Episode. 2 『 心 』
⚠︎母のヨゼアは海外の人で日本語が喋れないため
ヨゼアずっと母国語で話しおりその他の人達もヨゼアと話をする時だけそちらの言語を使うので日本語以外の時は[]←
を使用して台詞を区別していきます
結愛「…っ、ヒクッ…う」
優「…結愛」
ヨゼア[結愛?、熱があったのかしら…胡桃急いで私の部屋にある薬を持ってきなさい。
パパ、明日になっても熱が下がらなかったら病院よ]
信哉[okだよ、大丈夫まず薬飲んでもらって寝させよう]
すぐそばで私の状態について話し合ってる両親の会話に耳を傾けながら涙が止まらない自分に混乱していた
いくら前世の記憶を取り戻したとはいえ
私はまだ、小学校2年生になったばかりの7歳だ
1年生の時や幼稚園の記憶は今でもまだはっきりと思い出せる
(きっと、心身ともに色々びっくりしちゃって疲れているのだろうな)
ーーーーーー
(あつい…だるっい、)
「ごめんね、ごめんなさい」
(誰の声?あぁ…お母さんなんで謝るの)
「愛×、お母さん頑張ったけど…
やっぱり貴方のお父さんとはもう無理なの」
(分かってる、もう願ってない)
「×××、あなたのパパよ」
(ん?あ…パパと初めて会った時の、今世の、私の記憶)
「今日から、名前は結愛だ」
そうか、私が生まれた時からパパは
仕事で忙しく私が自我をようやくもったであろう幼稚園に入園する少し前に初めて会ったのだ
今世で私が”生まれた時”でさえこなかった
私のパパーー
だから、確か最初の名前そっち側の海外らしい名前で
叔父様が名付けてくれたはず…なんて名前なのか分からない
幼すぎたが故に覚えてないからだ
そして、前世のお母さんのあの言葉
何故今さらこんな夢のような形で思い出したのだろうか
思い当たることと言えばーー
前世も今世も似ているのだ、両親は
雰囲気や性格も……何より仲も
(あぁ、…だから思い出したのかな)
どっちでも愛されたくて
幼いながらに察した両親や家の事情
喧嘩や言い合いしたかと思えば仲良さげに食事する姿に私は
『すっごく……吐き気がする、気持ち悪い』
求めてたはずなのに拒否ってしまう
どっちも似たような変わらない環境だから幼い私は前世の記憶を思い出しただろう
これ以上涙を流さないように…慣れた感情を思い出して
自分を保つようにーー
今世の私も拗らせてるなぁ
いや、どっちも私だから今世や前世とか関係ないや
ここは夢の中なのだろうかーー
だが、この夢の中でようやく小さな身体の中に掘り起こされた記憶が混じりあった
きっと、また愛にすがりついてしまうだろう
だがそれでも私は誰も信じない自分以外
叔父様も彼も、家族でさえも……だ
転生したからには状況を変え奮闘するだろうが
私は違う、強い女になる為に奮闘するのだ
(前世で痛い程分かってる)
いくら頑張っても、願っても結局叶わなかった家族の愛ならば諦めて自分を守る為に1人でも生きていける
強い、とても強い素敵な女性になるのだ
「…฿*「」様!お嬢様…結愛お嬢様っ」
(誰かに必死に呼ばれてる…起きなきゃ)
ーーーーーーーー
結愛「…っ、なに」
胡桃「!結愛お嬢様…」
瞳に涙をいっぱい溜め込んだ胡桃の姿がそこにはあった
さらに、胡桃の前にはまだベットのすぐそばにいる
両親と 兄は痛ましい程に歪んだ表情だ
(心配か、ありがとう…こういう所は愛を感じるんだよな)
だが、今の私は気分的に色々思い出し記憶は綺麗に混ざり
混乱はしてないがどっちの感情もある為に物凄く1人になりたいのだ
(それに、私拗ねてるし…なんなら怒ってるんだからね)
私が1週間熱を出し寝込み前世を思い出す前に
父は仕事につきっきりで母も基本外に出かけており
兄は勉強も大変だっただろうが後継者ではない為他にも自由時間があっただろうに…滅多に会いに来てくれない
(凄く寂しかった…1人だった)
胡桃もずっと私の傍にいれる訳ではないのだ
”完全なメイド”ではないから
幼い私がどんな気持ちだったのか
あなた達には分からないだろう
今も前も…大人は自分の事で精一杯なのだから
結愛「出ていって」
ヨゼア[…結愛っ、どうしたの…ママに言ってごらんどこか痛いの、?]
結愛[1人で、ゆっくり寝たいの]
胡桃「っ…結愛お嬢様」
信哉「皆心配してるんだ…だから」
結愛「だから?疲れたのパパ寝たいから……
《出で行って》 」
ヨゼア・胡桃「…っ」
ヨゼアと胡桃は息を飲む
目の前の光景に圧倒されているのだ
勿論他の2人もみな一緒だ……ある意味圧迫されてる
一人の”小さな少女”に
優「結愛っ」
信哉「…待て」
父に待てと止められ視線を向ける優
ロサグループそして華之家の当初であり自分の父の姿は
自分と同じくせっ毛の紫かかった黒髪はふわりとなびいており、部屋の空気が冷たく凍えそうな程にかわってゆくのを感じる
まさに肌に突き刺さる【冷気】だ
髪と同じ色のはずの瞳は 今
”鮮やかな赤に染まり光っている”
目の前にいる少女と同じ
横から視線を目の前のベットで立ち上がろうと座っている
我が妹を見る優は無意識に瞳を”赤”に染めてしまった
そうせざるを得ない威圧感、緊張、冷や汗
普段の寂しがり屋で甘えん坊だが、大人しく物分りのいい
可愛い結愛の姿はなく
ただ、丸く大きなその瞳を
”血より深い真っ赤な瞳を光らせていたーー”
最近本当に暑すぎてばて気味の私です
皆様も熱中症にお気をつけてください