2-4-07 爆弾
「モンロー先生がこの手の怪獣を
造ることを予想して」幕僚。
「そういう事だ。
モンローの事だ。
きっとつくるだろうと思ってね。
その手の〇〇モノに出て来る怪獣は全て造らなければと
思っている節もある」
「それは枠沢先生に感化されて」
「私もこのような事になるとは-----
思わなかったのでね」しみじみと。
実際は-----。
枠沢がその手の〇〇モノに出て来る怪獣を
次々に造っていったというのが本当のところだ。
地球を離れ他の惑星に行けば-----大変な事になっている。
どうしよう。
そのまま進化を待つのみか。
まさか処分するわけにはいかないし。
放置してある。
監視はしているが。
モンローはそのデーターを------
全てではないだろうが-----という事だ。
だからモンローに盗まれたデーターにあった怪獣は
全てでてくる可能性があるわけだ。
それ以外にも出て来るだろうが。
それはあくまで
そのデーターを元にしたモノになるのだろう。
後はモンローがどれだけ改良を。
いや独自に研究してさらなる怪獣を。
「ですから私にも責任の一端はありますし。
しかしモンローは天才ですし。
私の力で対応できるかどうか」
「モンロー先生が怪獣を造ることを
予想しておられた」
「いや、何度も言うが
いくらモンローでもそんな事はしないだろうし。
造っても-----」
「例の無人島にあった胚の段階までですか」
「この先生ならやりかねないが-----。
モンロー先生はどうだろう」小声で誰かが。
思いは皆同じ。
「しかし枠沢先生をライバル視されていましたし」
「それはあるか」そこかしこにで。
「あれは-----やり過ぎかね。
結果的に-----怪獣が外へ」枠沢は気まずそうに。。
モンローの奴。
やはり怪獣を全て成体にしたかったのか。
それでワットたちがすることを見逃していたのか。
「しかしそれはあくまでワットたちが-----」幕僚。
「モンロー先生の責任では」守山も。
「そう言っていただけるとモンローも」枠沢。
それを言うわけにはいかないし。
「それではリストにある怪獣にはすべて対応できるわけですか」幕僚。
「いや。基本的にBB兵器で対応可能だという事だよ。
BB兵器の威力を増すことでね」枠沢。
「確かに」
「しかし今回のような例もある。
ということだ。
それにどう対応するかだろう」
「それはそうですか」
「それに対応といっても-----。
モンローのリストを見る以前のモノにだよ。
これを作ったのもそれ以前だし。
君たちに最初に渡したBB兵器。
あれを作ったすぐ後にね。
思いついて-----それでここにしまっておいたんだよ。
だからすべてに対応などはとても。
私と別れてからの研究もあるだろうし。
技術的な問題も。
まあそういうことだ」
「それでこの兵器。
BB兵器とは明らかに違いますが」
標的を見ながら。
「これは分子破壊銃《MDガン》とでも言いましょうか。
第五周期、もしくは金属周期生物の
タンパク質を構成する分子間の結合を破壊し、
元の原子に戻してしまう。
つまり分解してしまうわけです。
重力波の特殊なスペクトル
-----BB兵器とはまた別の組み合わせでね-----
を当てることにより。
BB兵器は重力波のスペクトルを当てることにより、
原子同士を融合させてメルトダウンを引き起こすと言ったね。
これは逆に分解してしまうわけだ。
つまりBB兵器とは対をなすと言ってもいい兵器だよ」
「分子破壊《Molecular Destruction》兵器か」陸幕長。
「それでは-----先ほどの機関短銃もそうですか」幕僚。
枠沢はニヤリと。
「そう。あれはこれらと違い
新しく造ったモノだ。
君たちの要望でBB機関短銃も造ったしね。
だったらやはり分子破壊《MD》機関短銃も
作らないとね」枠沢。
「なるほど」幕僚。
「だからあそこに置かれていたわけか。
こちらとは別に」
“やはりこの人は-----。
目を離すと-----”
全員-----思いは同じ。
「撃ってみるかね」
「はい-----ぜひ」幕僚。
「どうぞ」
枠沢は大臣たちが来るという連絡を受け、
用意しておいたBB機関短銃を手渡す。
標的をセットする。
「これが安全装置。
これが単発と連射の切り替え。
毎分あたりの連射の速度もかえられる。
単発で頼むよ」
「はい-----。
使い方は-----。
BB兵器と」幕僚。
「同じだよ」
幕僚は機関短銃を。
標的に向け-----撃った。
標的にはヘコミが。
分解された金属原子が粉のように舞う。
他の者も次々に短機関銃を手に取り。
「さっそくこれを前線部隊に」
「それは構いませんが-----。
