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頭良い奴に投げる

 そして、私は目を覚ました。

 此処は馬車の中で、一緒にいるのはミーファ……と、御者席のアルヴァ。うん、確実に目が覚めた感じね。


「……解決したのか?」


 それだけ聞いてくるアルヴァはなんかこう、全部分かってる感じで話は早いんだけれども。


「たぶん、ね」


名前:アリス

職業:レッドブレイド(レベル5【総合レベル120】)

ライフ:10

力:普通

素早さ:速い

防御:ちょっと低め

装備:スペードソード(専用装備)

   ダイヤアーマー(専用装備)

   アリスの服(専用装備)


サブ装備:鉄の剣(収納中)

     鉄の鎧(収納中)


スキル:ライフオブハート

    ガードオブダイヤ

    クローバーボム

    ジョーカースラッシュ

    ブラックジョーカースラッシュ

    レッドジョーカースラッシュ

    2段ジャンプ

    リターンホーム 

    トランプパワー(レベル1)

    黒の波動

    赤の光

    フォームチェンジ:ブラックアリス

    フォームチェンジ:レッドアリス


 ……うん、フォームチェンジになってる。ブラックよりは素直だったわね。とすると問題は……レッドの言ってたことかしらね。


「あのさあ、ちょっと疑問なんだけど」

「なんだ? 言ってみろ」

「えーと……過去が違っても同じ結果になるみたいなのって、どう思う?」

「貴様が何を言いたいのかサッパリ分からんが……そういうことはよくある話だ」


 言いながらアルヴァは両の手のひらをスッと上に向けて。


「ちょっと、手綱離してんじゃないわよ」

「煩い奴だ。こんなものは魔法でどうにかなっている」

「そうなの?」

「そんなことより良く見ていろ」


 そしてアルヴァの手の中に、2つの氷が生まれる。


「これは片方は単純に氷魔法によるものだが……もう片方は水魔法の応用だ。見ての通り結果は同じに見えるし、何も知らんものが見れば過程も同じに見えるかもしれない。しかし『結果だけが同じもの』であり……貴様の言う過去、あるいは過程が違うものだ。さて、この2つは何が違う?」

「作り方」

「貴様には期待していない。ミーファ、貴様はどうだ?」


 ちょっとは期待しなさいよ。たまには良い答えだすかもしれないでしょーが。

 そんな私の抗議の視線を完全に無視したまま、アルヴァはミーファに視線を向ける。


「……氷魔法は氷を作ろうとして作ったもの。水魔法は結果的に氷が出来ただけ。そういうことですよね?」

「その通りだ。偶然にせよ故意にせよ、過程が違っても同じ結果に到ることはある。それで? アリス、貴様はどの事例に対して語っている」

「超人計画」

「……ほう?」

「過去のものと同一かは分からない。そんな話だったかしら」

「だったかしらって……アリス様のお考えなんですよね?」

「まあ、そうとも言えるし違うとも言えるし……」


 ミーファが首をかしげてしまうけど、私もどう説明したものか分からないし……。とにかく、アルヴァは何やら考え込むような表情になる。


「超人計画か……なるほど。過去の資料を掘り出した連中がいると考えるよりは、新しく作ったと考えた方がいいが……その場合、注目すべきは過程かもしれんな」

「結果的に氷が出来たほうのやつよね」

「ああ。超人計画の産物を作ること自体は目的ではなかった……しかし出来てしまったから利用した。そういう話かもしれん」


 だとすると、その「過程」は何だったのかしら。超人計画の産物を作る過程。たとえば、さらった人間を魔石にするような過程で何が出来るっていうのかしら。呪薬は? その過程で何が出来る?

 どれも人間を強化するものであって、その失敗作だったはず。だからアルヴァに潰された。


「……ん?」

「なんだ?」

「昔のアルヴァが良いことするイメージが湧かない……」

「貴様というやつは……だがまあ合っているがな」

「そうよね」


 アルヴァが邪悪な研究だからってわざわざ止めに行くはずないし。となると……気に入らない研究だったってことよね、超人計画は。

 んー……だとすると、超人計画の最終目標が何処にあったかを考える必要がありそうだけど。


「ねーアルヴァ。超人計画の最終目標ってどんな感じだったの?」

「名前の通り超人だ。人を超えた人。そこに到るための各方面からのアプローチの集合体といえるだろう」


 つまり「呪薬」は……強い身体。「魔眼石」は……凄い目? うーん、分からん。でも他にもあるってことよね。そんなに強くなって、何したいのかしら。魔族だって、そこまで強すぎるってわけでもない気がするんだけど……。


「何を考えているか知らんが、一般的な普人は魔人と比べて身体能力や魔力の点で劣ることが多い。超人計画なんぞというものを考える下地は充分にあったということだ」

「……ふーん」


 昔は魔族に勝ちたくて超人計画をやった。なら今は? 別に超人計画をやる意味はない。だからレッドの言ったように魔族に勝つのが目標では……ないってこと、よね? うーん……。

 堂々巡りみたいな思考に陥りそうになった、そのとき。なんだか馬車の外から騒がしい声が聞こえてくる。


「なんだ貴様等!」

「止まれ! これが何方の一行が分かっているのか!」


 うーん、第二王子が居ても来るのね。問題は何処から来たのか、なんだろうけど……とりあえずはこの状況をどうにかしてから、かしらね!

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