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3度目のジョブチェンジ

 そして7日目。私は完全に飽きていた。だってモンスターしか出てこないんだもの。飽きるっての。

 しかもレベル120になっちゃったし。となるとジョブチェンジだけど……なんかまたジョブチェンジ先が妙なことになってんのよね。


・ブラックナイト

・ブラックプリンセス

・レッドブレイド


・ブラックナイト

 ジョブフラグメント:アルヴァによって解放。黒の階梯を上がりし剣士。属性:闇への適性が僅かに上昇する。

・ブラックプリンセス

 ジョブフラグメント:ブラックアリスにより解放。階段なんて無視するもの。アリスにガラスの靴も王子様も必要ないのだから。属性:黒への適性が上昇する。

・レッドブレイド

 ジョブフラグメント:アリスにより解放。黒にばかり傾くのはよろしくない。トランプは一色じゃないのだから。属性:赤への適性が僅かに上昇する。


「ポエムが増してる……」

「先程から黙って何かやっていると思えば、訳の分からんことを……」

「ジョブチェンジよ。全部意味分かんないのになってんのよね」


 私が一通りアルヴァに説明すると、アルヴァは御者の手を止めないままに「レッドブレイド一択だろう」とアッサリ答えてくる。


「え? なんで?」

「簡単な話だ。貴様の特異性を鑑みれば……トランプだったか? それが密接に関係していることは明白だ」

「まあ、そうね」


 ライフオブハート、ガードオブダイヤ、クローバーボム、ジョーカースラッシュ。全部トランプのそれだ。


「特にブラックアリスだ。貴様から以前聞いたブラックアリスの話やトランプとやらを鑑みるに、ブラックアリスとは貴様の『黒』とかいう部分を担当している存在だったのだろう」

「あー……そうね」


 そういえば夢でブラックアリスもそんな感じのことを言ってた気がする。

 なんだっけ、確か……そう。

「黒と赤。如何なる理によるものか、2つの力は貴女の中で完全なる均衡を保つ。黒が強くなれば赤もまた強くなり、しかし黒を駆逐せずに共存しようとする……だったかしら」

「……ふむ」

「貴女の中から『黒』は消えず、強まり続ける。それは貴女の中の『赤』も強くなることを意味している。完全なる均衡による境界線を、貴方は歩くだろう。そう、確かこうだったわ」


 アルヴァはそこまで聞いて、しばらく黙ると大きな……大きな溜息をつく。


「ふざけるなよ貴様。それが答えだろうが」

「え、どういうことよ」

「どうもこうもあるか。つまり貴様の中で黒の力が強くなったから赤の力がジョブとして顔を出した。ただそれだけの話だろうが」


 あー……そういう……これってそういうアレなんだ。


「くそっ、貴様の頭がスッカラカンであることをつい忘れそうになる。俺が面倒見が良いことを感謝しろよ……でなければ貴様などとっくにブラックアリスと入れ替わっていただろうよ。いや、その方が頭が良いんだったな」

「そこまで言う?」

「これでも言葉を大分選んでいるぞ」

「そうなの?」

「でなければ報連相の基本をこの場で古今東西の罵声を交えながら教え込んでいるところだ」


 まあ、うん。それは勘弁してほしいかな……。でもひとまず分かった。私の中でブラックアリスの力が強まってきたことで赤の力が警告を送ってきたってこと……かな?

 まあ、それならジョブチェンジ先は確定ね。


名前:アリス

職業:レッドブレイド(レベル0【総合レベル120】)


ライフ:10

力:普通

素早さ:速い

防御:ちょっと低め


装備:スペードソード(専用装備)

   ダイヤアーマー(専用装備)

   アリスの服(専用装備)


サブ装備:鉄の剣(収納中)

     鉄の鎧(収納中)


スキル:ライフオブハート

    ガードオブダイヤ

    クローバーボム

    ジョーカースラッシュ

    ブラックジョーカースラッシュ

    レッドジョーカースラッシュ

    2段ジャンプ

    リターンホーム 

    トランプパワー(レベル1)

    黒の波動

    赤の光

    フォームチェンジ:ブラックアリス

    開放:レッドアリス


「……なんか赤い技が増えてるんだけど」

「知らん。貴様のスキルだろう」

 

 そりゃそうなんだけどさ。なんなのよこれ……赤は私じゃないの? えーと、何々?


 レッドジョーカースラッシュ。アクティブスキル。浄化の一撃は赤い炎を纏う。強まる赤の力をジョーカーの力が進化させた。


 赤の光。アクティブスキル。赤く優しき光を放つ。それは大いなる善と愛に似ている。


 解放:レッドアリス。アクティブスキル。レッドアリスを開放する。赤の力のみを強めた状態。ある意味では偏った姿でもある。


「……なんだろ。なんか凄い扱いにくい気がするわ……」

「よく分からんが、次にモンスターが出たら使ってみればいいのではないか?」

「そーね……」


 しかしまあ、望んだときこそ出てこないとは言うけれど。それから数時間後……すっかり夜。まさか使う機会がないまま人間の国の町の門が見えてくるとは思わなかったわよね。


「……使う機会ないままだったわね」

「そうだな」

「まあ、いいけど。1度戻ってミーファ呼んでくるから此処動かないでね。えーと……なんて町だっけ、あれ」

「辺境防衛都市ガルノック。まあ……辺境伯とか呼ばれる奴が住んでる街だな」



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[一言] もう赤黒綱引きゲージ表示させちゃおうぜ
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