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魔導剣術学園物語  作者: 時塔トキヤ
4/12

担任登場!!いきなり外出!?

入学式を終えいよいよ授業が開始される魔導剣術学園、今新たな出会い共に物語は紡がれる。


魔導剣術学園物語

第4話始まります!!


それでは本編をどうぞ!!


「…ュ……ァ……ヨシュア!!」


誰かの声がする、正直うっとうしい、眠い……


「もう!! ヨシュアってば!!」


「んあ……」


目が覚めた、そして目の前には一人の少女の笑みが見えた。


「あは、やっと目が覚めた!! お寝坊さんなんだね、ヨシュアは!!」


「うわ!!? エリル!? なんで僕の部屋に居るのさ!?」


それを見た僕は、ベッドから飛び起き、そのままベッドの上を後ずさりした。


「だって、ヨシュアが時間ギリギリになっても起きてこないんだもん、ノックしても返事が返ってこなかったし……」


「え……時間?」


その言葉を聞き、僕は壁に掛けられた時計に目を向けた。


8時25分-…


「マズい!!」


僕は、急いでタンスから僕の洋服を取り出した。


「とりあえずエリルは、先教室に行ってて僕も着替えたらすぐ行くから!!」


「大丈夫だよ、一緒に行こ」


エリルは、何時もの笑顔で応えた。


「え……でも……」


「大丈夫だよ、じゃ、談話室でまってるね!!」


バタン


そう言い残すと、エリルは僕の部屋を出て行った。


「相変わらずの台風だなぁ……」


僕は、初めてエリルにあった時(と言っても昨日の事)を思い出しながら呟いた。


「あ!? 今そんな事考えてる場合じゃない!! 急ごう!!」


僕は急いで洋服を着てローブを羽織り、エリルの待つ談話室に急いだ。


「あ!! ヨシュア!! 行こうよ!!」


「うん、急ごう!!」


僕達は急いで扉を開け放ち、部屋にあった地図に示されていた、ジャッジメント・シャイン・アリアの教室に急いだ。


****


「うわ……ギリギリセーフ……」


「うん……ホントギリギリだったね……」


エリルが僕に同意しそのまま僕達は、教室の空いてる席に座った。


『よ!! やるな、お二人さん、最初の授業に遅刻ギリギリなんてなっ』


突然後ろから声をかけられたので僕達二人は同時に声の方を振り向いた。


「え? キミは?」


エリルがキョトンとした表情で声の主を眺めている、かく言う僕も、この独特の雰囲気に圧倒されていた。


「俺は、ルーク・シュナイダー。 専攻は剣士、つっても剣なんてガキん時、ちょっと習ってただけなんだけどな、ま、そんなとこで、これからよろしくな」


オレンジ色の髪を若干伸ばした、青い瞳が印象的な少年の独特で軽い調子の言葉に僕達の緊張も解かれ、話しやすい空気が出来たので、僕達も自己紹介を始めた。


「僕はヨシュア・ウィークネス、専攻は剣士専攻、僕は母さんに護身術程度の剣を習った事はあるけど本格的に訓練はした事は無いんだ」


「へえ、親から習ったのか、俺と同じだな。これからよろしくな」


僕の自己紹介にルークが頷くと次に隣のエリルの方に顔を向けた。


「ボクはエリル・フィリ!! 専攻は魔導師過程!! えとー…小さい頃から魔法は練習してたんだけど、なかなかうまく行かなくて、この学校でしっかりした基礎を身に付けようと思って願書をだしたんだ!! これからよろしくね!!」


「ヨッシーにエーりんか、俺の事は気軽にルーって呼んでくれよ」


いきなり変なあだ名を付けられたのだが、気にも止めずエリルが続けた。


「うん、こちらこそ!! よろしくね!! ルー!!」


ガラー…


言い終わったところで、扉が開き、担任と思われる女性の先生が教室に入って来た。



「はい、みなさん、おはようございます。 私が一学年、ジャッジメント・シャインの担任、アリエス・フライナーです。 一年生学生寮の寮長もしておりますので、接する機会は多いと思いますので、以後お見知り置きください」


法衣をまとったふわふわした感じの女性が教壇に立って、自己紹介をしていた、しっかり見た教員は、学園長しかいなかったので、まともそうな人が出てきてちょっと驚いた。


「趣味は、爆薬の調合で、現在爆音と軽い衝撃だけの爆弾を製造中です」


し~んー…


それを聞いた僕達は静まり返った。 前言撤回、間違いなくこの人はこのハチャメチャな学園の先生の一人だ、そして恐らくその爆弾とやらは、僕達生徒対策に違いないだろう。


(なるべく関わらないようにしよう……)


僕は心に誓った。 だがクラスの担任と言う時点で恐らく、はかない泡沫の夢だろう。


「それでは、今日の授業内容を説明します」


先生は笑顔のまま、僕達生徒に向けて、授業内容の説明に移ろうとした。


「今日は、社会科見学としてアルティミオ市内へ行っていただきます。 皆様はまだこの学校に来て間もないので、いろいろ必要な物もあるでしょうから、今日は学園長の計らいで、アルティミオ市内に買い物に行ってもらいます各人必要と思う物を購入してください」


