一息で一気にツッコミ入れてやった。


「凄いな、そんな風に言われたの初めてだぜ」

「普通はスルー対象だボケ! ここまで酷いとツッコむ気力自体が湧くか!」

「人のネーミングセンスにケチつけないで欲しいぜ」

「そんな復活の呪文みたいな名前にケチつけない方がどうかしてるわ! それじゃあ、へとちりと、ぬるをわと、そつねなに名前が嫌じゃないか聞いてみろ!」

「さらっと一人増えてるし。やまけには聞かなくて良いのかよ?」

「変な名前の自覚あるんじゃねえか」

「元奴隷に名前をつけるのは主人の義務なんだけどな……お前たち名前に不服あるか?」


 すると列の中から名前を上げた三人が一歩前へと出てきた。

 三人はお互いに顔を見合わせると、一人ずつ順番に喋り始める。


「私たちの名前はご主人様から頂いた唯一無二のもの」

「そんな素晴らしい名前に不満などあろうはずもありません」

「でおじゃる」


 三人目いらないだろ。


 なんなのコイツら。

 ボケなきゃ死ぬ呪いにでも蝕まれてるの?


「ほら、みんな気に入ってる」

「全員死んだ魚の目みたいになって遠くを見てるんだが今は置いとく。それにまだ全部ツッコんでないからな」

「えーまだあるのかよ」


 あるわ、まだまだイジッてないのがいくらでもあるわ!



 とりあえず長くなりそうなので、次回に続くぞ。



明日も昼前と夕方の二回、投稿します。


読んでいただきありがとうございました。

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