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生命のノイズ

作者: 秋暁秋季

注意事項1

起承転結はありません。

短編詐欺に思われたら申し訳ございません。


注意事項2

子供を拒絶するような描写があります。

ご不快に思われる事もあると思います。

お気を付けて下さい。

「チッ……。あのクソ野郎。私が嫌いなもの撒き散らしやがって」

廃墟ビルの中。瓦礫が積み重なる何も無いその中で、女は一つ舌打ちをした。

辺りに木霊するのは小さな幼子の声。他愛のない歌や話が延々と繰り返され、なんの脈絡もない言葉の羅列がただ並ぶ。本当にそれだけ。しかし女は気を悪くしたように、コンクリの破片を蹴り上げた。石の塊が壁に打ち付けられ、砕け散っても、そのあどけない配列は止まなかった。

「□□? なんでも良いわ。爆音、頂戴」

女は何も無い空間に向かって、高らかに宣言するように叫ぶ。すると彼女の影が突如蠢き、人型を形作り始めた。現れたのは一人の男。長い黒髪、光の無い瞳。死神めいた男。

彼は一度女に向かって目配せをした。了承を待っているのだ。それを受け、彼女は小さく頷いた。

――さっさとやって頂戴。

男の薄い唇を開口する。絶叫を放つと、辺りを建造物を問答無用で破壊し尽す。


「どうにも昔から駄目。子供の声は本当に駄目。思考が散るのよ」

女は屋敷の中でティーカップを傾ける。横に垂らされた毛の房を揉み込む様にして、手に絡ませる。苛立って居ることは明らかで、前に座る男も彼女を刺激しないよう、口を真一文字に結んでいた。

「ま、八つ当たりかしらね」

「ほぅ。お前らしくもない」

低い、成熟した男のテノール。瞳に輝きは無いが驚きを感じていた。彼もまた、彼女同様にカップを傾ける。考える事は一つ。どう彼女の精神を落ち着けるかだ。

昔から、彼女は子供の声を聞くと情緒が不安定になる。忙しなく眼球を動かし、歯を鳴らし、最終的にはその場から逃げ出す真似さえする。思考がバラつくとはよく言ったもの。

「私の幼少期は泣こうが喚こうが助けなんか無かった。誰も彼もがゴミを見るような目で私を見た。愛してなんか……くれなかった。だから……そうね……嫉妬だわ」

彼女は席を立つと、蓄音機の針に手を伸ばす。静かにレコードを置いて曲を流し始めた。ラッパの部分から聞こえる歌声は有名なクラシック。人の心に安寧を与える曲調。

「俺が傍にいる。お前のその発作が出ても、また抑えてやる」

彼女の目に光。男の光を吸い上げて、眩い程に輝きを増す。部屋にはただ艶めかしい音が連なっていた。

ご不快に思われる事が“絶対”にあります。

何でも許せる方だけ宜しくお願いします。

その上言うほど、内容に関係がないという……。



私、あまり小さい子が得意でなくてですね……。

すぐに自分の身に対して危ない事するし、居なくなっちゃうじゃないですか。何が安全か危険か分からないし、好奇心から行動しちゃうから。


見てて不安になるんです。親御さん何処……?って。

その上泣かれてしまうと、もう何して良いか分からなくて……。この子の様に思考が散るんです。


生命のノイズ と付けたのは、その生命の無邪気さが、良いも悪いも混じりあって、混乱を招くと言う意味から。

子供ってそう言う存在じゃないかなと。

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