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後日
霊魂に導かれて、その死骸の場所と子がいる場所が分かった。
翌朝、死骸の近くの民家に尋ねれば、
「狐が畑を荒らしていたから殺した。」
との話だったが、掘り起こされた死骸は原型を留めず、雑多に骨が纏めてあった。
貧しい村である、そういう事なのだろう。
骨は庄屋の屋敷の近くに埋められ、
後日、小さな祠が建てられた。
親田和尚が再びやってきて、長い経を唱えていった。
子供については…
「そちらに行ったぞ!」
「捕まえた!征四郎、そっちにも行ったぞ!」
「よし、ぎゃー!!痛い噛むな!」
捕まえられた子狐は、張られた金網の中で飼う事になった。
時々門下生三人組もやって来て遊んでやっていたが、
その度、征四郎だけが子狐に絡まれていた。
どうやら二匹の内、一匹はメスだった様だ。