それを聞いた僕達は、ざわめきだした、まさかここに来て、買い物に行かせてもらえるとは思っていなかった。


「それでは、一端解散します。 各人部屋に戻り、準備をしてください。 一時間後、正門に集まってください」


それを聞いた僕達生徒は、教室を後にして、各部屋に戻り、各々準備に移った。


****


「暇だな~…」


僕は部屋に戻り、早々に準備を整え、ノンビリと談話室でくつろいでいた。


「エリルもなかなか出てこないし……」


何もしていないと、なぜかどんどん自分がダメな人間になっているような錯覚に陥って来る。



そんな時ー…


コンコン


廊下からノックの音がしてきた、同じ部屋のルームメイトなら、わざわざノックなどせずに入って来ることから、他の部屋の人物であろう。


「どちら様ですか?」


僕は扉に向けて声を発し、来訪者の確認を試みた。


『お? ヨッシー? 俺、俺、ルークだよ。 開けてくれ』


どうやら来訪者は、同じクラスのルーのようだ、三人で回る約束をしてたから、迎えに来たのだろう。


「あ、ルーか? どうぞ」


ガチャ


扉が開き、そこから青いズボンに白いシャツを着て、オレンジ色のベストを着用しているルーの姿が現れた。


「おっす、ヨッシー!! もう準備できたか?」


「見ての通り、準備は終わってる」


僕はソファーから立ち上がり、両手を広げてアピールをした。


「って、上に羽織ってたローブとっただけじゃねーの?」


「べ…別にいいだろ? 動きやすいんだし」


僕は特に服装にこだわりがないので、動きやすさ重視プラス着替えの手間の省略と言う最も効率的な方法を選択したつもりだったがルーには意外だったようだ。


「別にいいけどよ、せっかく街に出るんだから、もっとこうー… オシャレみたいにしてもいいんじゃねか?」


「う~ん……それもいいんだけど、なんか面倒くさくって……」


僕は正直に僕の心中をルーに話した。


「ヨッシーて意外と面倒くさがり? 結構マメな感じがしてたけどなぁ~」


ルーは、意外というような声を上げながら、僕を見た。


「そんな事無いよ、面倒くさい事は面倒くさいし……でも、最低限やらなきゃならないことはちゃんとやるさ、洗濯とかね」


「はは、流石にそれくらいはな」


その言葉を合図に僕達は二人で『そりゃそうだ』と笑い声をあげた。


「そーいや、エーりんは? まだ準備中?」


「うん、そうみたい。 もう結構経つから、そろそろだと思うけど-…」


僕が控え目にルーに話すと、ルーから予想外の提案が出て来た。


「ちょっと様子を見てみるか?」



それを聞いた僕は口から何かを吹き出しそうになった。


「な、なに言ってるのさ!! 女の子の部屋に入るなんて!!」


「じょーだん、じょーだん、そんな事するわけ無いだろ? そんなに驚くなよ」


ルーは笑いながら僕の肩を叩いた。


気のせいか、僕の反応を楽しんでるような気が……


ガチャ


そんな事を話してるうちにエリルの部屋のドアが開いた。


「ゴメンね~ なれない服だからちょっと着るのに手間取っちゃってさ~」


「「 へ? 」」


エリルの姿を見た僕とルーはあっけに取られた。


ルーよりちょっと付き合いの長い僕でさえ彼女のこんな姿は想像できなかった。


「あれ? どうしたの? 二人とも?」


白いブラウスに、チェック模様の青いロングスカート、その上から赤いチェックの短いケープを羽織っていた。


普段はこんな事は思わないのかも知れないけど、その姿は凄く可愛く見えた。


「やっぱり変かな……ボクがこんな格好してるとー…」


エリルが恥ずかしそうに顔をかきながら、ちょっと上目使いに僕達を見ていた。


「う、ううん!! そんな事ない!! 凄くよく似合ってるよ!! ちょっとびっくりした!!」


僕は思いっきり首を横に降りながら、エリルの言葉を否定した。


「こりゃ予想外だな。 口説きたくなっちゃうかも」


ルーも驚いていたが、すぐに何時もの調子を取り戻し、やや口を弧に釣り上げながらエリルを茶化していた。


「えへへ、ありがと。 ちょっと照れくさいけど、スゴくうれしいよ!!」


それを聞いたエリルも、えへへと笑いながら頭をかいていた。


「さっ!! 行こうよ、二人とも!! そろそろみんなも集まってるかもよ!!」


エリルは笑いながら僕とルーの手をつかみ、そのまま廊下を駆け出して、正門に向かった。


「いてて、そんなに急がなくて大丈夫だよ」


「そうそう、まだ時間はあるしな」


「えへへ!! わかってる!! でもなんかこうしてるのがスゴく楽しいんだ!!」


エリルの言葉に僕達は笑い合い、エリルに引っ張られるまま走っていた『こういうのもたまにはいいかもな』と心の中で思おもいつつ、僕達は三人で正門を目指していた。

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