一番の化粧は笑顔
あらすじにも書きましたがテーマはシルバーソウルのオマージュです。
中身はオリジナルですので、銀〇とこの作品の面白さは全くの無関係です。
二人「はい、どうもー。ゴムとんかちですー。よろしくお願いします。」
寺田「早速なんですけど、皆さん恋してますかー!」
奥野「急ですけどねえ、恋はいいですよね。」
寺田「そうなんですよ、最近、恋愛ドラマとかにはまっちゃってて、彼女欲しいなーてずっと思ってるんですよ。」
奥野「あら、良いじゃない。カップルが増えれば、少子化も解決するかもしれませんからね。恋は素晴らしいことですよ。」
寺田「でー、やっぱ恋人にしたい女性の条件とか考えるじゃないですか?性格がどうとか、顔がどうとか…」
奥野「たしかに。身の程知らずにも妄想ばかりは膨らみますね。」
寺田「せっかくなんで、今日は僕の理想の女性を紹介したいなと思いまして。皆さん、聞いてもらえますか?」
奥野「独身男の妄想ってところでちょっと嫌な予感はしますけど聞いてみましょうか。」
寺田「まず一つ目の条件は、顔ですよね。」
奥野「確かに、人は見た目が九割って言いますからね。顔は大切ですね。」
寺田「やっぱり、僕は結構面食いなところがありますから、美人がいいですね。」
奥野「そりゃ、男ならだれでも美人でかわいい奥さんが欲しいですからね。どれくらいの美人さんがいいんですか?」
寺田「ちょっと、高望みになるかもしれないんですけど、上野動物園にいるシャンシャンぐらいの顔面偏差値あるといいですね。」
奥野「なんで、パンダでたとえたの?普通に人間でたとえなさいよ。女優さんもいっぱいいるんだしさ。」
寺田「女優さんレベルの美人を恋人にできるわけないだろ。夢見てんじゃないよ。」
奥野「…まあ、確かに。」
寺田「それにな、女優さんなんて生で見たことある客なんていねーんだから、女優で例えたってわかんねーだろ。このパンピーどもによぉ。」
奥野「すっごい畜生発言。クルトワもびっくりだよ。」
寺田「それに、人間でたとえると角が立つから、愛嬌のある動物ってことでパンダ、正式名称ジャイアントパンダで例えたんですよ。」
奥野「なんか、間違ってる気がするけど、半分あってる気もするな。」
寺田「まあ、とにかく、シャンシャンが理想で、細かく言うとランラン以上ホァンホァン以下って感じです。」
奥野「マジで誰一人として分からんたとえだけどね。漫才としては絶対よくないけどね。」
寺田「二つ目の条件はですね、やっぱスタイル、体型ですね。」
奥野「ここも、最低限のラインを設けてる人は多そう。僕も顔よくてもすんごい太ってたら嫌かも。」
寺田「僕の場合はちょっとふくよかな方が好きでして。」
奥野「女性は、そっちの方が愛嬌があるって言って好きな人も多いですよね。」
寺田「まあ、だからボンッキュッボンッよりはボンッボッボンッくらいがいいんですよね。まあ、だからパンダでいうと…」
奥野「また、パンダだよ。寺田さん、心遣いはいいんだけどパンダ以外でお願い。もうおなか一杯だわ。」
寺田「ほかの動物で、好みのスタイルというと…ペンギンとかですかね。あのふっくらした感じがたまらないですね。」
奥野「ちょっとわかるのが悔しい。福良雀とかみたいに冬服きこんでもこもこしてるのは、確かにかわいい。」
寺田「そうでしょう!女性に限らず、ちょっと太ってるくらいが可愛らしいものなんですよ。」
奥野「でも、大丈夫そう?今のところ、シャンシャンの顔にペンギンの図体のキメラが頭の中には浮かんでるけど。」
寺田「いまのところは、それが正解です。」
奥野「本当に?こっからどう修正したら、理想の女性になるのか楽しみになってきたな。」
寺田「次の条件行きます。三つ目の条件はですね、ちょっとアホの子と言いますか。ちょっと抜けてる感じの子がいいんですよね。」
奥野「あーなるほど、天然というか、言葉選ばずに言うと馬鹿っぽいというか、愛嬌のあるおバカちゃんってことですかね?」
寺田「そんな感じです。まあ、だから三の倍数でアホになるような子といますか。」
奥野「それは世界のナベアツだよ。今の人だれもわからないよ。」
寺田「そうでした。アホっぽい子なんで、歯並びがたがたで語尾が「じょー」のひととか。」
