2-3-10 阻止行動
「どう-----したのですか」守山大臣。
「いえ。
私の重力子、反重力子理論を使い
泳ぐ時だけ
比重が水と同じくらいになるように
しただけです。
怪獣自身は
もちろん意識はしてはいません。
無意識のうちに
行っています。
泳ぐときだけ。
地上を歩くときは
比重が元に戻るようにしてあるはずです」枠沢。
やはりそれでは-----。
何か別の方法を考えなければ。
周囲の表情を。
BB砲は高評価だったのだが。
あんなモノ。
云々と⁻⁻⁻⁻⁻いう事は一言もなく。
それでその件については
ひとまず安心していたのだが。
やはりこれは。
今現在⁻⁻⁻⁻⁻
その手の手厳しい方々に叩かれているわけか。
枠沢は⁻⁻⁻⁻⁻。
気を引き締めた。
怪獣を遺伝子工学で造るよりも多大な労力を。
「魚の浮き袋のようなものですか」陸幕長。
「少し違いますが。
それも考えたのですが。
まあ-----そういう事です」枠沢。
「なるほど」
全員。
ドッと疲れが。
「ですが-----。
単に重力推進機構だけを
持たせただけの方が-----。
失礼ですが。
簡単なのでは」
「もちろんそうです。
羽根などを付けずに
そのまま体内に組み込んだ方が
はるかに簡単です。
それに-----それを使い
海中を泳がせた方が。
羽根に重力推進機構を組み込んで
飛ばせたり
重力子、反重力子理論を使って
泳がせるというのは-----
非常に困難ですし-----。
モンローだから出来たことです。
もっとも-----
リドニテスを造れれば-----
そのくらいは」枠沢。
「しかしなぜ-----
そのような面倒な事を」
「なぜ-----と言われましても。
何度も言いますが
重力推進機構を
怪獣に持たせることが出来れば
空でも海でも。
現実に怪獣を造るとなりますと
それでもいいのでしょうが。
それが正しいのでしょうが。
しかし映画では。
例えば-----」枠沢。
「羽根もないのに怪獣が空を飛んだり」空幕長。
「すれば-----ですか」
「はい。
モノ笑いのタネになりますし。
子供のころに見た映画の-----。
その時のイメージが強すぎて-----
こだわりすぎましたか。
そうならないためには。
笑いものにならないためには-----
他にどういう方法が-----
ありますか。
あったら-----教えてほしいものです」枠沢。
「それは」
「それに-----あのままいけば
モンローの奴。
全ての怪獣に重力推進機構を
持たせかねませんでしたし。
羽根が有ろうが無かろうが
海を泳ごうが、地の底を進もうが」枠沢。
もっともモンローには-----。
あのプログラムを使わなければ-----
怪獣もリドニテスも
造れないはず。
-----モンローならば-----ヒョッとして。
「確かに-----それでは」
「困りますか」
その時の怪獣の姿を想像すると。
やはり-----。
テレビドラマの怪獣〇○が△△が空を自由に⁻⁻⁻⁻⁻か。
その手の手厳しい方々に⁻⁻⁻⁻⁻だ。
「まあ-----それは-----そうです-----か」
「枠沢先生がモンロー先生を
説得してくださったおかげですか」
「そんな怪獣が出てこないのは」
安堵のため息が。
「よくは知りませんが-----」幕僚。
周囲の眼が-----。
「それに空を飛ぶ怪獣ばかり
造るわけにもいかないでしょうし。
おっしゃる通り」枠沢。
「地底怪獣に」
「海を泳ぐ水棲怪獣ですか」
「それの地上を闊歩するだけの
怪獣も必要ですか」
「はい-----そうなると-----。
やはりそうするしか
ありませんでしたので」枠沢もなんとか。
「そう考えると-----
カナヅチ怪獣も必要に」幕僚。
「君-----それは。
カナヅチ怪獣など-----見たことも。
そんな怪獣。
いないだろう-----。
アッ。イヤ」
「はい-----確かに」
「それでモンロー教授が」
「はい-----。
カナヅチ怪獣は-----別にして」枠沢。
“確かに-----いなかった-----か”
思い巡らすかのように。
いてもいいのか。
どうなのか。
「怪獣とはそのようなものだと
私が。
モンローは。
何度も言いますが
バーザス人ですし。
その点は私の方がくわしいかと。
それで私の言うことを-----
素直に-----。
いえ、そうではなく」枠沢は周囲に気を配るように。
「まあ-----。
羽根で空を飛んだり。
飛べなくても海中を泳げる怪獣の方が
我々も安心して?
