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5.貴族学校とスカーレット様の婚約

スカーレット様13歳。護衛メイドとなったサーシャと一緒に学校へ入学する。

この国の貴族は必ず通うことが求められており、最大3年間過ごす。

最大といったのは、最短1年で卒業できるから。

ただし、今年は王太子殿下も入学される。

貴族の縁をつなぐためにも、普通は最短卒業はしない。


というのに、スカーレット様は最短卒業をするおつもりらしい。

そして、スカーレット様至上主義の筆頭になってしまったサーシャは、それにお供するらしい。

いや、君たちまだ婚約者いないんだから、学校で探してきなさいよ…

「私にはスカーレット様がいらっしゃれば十分です」

とはサーシャの談。

今ではアシュレイ家暗部でもかなりの実力者になってしまった彼女である。

グルード様のお計らいで、騎士団長との模擬戦を行ったことが1度だけあるのだが、騎士団長の首元にナイフを突きつけた時には度肝を抜かれた。

すでに”護衛”の域を出ている。

ただ、おかげで?スカーレット様に悪い虫がつくのも防いでいる。


スカーレット様はゲーム本編とは全く違う性格になった。

見た目はゲームと一緒なのだが、ヴァイオレット様と同じような”おっとり系美少女”になられた。

私?私はずっとヴァイオレット様付きの筆頭メイドですよ。去年からはメイド長ですよ。

えぇ。

マーフィー家としてアシュレイ家を支えております。

夫のジョシュも今では執事業務が板についており、旦那様をしっかり支えています。

今はスカーレット様の弟グイード様に領地運営の手ほどきを旦那様に代わりしております。

将来の公爵家当主ですしね。

ちなみに、ジョシュは公爵家運営代理です。

グイード様は何となく、ジョシュに似てきていらっしゃる気がします。

見た目は利発そうで、グルード様に似ておいでなのですが、完全に「スカーレット様至上主義の腹心」です。

姉の為なら何でもする系弟になっていらっしゃいます。

大丈夫かそれで…


そして、当のスカーレット様。

おっとり系美少女なのですが、べらぼうに勉強がお出来になります。

並み居る家庭教師をその学力で叩きのめし、学校入学前に、国の大学教授と政治について激論を交わしていらっしゃいました。

どうしてそうなった。

グルード様が度々国政の関係で、夕食時に大学教授などと打ち合わせをするのに同席させていらっしゃるのが原因でしょう。

どうもグルード様は、将来公爵家当主をグイード様、宰相職をスカーレット様に継いでもらい、公爵家から宰相を分離させたいとお考えみたい。

てか女性初の宰相を狙ってるの?


「本日も、王太子殿下がスカーレット様にアプローチをされましたので撃退いたしました」

「「…」」

スカーレット様とサーシャは学校入学後、速攻で卒業資格を得ました。

1年通う意味もないんじゃないかというレベルですが、最低でも1年通うことは義務なので、仕様がありません。

で、アシュレイ家から毎朝馬車で通っているのですが、どうもスカーレット様を殿下は射止めたいらしく、たびたび声をかけて来られるらしいのです。

で、それをことごとく撃退する我が娘。

大丈夫だろうか?不敬罪で処刑されないよね?

王太子殿下はどうもゲーム通り俺様系甘っちょろい王太子に成長されているようで、はじめ無視するスカーレット様につかみかかろうとしてサーシャに”物理的”に撃退されてからは、ちゃんと手順を踏んでアプローチをなさっているようですが、スカーレット様にそのおつもりは全くないそうです。

で、しつこい殿下に”舌戦”で撃退するサーシャ。

「婚約者のいない女性に対してアポもなくサロンに来るのは、貴族としてどうなのだ?」とか

「スカーレット様は名前で呼ぶことを許可していないが、私が王太子殿下を名前で呼び捨てても同じような対応をあなたはできるのか?」とか

「紳士としてあるまじき行動です。正式に抗議いたします」と、帰ってくるなりグルード様の執務室へ置手紙をするなど、苛烈極まります。

そして、こればかりはサーシャへの教育のたまものでしょうが、3人だけになることを絶対に避けております。

必ずほかの生徒が一人は居るようにしているそうなのです。

アリバイ作りですね…娘末恐ろしい。

話を聞いていると、王太子殿下には言い寄る男爵令嬢がいるようなのですが、スカーレット様に相手にされない殿下は、必死でスカーレット様を落とそうと躍起で、全くかまっていないそう。

あーきっとそれヒロインだわ。

なんなら同じく転生者かもしれん。

「スカーレット様に向かって悪役令嬢とのたまった男爵令嬢がおりました。しばき倒したい、消してやろうかと思いました」

とはサーシャ談。

やめろ、消すなら証拠が残らんように消せ。


そんな一学期が終わり、夏休み。

グルード様が、スカーレット様の婚約者候補を連れていらっしゃいました。

隣国の第3皇子だそうです。

ご聡明な方だそうですが、皇国でのお立場が弱く、出国して婿になりたいのだそうです。

姿絵を拝見する限り、端麗なお顔をされており、スカーレット様も乗り気。

一度話をしてみて考えるとのことで、お見合いすることになりました。

スカーレット様が乗り気ならサーシャも無理なことはしません。


「お初にお目にかかります。ルドルフ・フォン・バイエルンと申します」

「お初にお目にかかりますわ。スカーレット・アシュレイです」

どっちもお人形さんみたいな二人が綺麗に挨拶しておるー!

ルドルフ様こっちの国の言葉上手いな。

「ルドルフ様はどちらの国の言葉がお得意ですか?」

「こちらのと言いたいところですが、やはり母国語のほうが得意です」

(私についてきてください。ご案内いたします)

「Então venha para esta sala. O guiará」

「!」

スカーレット様だけでなく、お付きのサーシャもきっちり向こうの言葉で案内するのでびっくりされているようだ。

私も辛うじて話すことは出来るが、今や娘のほうが3か国語を操れるようになっており、母は?ダメ人である。

3人はラウンジに入って、サーシャは二人にお茶を入れ、スカーレット様の後ろについて話を聞いていたようだ。

「お二人はとてもお似合いのようです。ルドルフ様であれば、スカーレット様を支えてくださるかと」

夜、娘との会話で、ルドルフ殿下の話を聞く。

お二人でとても楽しそうに政治の話をしておいででした。とのこと。

えぇー恋愛感ねぇなぁ…いやある意味馬が合うんだろう。

それにしても向こうの国の言葉で政治の話をなさるとは、さすがスカーレット様だ。

そして、それを完璧に理解している娘よ…立派になって母はうれしいぞ。


夏休みの終わり、スカーレット様とルドルフ様の婚約が正式に決まった。

現国王陛下も認めてくださった婚約なので、確実。

夏休みの間、スカーレット様はグルード様から宰相の仕事を教わっていらっしゃったのだが、なんだかスカーレット様がいくつかの施策と法律を立案なさったとのこと。

スカーレット様潜在能力が怖いです。

そして娘よ、その話が分かったのか…

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誤字報告もぜひしていただければと思います。

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