奥野「それはちびまる子ちゃんの山田君だよ。」
寺田「そうでした。ただしくはおならとうんちを間違えて出しちゃうみたいな感じですね。」
奥野「それはおっさんがよくやるやつだよ。おならだと思ったら、うんちまで出ちゃったって。千鳥の大吾さんもそれでパンツ変えてたでしょうが。そんな女の子嫌ですけどね、僕は。」
寺田「間違えて漏らした後に、『また、守れなかったよ。』って泣き笑いながら言ってくれたら、それでいいです。」
奥野「彼女に演技力求めるタイプ!」
寺田「続きまして、四つ目の条件です。やっぱり性格は重要ですよね。」
奥野「これが一番大事、性格いい子だと、一緒にいるのが楽しいですからね。気遣いが出来る子とかね。」
寺田「でたよ。性格が一番大事とか言ってるやつ。ご機嫌取りしたところで、お前みたいな顔面のやつはモテねーんだよ。取り繕って気に入られようとするな。どうせブスに人権ないと思ってるくせに。」
奥野「すっごい。すっごい悪口。急に豹変した。お湯にわかめ入れた時ぐらい豹変した。」
寺田「くそがよお。女子の前だけいい面しやがってよお。お前みたいな上っ面だけで生きてるやつが…」
奥野「ちょおっと待って寺田さん。トラウマが、開けちゃいけない記憶があふれてきてるから。落ち着いて、深呼吸。今は漫才中だよ。」
寺田「そうでした。ふー。気を取り直しまして、好きな性格の話ですよね?これはね、ドSに限ります。むち打ちとかしてくれると最高。」
奥野「これだけ、本当にお前の願望じゃねーか。ここまで動物できて急に性癖全開だよ。」
寺田「僕が、結構Mなんで、強めに叩いてくれる人がいいですね。」
奥野「なんか汚いなあ。」
寺田「ちょっと恥ずかしいんで、次行きますね。」
奥野「四つ目だけ駆け足でいったな、おい。」
寺田「最後の条件行きましょうか。よく笑ってくれる子がいいですね。」
奥野「ここまでで、一番まともな条件ですね。」
寺田「やっぱ、僕らの仕事って辛いじゃないですか?そんな時に一緒にいられるだけで、その苦しさから解放されるような笑顔が見たいわけですよ。」
奥野「芸人やめちまえ。お客さんの笑顔で満足できないなら芸人やってる資格ないよ。大体、もっときつい職業たくさんあるだろーが。俺らの仕事は結構夢もあって、良い方だと思うけどね。」
寺田「それはそうだけど、それとは別にってことよ。僕の仕事で笑ってくれるんじゃなくて、僕と一緒にいることで笑顔になってほしいの。」
奥野「ぐうの音も出ない正論!恋人とお客さんは全然違ったわ、これは俺が悪かったわ、何一つ面白くないことでもその人とやるから笑っちゃうっていうのが恋でした。」
寺田「僕はね、笑顔って本当に素敵だと思ってるんですよ。例えばですけど、あなたがたにとって大切な人を思い浮かべてみてください。恋人、家族、親友、世話になった上司、どうですか?その顔、笑顔じゃないですか?」
奥野「すごい、確かに。俺も今、嫁さんのこと思い浮かべたけど、とびっきりの笑顔だったわ。」
寺田「そうでしょう、だから僕は恋人には笑顔でいてほしいんですよ。バチバチにメイク決めた真顔より、すっぴんでも笑顔のほうがいい。きったない笑い方でもいい、それ以上に汚く笑いながら僕が横にいますから。落ち込んで泣きそうなときは、僕が絶対に笑顔にして見せます。笑いに関しては、僕はプロの端くれですからね。大船に乗った気持ちでいてください……だから、僕と恋してみませんか?」
奥野「…」
寺田「…」
奥野「あれ、俺たち今何やってるんだっけ?恋愛ドラマの撮影だっけ?名言出すぎてオチもどうすればいいのかわかんなくなっちゃった。」
寺田「なんかアロマでも炊いとけばいいんじゃないすか。おちつきますよ。」
奥野「そんなダジャレでまとめられるわけね―だろ。ここまで散らかしてきたんだから。きれいに決めないと。」
寺田「じゃあ、話、戻しますけど、恋人は笑顔でいてほしいってことなんですけど、ちょっと心配事もあるんですよね。」
奥野「なに?笑いにこだわりすぎてドン引きされそうとか?」
寺田「いや、相手パンダなんで笑ってるか分からないっていう。」
奥野「結局パンダじゃないか、いい加減にしろ。」
二人「「どうもありがとうございました~。」」
笑顔にやられるのはガチ