エピソード4 生存者
〜あらすじ〜
ついに災厄が発生してしまった。
幸いにも涼介と美優は無事だったが、
世界各地では様々な問題が発生しつつあった。
西暦2084年6月19日PM.1時13分
災厄から13分経過…
日本・京都
〜がれきの山となった公園内にて〜
「もう大丈夫か…?」
恐怖で泣く美優をそっと抱き寄せる涼介が
心配そうに聞いた。
「うん…もう大丈夫だから。」
そう言うと美優は何もなかったかのように
服についた砂を払いながら立ち上がった。
すると、美優は涼介に右手を差し伸べて、
「そう言う涼にぃこそ、大丈夫?立てる⁇」
と涼介に尋ねた。
「あ、わりぃ…助かるわ。サンキュー」
と、美優の右手を掴んで立ち上がった。
「で、あのアラームってもしかして
“緊急地震速報”ってやつ?」
すると美優は、災厄が起きる直前に
涼介が言いかけたアラームが何だったのか
について尋ねた。
「あぁ。しかも[震度7]って書いてあった。
…想像よりも揺れが強かったがな。」
と、涼介は近くに落としてた彼のリュックを
拾いながらしみじみと答えた。
「…でも、そのうち余震が来るかもしれない。
美優、一旦家に帰るか…?」
リュックを背負った涼介は、美優に振り向いて
尋ねた。
すると、美優はコクリと頷いた。
しかし、ここである問題が発生した。
「…でも、どうやって帰るの?
ほとんどの道はがれきで通れないよ…?」
涼介たちがいる公園には北口と西口があり、
北口から出ると小さな売店やコンビニへと
続くT字路がある。
だが、その道を売店の看板と
電柱が塞いでいて通れそうになかった。
一方で西口から出ると、
住宅街へと続く十字路がある。
涼介たちは西口から来たが、
その十字路も電柱が塞いでしまっていた。
しかも電線が垂れているという
嫌なおまけ付きである。
「…あれ?これって帰れなくね…⁇」
涼介は気づいてしまった。実質、公園に
閉じ込められてしまったことに。
それを聞いた美優はひどく動揺した。
「えっちょっと、どうしよう…わたし達
閉じ込められたの!?やだやだ…わたし、
このまま人生終わらせたくないよ…!」
「美優落ち着け!!まだ終わったわけじゃ
………!おい見ろ、北口の方に一本、
しかもコンビニへと続く道があるだろ!?
まだ終わってないから…な?」
動揺した美優をなんとかなだめようと
涼介は北口を指差した。
すると突然、美優は涼介の
左腕にしがみついた。
「……しばらく、こうしてていい?
その…………揺れたら怖いから…ね。」
「ハァ…少しだけだからな?」
やれやれ、と呟きながらコンビニへと
歩き出した涼介と美優。
と、2人の背後から女性が声をかけてきた。
「井伊宮…君?井伊宮君なの?」
聞き覚えのある声に、涼介はふと
声がしたほうへと振り向いた。
すると、彼は驚いた様子で
女性の名前を呼んだ。
「……………吉岡先輩!?」
ネット接続やサーバーの問題で投稿が
遅くなり、大変お待たせしてしまいました。
投稿頻度につきましては
年に1、2回投稿できたらいいなと思ってます。
…今思えばこれが令和最初の投稿ですね。
もう令和2年ですが、元気にいきましょう!
それでは、良い日を良い年を!