05:30 皐月
「私脱ぐと凄いでしょ♪」両方の腕を背中に廻して耳元で囁く皐月。
正直、僕の理性もギリギリ保てるくらいだった。
「なんで変装みたいな格好してたんだ?」ローブと仮面は気になるよな?
「死神って結構危ない職種なんだよね・・・ローブで身長変えるのは実生活でバレ無い為だし」
「そっか。それで仮面は?」
「正体を隠すのとサービスかな♪」チュッ♪頬にキスされた・・・心臓がドキドキするけど・・・皐月?僕?
「サ、サービス?」皐月の抱擁は強くなる・・・バランスが崩れそうだが何とか耐えた。
「死者が死を受け入れて未練を無くすために仮面は必要なんだよ♪・・・それに死者の一番逢いたい人に道先案内されるのって嬉しいでしょ?」はむっはむっ♪耳を甘噛みされた。
「でも本人じゃ無いでしょ?」
「声も背格好も幻覚みたいなものだけど、殆どはそれで優しい顔になって、役所で住民登録してくれるよ?」
なら、何故?僕の時は皐月さんのままだったんだろう・・・
考えごとをしたせいか簡単にバランスを崩して後ろに転倒した。
咄嗟の判断だったのだろう、皐月を抱き締めていた。
「「大丈夫?」」同時に声をかけてた。
皐月は先に起きると、しっかりしてよね?と言わんばかりに手を貸してくれた。
そんな何でもないことが幸せで、お互いがつられるように笑った
何が可笑しいか分からないから笑った。
「ねぇ、ドコか座ろうか?」ベンチに向かい皐月は歩く。
春の夜はまだ風が冷たい。
ベンチに座ると自然とお互いが密着した、二人一緒なら暖かいと考えるまでも無く自然だった。
笑い声が嘘だったと思える程静寂を取り戻していた。ただお互いの息遣いだけが聴こえていた。
「皐月は死神になったのはなんで?」社会人に仕事に就いた切っ掛けを聞いた簡単なものだった。
「私、死神にあった記憶がないの・・・
」寂しげに呟く
「それって変なのか?」
「ええ、でないと浮游霊にもなれないですからね。」
「それが本当なら皐月は何だろう?」
「さあ?私はあなたの妻だから♪」ん~美雪はーと。
「それとも幼女が良かったか?ペド♪」にへへ~♪
「違うよ」
「ならキスしよっか♪」
「な、なに言い出す、ん、だ?」
ドサッ!皐月は横に倒れ混む。
僕が皐月を膝枕するかたちになった。
目を閉じて大きく息を吸い込むと
「私、皐月 めいは美雪を愛してます」
僕はゆっくり体を丸めるかんじで降ろしていった、
二人の唇が重なる。
皐月が首の後ろに腕を廻してきた。
んっ・・・ふっ・・・むん
「ご馳走さま♪でも良く寝てる私にキス出来たね♪」体柔らかいんだね!
「下向いたら皐月が上がってきた。」
「そうだっけ?」あはは♪
辺りは段々明るくなってきた・・・
皐月は起き上がるとニッコリ笑う。
「皐月胸に何付けてるんだ?」皐月の胸から糸が出ていた
「胸?」そう言うと糸をだぐると僕の胸に繋がった。
「糸、取れないし繋がってるね♪」皐月は何が嬉しいのだろう?
「これ何?」皐月からの応えはなく
「嬉しいけど、もう時間なんだ・・・」
「時間?」
「この身体維持するのが限界なのよ」
「どういうこと?」
「完全に消えるわ・・・だからもう一度美雪にキスして欲しい・・・駄目?」
さっきもしたし大丈夫。ままよ!
皐月を抱きしめるとキスをする・・・
それが合図のように朝日が昇る
光が強くなる度に、皐月が粒子に包まれていく・・・粒子は天に昇っていく
最後の粒子が無くなる時
『ダイスキ』
そう聞こえた気がする。
「皐月・・・」頭は考えることを、今は拒否したかった。でも出来なかった。
「儀式は、成功したみたいだね。」突然あらわれたス~によって、疑問点が浮上したからだ。
「聞きたいことがある・・・皐月についてだ。」
「話してやるが、時間をくれないか?」
「いつ?」本当は今聞きたい。
「週末に花見をしよう♪」その時話すよ♪
僕の長い一日が終わる。
皐月のことは気になって仕方ないが、
今日も普通に学校がある。
家に帰って気付く
制服は学校だー!!
「姉さん達、制服どうしよう?」
「皐月さんかス~さんから借りたらいいじゃん!」朱里姉。
「朱里ちゃん意地悪は駄目よ?み~ちゃんが可哀想だから」
「ありがとう日和姉。」
「お礼は良いわよぅ~文句いわないでね♪」
そう言うと制服を渡してくれた・・・女子制服だった。
「高校は制服厳守だからな!」
「そうですぅよ?」
僕の平穏が遠ざかる音が聴こえた。
次回、「エピローグ。」