見ていられますか」はぐらかす。
一同。
“そうするしかないのか”
「アッ。イヤ」
ため息を。
しかし世の中。
怪獣に対して
どのようなイメージを持っているのだろう。
現実に造るとなると
やはりそのイメージとは
かけ離れたモノになるのだろうか。
マンガはマンガか。
それに枠沢自身の思い込み?もある。
BB砲などがそれだ。
そういうモノで怪獣を⁻⁻⁻⁻⁻だ。
ベザーグはその間にも東京へ。
護衛艦が海中の怪獣へ向け
中型BB砲を
発砲した。
BB線はベザーグへ。
BB線はもちろん
怪獣の細胞のみに反応するように
セットされてはいる。
しかし-----それは完全ではない。
その完全ではない
わずか数千万分の一が
海水と反応し-----
巨大な水蒸気爆発の柱がベザーグへ。
「命中」砲術長。
「撃ちまくらせろ」艦長。
さらにBB線が。
ベザーグは思わずたじろいだ。
皮膚の一部が
わずかに傷ついている。
しかし次の瞬間
ベザーグの口から光の帯が。
護衛艦へ。
ベザーグのBB線が艦の中央部を直撃。
護衛艦は命中部分が白熱化。
数瞬後
それは艦全体を
覆いつくした。
そして消滅。
防衛省内は
全員。真っ青。
「やはりダメか」
「カテゴリー“スリー”ですし」
「やはり行かせるべきではなかったか」
海自の対潜哨戒機がソノブイを投下しはじめた。
その対潜哨戒機には。
「アレが枠沢先生の
携帯BB砲を搭載した」守山。
「はい。
機体下部に可動式にした
携帯BB砲を取り付けてあります」
ソノブイのデーターを元に
ベザーグを撃つつもりらしい。
「もっと威力の大きい
中型BB砲を搭載したいのですが
何分大きすぎて。
現在-----航空機搭載用の
大威力の軽BB砲を搭載予定ですが。
まだ」海幕長。
「完成した軽BB砲は数が」
枠沢を。
「諸外国にも供給しなければなりませんので」
「それにターレットも新しく造る必要が」
砲を固定し上下左右に旋回、駆動させるためのものだ。
砲の大きさ、重量に合わせ新たに作る必要がある。
それに哨戒機に据え付けるとなると。
携帯BB砲のモノは小型で使えない。
「しかし携帯BB砲程度では。
あれは-----カテゴリー“ワン”の怪獣にしか」枠沢。
「ですが-----。
撃たないわけにはいかんでしょう」海幕長。
「そう-----ですか」枠沢。
哨戒機が携帯BB砲を。
BB線はベザーグを直撃。
「命中したか」
「はい。
砲の照準装置、駆動系には
問題ないようです」幕僚。
充分にテストは行ってはいたが
実戦となると。
しかし効果は-----。
カテゴリー“スリー”の怪獣には。
「やはり」
ダメだとわかっていても。
「うまく逃げ切れよ」幕僚の一人が。
次の瞬間。
対潜哨戒機は白熱。
消滅。
「クソ!」
「もっと威力の大きな兵器が」
「アレではピストルで
戦車を撃たせるようなものだ」
「かすり傷ひとつつかないか」
「BBガンの時は-----。
アッ!-----イエ」
あの時の光景が。
「威力さえ上がれば」
枠沢を。




