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047 クル・クルスーの町


 王子はエウラリアを背負い、歩いていた。

 アルミラージの事を急いでギルドに報告をするべきだと、ゼノに急かされたのだ。

 本来ならダンジョンの魔物が地表に出ていると警告するために。

 リサが説明してくれた、子育てやら何やらにしても、ゼノに言わせるとヤッパリオカシイらしい。

 そして、それはとても危険だと言う。

 その事に関しては、王子も実際に経験して、そうだと思った。

 道から逸れている場所だとしても、確かに危ないだろう。

 この辺りのフィールドレベルは10らしいからだ。

 それは王子達と同じくらいのレベルの者達が普通に狩りをする場所だという事だ。

 そこにアルミラージが居ては、確実に事故に成る。


 なので、少し急ぎめに次の町に向かう。

 そして、腰の抜けたエウラリアを背負うのはヤッパリ王子の仕事。

 流石に戦闘直後なので変わって欲しいとの気持ちも有るが……。

 チラリとゼノ達三人を見る。

 三人共……両手に一匹づつのアルミラージを抱えていた。

 折角倒したのだから、報告ついでに魔物も売る。

 それが冒険者とういうモノだ……だそうだ。

 ではマルタはと言えば、アルミラージの前に倒したウサギを抱えていた。

 まあ、マルタにエウラリアを背負わせる気は、端から無かったのだが。


 というわけで……エウラリアはどうしったって王子の背中に為る。

 それでも上半身は元気なので、一つ仕事を頼んでいた……これから行く町に、地図を使っての道案内だ。

 もう既に道路に出たから、一本道なのだが……。


 さて、道すがら暇に為った王子は考えていた。

 えらくタイミング良く ”人形修復” 何てスキルが出たな……と。

 足元でクルクルと踊る、綺麗に為った人形達に笑いかけると、目が会った二体からもニコリと返された。


 もしかすると、スキルにはレベル以外に何か条件が有るのだろうか?

 今回は、ボロボロに成ったが……それがキー?

 例えばレベル5とか6の段階でレベルによる制限は解除されていて、もう一つの何か、今回ならボロボロ……か。

 とか……。

 もしそうなら、色々と経験してみないと駄目なのだろうか?

 例えば……人形造りとか。

 うん、有り得る話だ。

 桧の棒で戦っていたら ”棒術” が手に入った。

 しかし、剣で何度か戦っているが、剣士とか剣術はマダ無い。

 これも別の何かが必要なのかも知れない。

 レベル的にはクリアーはしている筈だ、もっと低いレベルであろう弟王子が剣士を持っているとマルタも言っていたのだから。

 だとすると……何をすれば良いのだろうか?

 戦うは……もう済んでいるから、トドメを刺す? それは遣ったか? 覚えていない。

 もっと単純に素振りとか? これは確実にやっていない。

 それとも相性の有る無しも有るのだろうか?

 例えば……職業は王子と傀儡士だ。

 そこに剣と相性は無い……とか。

 棒術はアッサリだったのが、もしかすると相性なのかも知れない。

 適当に槍の様に使っても槍術は出てこないし……。

 うーん。

 相性か……。

 それっポイ気もしてきた王子だった。



 そして、その日の夕方前には町に入れた。

 町の名前は ”クル・クルスー”らしい、そう看板が出ていた。

 なんとも言い難そうな名前だ。

 たぶん領主の名前がクルスか何かなのだろう……そうだとすると単純過ぎるな、と笑った。


 町自体は大きくて立派で綺麗だ。

 レンガと木の組み合わせで、背の高い建物も三階建てくらいまでは見られる。

 町に続く道路は舗装の剥げた砂利道だったが、町中はしっかりとレンガも敷き詰められている。

 そして、人通りも多く活気が有るようにも見えた。

 それも夕方前でも、買い物や仕事帰りがチラホラと見えるからかもしれないが。


 王子達は真っ直ぐにギルドに向かう。

 町に入った時の守衛に尋ねればその場所はスグに教えてくれた。

 とても簡単に、一番に大きな道を指して。

 「ソコを真っ直ぐで、町の真ん中だ」

 と、それだけで終わった。


 実際にそうだったので、その守衛が素っ気ないとかでは無かった様だ。

 わかり易い所に、わかり易い感じにギルドは建っていた。


 中に入って順番待ちに並ぶ。

 ここも複合型ギルドの様だ、真ん中が冒険者ギルド、端は商業ギルドと運送ギルド……これは今までで一番に大きい気がする。

 いや、冒険者ギルドの窓口が少ないのか?

