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神様女子高生はまたもや異世界の侵略者を退治する

 今日は授業中に異変を感知した。


 あーこれはあれだ、この間の場所にまーた何かが出てこようとしている感じだな。でもなー今は授業中なんだよなーどーすっかなー?


 といっても行かないわけにもイカンので行くことにしようと思う。


 そんな訳でまず分身の能力を使用した。もちろんいきなり教室で分身するわけにもいかないんで分身は廊下に出現させる。 そのまま今度は分身を不可視状態に。


 これで誰にも見つからないはずなので後は分身に任せることにしよう。


 頼んだぞアタシ。


◇◇◇


 おう頼まれたぜアタシ。


 ってことでここから先はアタシが実況するぜ。


 視点が変わってややこしいかもしれんが、ちょっと我慢してくれ。


 とりあえず前回の場所と同じ場所まで移動するぞ。前回はやって来た後に気付いたから後手を踏んだが、今回は出てくる前にちゃんと気が付いた。だからあまり慌てなくても大丈夫。


 ちゃんとあの場所はマークしといたから一瞬で跳べるぜ。


 はい到着。マークした場所に瞬間移動する能力は本当に便利だなっと。


 前回と同じ富士山の麓に広がる樹海、俗に自殺の名所と呼ばれている場所だ。


 異変のあったらしい場所を確認すると空間にちょっとヒビが入っていた。


 さーてどうするかな? このまま放っておくとまた骸骨が出てくんのかね? アイツ侵略者っぽかったんだよな……


 という事は、同じ場所に出てこようとするコイツはまた侵略者の可能性が高いよなあ。


 侵略者だったらまた殺そうとしてくるかもだし……


 よし、良いこと考えた。

 完全に空間に穴が開く前に塞いじまおう。

 こういうのはきっちりやっておけばいずれ向こうも諦めるはず。


 神様パワーでヒビを修復っと。


 三分くらいかけて念入りに修復と補強をしておいた。前回よりも時間と手間をかけたからな、これで大丈夫だろう。


 一応教室のアタシに連絡しておくとするか。


 テレパシーで連絡を試みる。


 ……

 …………

 ………………?


 返事がないな?

 何かトラブルでもあったか?


 千里眼を使って教室を覗いてみた。


 ……教室のアタシ、寝てやがる。

 アタシに仕事押し付けて高鼾(たかいびき)か、アイツぶっ飛ばしてやろうかな?


 そんな事を思っていると、突然背後の空間が壊れる音が鳴った。


 振り返って見るとアタシが補強した場所から二メートルくらい離れた場所の空間が壊されている。


『誰だーっ! 開きかけてた空間の穴を塞ぎやがって、しかもバカみたいに頑丈で全く壊せなくなってんじゃねえか!!』


 えらい剣幕で怒鳴り散らしながら骸骨ヘッドが現れる。

 今回のは鶯色だった。


『貴様が我の邪魔をしたのか? 貴様の罪は万死に値するぞ!』


 鶯骸骨がアタシを見つけるなり声をかけてきた。


 ふっふー、前回は言葉が通じなかったが、今回のアタシは一味違うぜ? なにせコミュニケーション能力のレベルを上げたからな。


 これは多分あれだ、アタシを褒めてるな。

 分かるぞ、さすが強化されたコミュニケーション能力だ。

 レベルが一つ上がるだけでこんなに違うものか。


 とりあえずこういう場合はまずは謙遜だな、そんでコイツの目的を聞こう。

 いやー今回は話の通じそうな奴で良かったよ。

 前回のは多分あれだな、出てきた場所に誰もいなくて不安になってパニックになったんだろう。

 今回はきっと大丈夫なはず。


 ウム、さすが神様のアタシ。

 我ながら自分の理解力が恐ろしいぜ。


『欠片も残さず焼き殺してくれるわ』


 なんか鶯色の骸骨が両手を空に掲げだした。

 何だろう、なんか嫌な予感するなあ。


 案の定、火の玉を作り出しやがった。

 前回もそうだったし、ひょっとして火の玉ぶつけんのはコイツらの挨拶だったりするんだろうか?


 もしそうなら変な風習だなあ。


 火の玉をぶつけられて燃え上がる炎の中でそんな事を考える。


『あ、しまった。ニギニギの事を聞きそびれてしまった。あの素晴らしき戦士が帰ってこないのは何かトラブルに巻き込まれたからに違いないのだ。我がニギニギを探し出し、彼と共にこの世界を侵略する。待っていてくれニギニギ』


 なんか鶯骸骨が空を見上げながら一人で喋ってるな。

 アタシに何かをニギニギして欲しいって言ってるっぽいぞ?


 握手くらいならしてやっても良いんだが、酔っぱらったおっさんの下ネタみたいなんだったらぶん殴ろう。


「おいアンタ。何しにここに来たんだ?」


 てことでウグやん(鶯色だから)に声をかけた。


 そしたらウグやん、めっちゃビビったみたいでビックリしてやがる。

 いやそのくだり前もやったから。


 また火の玉作ったらどうしよう?


『貴様なぜまだ生きているっ! おのれならば――』

「いやもういいから」


 やっぱり火の玉を作ろうとしたので止めるために近付いて軽くチョップした。


『ガッ』


 軽くのつもりだったのにちょっと威力が強かったらしい。

 なんかウグやんが白目を向いたような気がするな……まあウグやん目玉ないんだけど。


 そんでウグやんの作りかけの火の玉がアタシとウグやんの頭上から降り注いだ。


『う、うっぎゃぁあああっ』


 その結果、二人で思いっきり燃え上がる。


 言っとくが燃え上がったといっても恋とかじゃないぞ?

 文字通り炎上しただけだからな。


 ウグやんは最後まで大はしゃぎだった。

 まあ多分熱かったんだろうな。


 アタシは平気だったけど、ウグやんはそのまま息絶えてしまった。


 困るんだよなあこういうの。

 とりあえず深めに穴を掘って遺体を埋めておく事にするか。


 こんな姿を誰かに見られたら百パー通報されるな。

 念のために周囲を千里眼で見ておくが、誰もいないみたいで一安心だ。


 一応、本体の方も千里眼で見たら廊下で立たされていた。

 寝てた罰だ、ざまあみやがれ。


 その後、きっちり火の後始末をしてアタシは本体の元へ戻ったのである。

 本体より優秀な分身ってどうよ?


【スキル】

〈コミュニケーション能力〉LV2→LV3へアップ


次から第二章です。

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