使用方法の説明書もお忘れなく。
それとこれだ。
これだ」
別の収納ケースから。
直径十センチほどの金属製の筒を取り出した。
収納ケースの中には同じものが十数個入っている。
「数は少し多いかもしれませんが」枠沢。
「その手のモノではこういう場合。
一発か二発と決まっているのですが。
少し造り過ぎましたか。
まあ、その手の○○モノのお約束で
緊急に急いで作ったわけではないので
その手の手厳しい方々にもご理解いただけるかと-----。
大丈夫ですか」枠沢。
「まあその手のモノではこういうモノは
一つか二つと」陸幕長。
「それはまあ-----この機関短銃にも言えるかと」幕僚。
「しかし事前に用意していた場合は」別の幕僚。
「数に関しては-----」
「その限りではありませんか」
「まあ作品によって-----多少は違いますが」
数が欲しい。
ここは枠沢を何としても納得させておかなければ。
こういうモノは一つ二つ出てきても-----。
それにある程度、予測が出来ているなら事前に。
それなら数もそろう。
枠沢先生、がんばれ-----だ。
いや。頑張られては。
「それで何ですか。
これは」守山。
「爆弾ですよ。
分子破壊爆弾。
作動させるとこの中から
特殊な重力波スペクトルが出て。
瞬間的にです。
半径数メートルから十メートル前後ですか。
その範囲の物質が分子の結合を破壊され、
分解する。
もちろん第五周期や金属周期の分子限定ですが。
人やその他のモノも
現段階では影響を多少は受けるものかと。
まあ数百メートル離れれば大丈夫かと。
やってみなければ
わからない点も多々ありますが」枠沢。
「使い方はこれです。
時限式になっています。
しかしどうして時限式なのでしょうか。
その手のモノは-----。
いや-----今のその手のモノは時限式と
リモコンでの起爆式と両方か。
あのころはリモコンがなかったわけか。
ケーブル式の起爆はあったが」
最後の方は小声でブツブツと。
全員聞いてはいたが-----。
「どうしよう」幕僚の一人。
「確かにそうだ」守山。
「時代の流れだったのか」陸幕長も。
「そういう事か」DVD世代の幕僚も。
「しかし先生は-----。
こんなものまで」陸幕長。
「これではとても-----先生に対する批判に」
「どうしよう」
「今回の場合。
こういうモノがあった方がいいでしょう」
「それはそうですが」
「-----」
「先生も-----危ない人-----」守山。
「いえ-----さっそく使わせていただきます」幕僚。
“危ない人か。
どうして。
まあいいか”
「いえ、これはあなた方の要望で。
第五周期の火薬を作れと
あんなにおっしゃっていたでしょう」
「エッ?!」
「それは-----そうでしたが」
「それで」
爆弾をしげしげと。
「火薬よりこちらの方が-----よいかと。
それに事前に説明もしたかと」枠沢。
“まあこれは-----以前に造ったモノだし。
どうなるか”
「まあ-----確かに」
「そのような事も聞いては-----いますか」
「こちらの方が。
いいですか」
「どうしよう」幕僚。
「砲弾にも組み込めますし」枠沢。
「確かにミサイルにも」
全員。
「確かにそのような要望を出した覚えも」
「しかしこれは-----それ以前に-----つくられて」
「それも以前に-----このようなモノがあると
幕僚の方々には説明を」枠沢。
「確かに聞いてはおりましたが」陸幕長。
“確かにそうだ。
また監視の目が厳しくなるかな。
それは困る”
「しかし実際に造っていただいて、なんですが。
大丈夫かな」守山大臣。
「どうですか」
どうごまかすか。
「大量破壊兵器か」
「まさか-----そこまでは」枠沢も。
そうしようと思えば。
しかしそれをいえば。
「先生のお話を伺いました折り、
その点を指摘した先生もおられましたので。
それが-----」
「誰ですか」
「野党の」
「ウワァー」枠沢。
テレビの国会中継でやり玉に挙げられる大臣、官僚の姿が。
「ですから-----。
とにかくここは自重して」
その言葉に周囲を見回す。
強力な武器か。
それがなければ怪獣相手に戦えないし。
どうすれば。
「国会に呼び出されるとかは-----。
ないでしょうね」枠沢。
念を押す。
「もちろん-----ありません」
間が-----あったような。
「私は民間人として-----。
あくまで善意で協力を」
「それは充分に承知しております。
もちろん-----国会議員の先生方も。
承知なさっている-----はずです」
「それならば」
「とにかくお任せを。
それと、くれぐれも自重を」
枠沢もただうなずくしかなかった。




