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【コミカライズ企画進行中】召喚世界のアリス  作者: 天野ハザマ
境界線上のアリス

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ショップに行こう3

 結果としてリーゼロッテによる着せ替えショーが色々始まったわけだけど……どうやら「動きに支障はない」ということだけはよく分かった。

 あと着物系はちょっと作務衣ぽい感じだった。納得。


「というかマトモな衣装が少ないわね……」

「可愛いじゃありませんの」

「そりゃそうだけど」


 なんかこう、開発陣の闇が見えるっていうか。まあ、いいや。衣装のことはついででしかないんだし。


「えーとね、おっちゃん」

「ん?」

「消耗品のリストちょーだい」

「ああ」


 私の目の前に浮かび出るアイテム選択画面。書いてある値段は、ゲームの時と同様。

 視界の右上には限界までため込んだ「ゲーム内通貨」の額も表示されてる。

 さて、と……。


「また何か私に見えないものを見てますのね」

「おっちゃん、この子に見える方のリスト」

「おう」

「あっ、なんで投げますの⁉」


 再び邪魔される前におっちゃんにリーゼロッテへ紙のリストを投げてもらって……何故かアルヴァがキャッチする。


「あっ! 何しますの⁉」

「ふむ……」

「私のですのよ⁉」

「お前のではなかろう」


 なんかやってるけど、まあいいや。えーと……。


・ハートポーション(小) 100ゴールド

・ハートポーション(中) 500ゴールド

・ハートポーション(大) 1000ゴールド

・攻撃ポーション 50シルバー

・防御ポーション 50シルバー

・速度ポーション 10シルバー


 ……ハートポーションって、ゲームのステージに落ちてた回復ポーションよね。

 そっか、こっちだと店で売ってるんだ……便利ね、これ。でも高っ!

 うーん、どうしよう。持ってると絶対何かあった時に楽よね。


・毒消し  10シルバー

・呪い消し 10シルバー

・万能薬  50シルバー


 この辺りは定番だったわねー。でもよく考えると現実にあったらヤバい商品では……?


・身代わりドール  1000ゴールド

・ソニックブレード 500ゴールド

・ボムマテリアル  1000000ゴールド



「ちょっと待って?」


 なんだこれ。身代わりドール? 残機増える奴だったわよねこれ?

 え?現実になったらどうなるのこれ?

 ソニックブレード……は確か通常攻撃が遠距離攻撃になるやつだわ。まあ、これはいいや。

 ボムマテリアル⁉ 100万ゴールド⁉ 何の冗談よこれ。

 ショップで補給できるわけ⁉ ええ……そういう仕組みになってるの?

 でも高っ! 恐ろしく高いわよ。そりゃ資金はカンストしてるけどさあ。

 だからって気軽には買えないわよ。しかもこの資金補充できるかも分かんないし。

 うーん……。


「……どうしよっかな」


 ボムマテリアルの個数は、残り1個。何日たっても、あとは鉤鼻の魔女の騒ぎで大幅レベルアップしても回復しなかったところを考えるに「この世界ではボムの個数は回復しない」がデフォルトなのは間違いないと思う。

 でも、ショップで買える。これは非常に大きい。

 なんだかんだでクローバーボムは私の切り札だからだ。これを補充できるというのはどう考えても有用だ。でも……うーん。


「とりあえずボムマテリアル10個ちょーだい」

「お前さんが買えるのは2個までだな」


……ちっ、個数制限あるのね。


「よし、決めたわ」


 まずはボムマテリアルを2個購入。200万ゴールド。

 次にハートポーション(大)を10個購入。1万ゴールド。

 攻撃ポーションも10個購入。500シルバー。

 万能薬は100個購入。5ゴールド。

 身代わりドールは5個購入。5000ゴールド。

 ソニックブレードは2個購入。1000ゴールド。

 合計、201万6005ゴールド500シルバー。うーん、中々のお値段。

 購入したものはなんだか自動で謎空間に収納されてるっぽい。便利ねー。


「あら、何かお買いになりましたの?」

「まーね」

「ていうか、この毒消しとかって……どの毒に対応してるんですの?」

「全部だ」

「え? なんておっしゃいまして?」

「全部だ」

「はあああああああああああああ⁉」


 店主の言葉にリーゼロッテが反応してカウンターに手を叩きつけている。


「でしたら、なんですの⁉ この万能薬はこの世の全ての不調を治すとでも仰りたいんですの⁉」

「そうだ」

「あり得ませんわ! たとえばワルマール病が確認されてから300年! 未だに緩和薬すら見つかってませんのよ⁉ それも治せるとでも⁉」

「そうだ」


 淡々と答える店主にリーゼロッテはプルプルと震え始め……うん、嫌な予感がして私はアルヴァの後ろにそっと隠れる。おいこら、避けようとすんな。絶対逃がさん盾になれ。


「アリスさん!」

「うわ来た!」

「あの万能薬とかいうの買ってくださいまし! よく分かりませんけどアリスさんなら買えるのでしょう⁉」

「まー、買ったけど。どうするつもりなの?」

「薬師として私は今挑戦されてるんですのよ! 今が戦う時ですわ!」


 そうかなー。私にはよく分かんないなー。

 でもなんか「はい」って言わないとダメ系な勢いだ。うーん。


「アルヴァ、どう思う?」

「何がだ」

「前にボムマテリアルは秘匿すべきみたいな事言ってたじゃん」

「言ったな」

「万能薬はその辺どう?」

「好きにしろ」

「ええー?」


 そういうのが一番困るなあ。私が馬鹿だって知ってるでしょうに。


「そもそも、そこの残念魔女に解析できるとも思えん。外に流すなと言えば平気だろう」

「なんですって⁉」


 あー、もう。ケンカ始まったし。どうしようかな。どうしようもないか。

 とりあえず万能薬もう1個買っておこうっと。


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― 新着の感想 ―
[良い点] 店主は神では。 まぁ枠外の存在から与えられた答えを繰り返すだけなのでしょうが
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