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短編まとめ

視力検査

作者: 黛 璋

この物語はフィクションです。

そういえばだけどさ、中学での視力検査の話聞いてくれよ。

え、どうでもいい?

まぁ、そう言わずに聞いてくれよ。


二年前の話なんだけど、中学校での話。

俺さ、中学校での定期検診。その視力検査に引っかかってしまったんだけどさ。

診断結果は左目はAだったけど、右目がB。若干視力が落ちてしまってて、病院での再検査をするようにと担任の先生から言われちゃったんだわ。

よって俺は、眼科病院に行ったんだよ。もう一回視力検査をしにさ。

普通に『中学校での視力検査に引っかかりました』って受付してさ、番号札渡されたから、待合室で自分の順番が来るのを待って。

彰人(あきと)さーん、湯川(ゆがわ)彰人さーん」

「はーい」

名前を呼ばれたから返事して、看護士さんっていうの? お医者さんの補佐をするおねーさんが綺麗だなぁなんて思いながら先導について言ったんだわ。それで。

「ここに座ってくださいね〜」

言われた通りに椅子に座って、正面の遠いところには視力検査表があって。おねーさんに

遮眼子(しゃがんし)__あの片目だけ隠すスプーンみたいなやつだよ、そうそうそれ__を渡されて。

「では、右目隠してくださいね〜。始めますよ〜」

「はーい」

最近ってハイテクなんだな、視力検査表のマークの一つ一つが光るんだから。凄いなって俺思ったもん。まぁ、そんな事は置いといて。輪っかの空いてるところを指で指して示したいって。

「左目はちゃんと見えてますね〜」

じゃあ今度は左目隠してください、とおねーさんに言われたので左目隠して同じように視力検査し始めたんだ。

その時、視力検査表ってたくさん列あるだろ? 左目を検査したときとは違う列で検査したんだ。ほら、イカサマするやついるだろ。一個ずつ覚えて……いや俺はしないけど!

そしたらさ、やっぱ見えてないみたいで途中でわかんなくなった訳だ。

「やっぱりちょっと見えていませんね〜」

「そうですか……」

これでもさ、中学生になるまで両目ともAだったから視力には自信あったのよ。でも実際下がってたからちょっと残念だったんだな。

それで遮眼子外して、どこに穴空いてたんだろって両目で検査表見たんだ。

そしたら!


「……視力検査表に完全な丸ってあるんだ」


見てびっくり、どこにも穴が空いてない丸が検査表に載ってたんだよ!

いやさ? 斜め右上とか左下とかに穴が空いてて『あ〜、分かんなかったな〜』なら分かるよ?

けど完璧な丸が載ってるのは……


卑怯だろがぁぁぁぁああ!!






友人「……という夢を見たのか」

彰人「よく分かったな」

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