 一番奥に有る経験値の買い取り窓口は、ヤッパリ一つしか無いけど、これはそんなものか。

 相変わらずに年寄りが列を成しているが……それはそれで楽しいそうだ。

 孫がどうした。

 息子がどうの。

 嫁が……。

 何て話が漏れ聞こえる。

 耳が遠いからだろう……喋る声も大きい。


 

 王子達の順番が回って来た。

 先ずは今までで貯めた札を出す。

 と、1枚辺りが混ざっていた……ウサギの様だ。

 それは、返して貰って残りを差し出した。

 小銭がジャラジャラと返ってくる。

 

 そして、次はアルミラージとウサギを出すと、受け取り専門の職員がやって来て、アレコレと精査を始める。

 その間に宿の予約をしておく。

 「6人を二部屋でお願い出来ますか?」

 王子はゼノ達の意見は聞かずに、そう尋ねる。

 

 「向かいの宿に空きがあります……風呂付き飯付きで……」

 細かい説明はわかったとばかりに、王子は頷いて。

 「ではソコで」

 と、職員の話をブッタ切る。


 ゼノ達は驚いて居たが、その手に予約票を握らせて。

 「別に構わないだろう? どうせ何処かに泊まるのだし」

 まさか町をスルーして、次に行く何て言うわけもない。

 そんな護衛は居ない。

 どうせ隠れても、側に居るのだ……もう一緒で良いと思うぞ。


 それでも何かを言いたそうなゼノ達を、買い取り専門の職員が押し止めた。

 「では、こちらをどうぞ」

 差し出して居るのは、何かの書類だ。

 それに査定が細かく載っているのだろう。

 それを窓口にも出しているので、金額もか。


 今度は少し大きな金額の硬貨が出てきた。

 それを何故か王子に渡すゼノ。

 「これは貰っても良いのか?」

 

 「宿代で、先に払っていてくれないか?」

 もう、一緒は諦めた様だ。

 ゴリ押しで渡された宿の予約を、キャンセルしても金の無駄だし……他に宿を探すのも面倒だとでも結論付けたか?


 「何処かに行くのか?」

 それでも、先にとは……少し気になる王子だ。


 「いや、アルミラージの事を報告してくる」

 ゼノは上を指差した。

 二階の何処かにそんな窓口でも有るのだろうか?


 「アルミラージがどうかされました?」

 聞いてきたのは、窓口の職員。


 「ああ……さっきの奴だが、ダンジョンの外を彷徨いて居たんだ」

 ゼノは簡単に話した。


 「それは……困りましたね」

 少し考え込む仕草を見せた職員。

 「最近……多いんですよね」

 そして、困り顔だ。


 「退治はしていないのか? 依頼とか……」

 ゼノも……あれ? と、そんな顔で。


 「いえ……予算が、ですね」

 口を濁した職員。


 王子もふと思った事を口にする。

 「ここまでの道路も整備が出来て居なかったようだが?」


 それには苦笑いだけの職員。

 

 「もしかして……領主が経費をケチってる?」

 ズバリと聞いた王子。


 だが、やはりか職員は否定も肯定もせずに居た。

 それは、そのまま答えを言っている様なモノだが……。

 王都に近い町なのに、領主が仕事をしていないのは問題だ。

 王はこの事を知っているのだろうか?

 いや、それとも何かわけでも有るのか?

 予算がとか言っているし、別件で予算を食っているものが有るのかも知れない。

 例えば……。

 王子は首を振った。

 駄目だ、思い付かない。

 別段、戦争をやっているわけではない。

 魔物以外は平和な国だ。


 ふむ……宿を取ったら、エウラリアを置いて町を少し歩いて見るか。

 買い物ついでも有るのだし、何か話が聞けるかもしれない。


 そう決めた王子は、そこでゼノ達と別れて宿屋に向かった。

いかがでしたでしょうか?


面白そう。

楽しみだ。

続きは?


そう感じて頂けるのなら、是非に応援を宜しくお願いします。

ブックマークや★はとても励みになります。

改めて宜しくです。

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