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2-2-12 翼

 ボグルはリドニテスの出現に

怒りに燃えた目を向けた。

 BB線をリドニテスへ。

 リドニテス・ベータが苦しげに

胸をおさえる。

 リドニテスはボグルへ突っかけた。

 左の腕を取り

腰投げに。

 起き上がろうとするボグルの顔面へ

蹴りを見舞う。

 ボグルは後方へ吹き飛んだ。

 起き上がったボグルへ

さらに手刀を。

 投げつけた。

 大地を震わせながら

ボグルは地面に叩きつけられた。

 怪獣識別装置によっても

リドニテス・ベータという事らしい。

 カテゴリーは“3+(スリープラス)”

モンローが作ったとなっている。

 後日、アメリカ軍からそのように連絡が入った。

 リドニテスの素性やその他の

データは入っていなかったらしい。

 当然か。

 「圧倒的だなあ」哲斗。

 「そうね」シオリ。

 モニター越しに守山たちも。

 ボグルはリドニテスへBB線を。 

 リドニテスは何とかかわし

さらにボグルへ。

 ボグルは空へと

飛び上がった。

 「逃げるぞ」守山。

 「いや。違う」

 ボグルは空から

リドニテスへBB線を。

 リドニテスを直撃。

 ひるんだところを

リドニテスへ体当たりをかけた。 

 リドニテスが吹き飛ぶ。

 馬乗りになり首へ牙を立てる。

 リドニテスは-----

何とかそれを振り払う。

 ボグルは再び空へ。

 「すごい」

 「空飛ぶ怪獣対策も検討しなければ」守山。

 「はい。そうですね。

 これだけの空戦性能を持つとなりますと。

 わが方の戦闘機にしましても。

 先生」議長が。

 「翼の単位面積当たり

一体いくらの荷重がかかっているのか。

 それしだいですが」空幕長。

 “翼面荷重よくめんかじゅう”だ。

 零戦では百三十キロ程度。

 現在のジェット戦闘機では

それが三百五十キロから五百キロくらいか。

飛行機の重量を翼の面積で

割った値だ。

 「はい。

  枠沢先生。

空飛ぶ怪獣は軽いのですか。

 例えば翼竜などは軽いですが」空自の幕僚が。

 怪獣を。

 ボグルをしげしげと。

 「とてもそのようには見えませんが」

 「体型からして

飛べない怪獣と同じようにも見えますが。

 重そうですし」

 枠沢は。

 「はい-----。

 一概には言えませんが

非常に重いです。

 何せ身体を構成する原子が

第五周期のものですし

比重にしろそれなりに。

 それと翼面荷重ですか。

 -----。

 こんな事言ってもいいのか」枠沢。

 「先生。

 何かあるのですか」空幕長が。

 「いえ-----。

 奴は-----

羽根でなど飛んではいませんよ。

 重力推進で飛んでいます」枠沢。

 「重力推進?」守山。

 「やはり」議長。

 「この手のモノの-----」

 「定番か」

 「やはり出たか」周囲の幕僚たちが。

 「ではあの羽根は

 かざりのようなものですか」陸幕長。

 「そう言うことです。

 モンローの主義といいますか。

 怪獣たるモノ。

 空を飛ぶからには

やはり羽・根・は・必・要・だろう。

 という-----事です。

 まさか-----

羽根もないのに

空を飛ばせられないでしょう。

 いくら何でも

マンガじゃあるまいし。

 それなりの羽根がなければ

物笑いの種になると。

まあ小さくてもついていれば

いいという方もーーーーー。

おられるようですがーーーーー。

私はそれなり派ですし。

まあいいか。

 とにかく日本ではそうなっていると

モンローに私が-----。

 それでモンローもそのように」枠沢。

 「なるほど。

 翼がなければ」空幕長。

 「確かに」陸幕長も。

 「怪獣が羽根もないのに

空を飛ぶというのは-----

物笑いのタネになりますか」海幕長。

「それなり派ーーーーーですか」

 実際、子供のころに見た

その手の○○ドラマでも

羽根もないのに怪獣が空でも飛べば

それこそ-----。

 その手の手きびしい-----○○に。

 「それでモンロー先生が。

 そのように」

 全員-----ため息が。

 「それのどこが

モンロー先生の主義なんだ」と誰かが小声で枠沢の方を。

 「-----。

 それでは。

 ですが-----リドニテスは

どうなります」シオリが。

 「エッ?」枠沢は怪訝けげんな表情を。

 他の者たちも

何を言っているのか-----という様子。

 「ですから。

 リドニテスは羽根もないのに

空を-----飛んでいますが」シオリは繰り返した。

 「季沢君。

 どうして」空幕長。

 「リドニテスが空を飛ぶのに

どうして羽根など必要なのかね。

 そんなモノ

あったらおかしいだろう。

 ねえ、先生。

 先生も答えにきゅうしていらっしゃる」幕僚の一人。

 「そう。

 常識だよ」

 “みんなマトモだ”

 「そういう事か」

 わけもわからぬまま

シオリは納得した。

 全員、一瞬の沈黙。

 お互いの表情を探るように。

 その間にもリドニテスは

ボグルを追って空へ。

 ボグルは信じられない角度で反転。

 リドニテスと正面から衝突した。

 両者空中で

リドニテスが手刀を、正拳を。

 ボグルはBB線を。

 空中ではボグルの方が

動きがいい。

 “まだ慣れていないのか”枠沢。

 リドニテスの顔面を直撃。

 リドニテスは地上へ

凄まじい音とともに

落下した。

 そこへボグルが空中から

さらにBB線を。 

 再度直撃。

 「クソ!」守山。

 「どうしたんだ。

 リドニテス」陸幕長。

 「空中戦ではボグルにが」空幕長。

 枠沢は-----答えられない。 

 リドニテスは

BB線を

ボグルの羽根目がけて発射した。

 ボグルは避けようにも

不意をつかれたのか。

 右の翼の付け根付近に命中。

 白熱化。

 千切れた翼が

舞い落ちながら

溶け崩れていく。

 ボグルは片方の翼を失い

バランスを大きく崩した。

 宙に浮かんでいるのがやっとの様子。

 そこへさらにリドニテスんBB線が

もう一方の翼へ。

 両方の翼を失ったボグルはもう

地上へ落下するしかなかった。

 「怪獣は-----。

 翼がなくなれば

もう飛べないのですか」シオリ。

 「当然だろう。

 羽根がなくなったのだから。

 羽根がなくなって

飛べるわけがないだろう。

 怪獣が」空幕長。

 「いや-----しかし-----。

 どうして」思い直し。

 「ボグルは重力推進で空を。

 羽根ではなく」シオリ。

 全員。枠沢を。

 「羽根に重力推進機構が

組み込まれているからだ。

 だからだよ」枠沢。

 「そういう事ですか」シオリ。

 「しかしどうして

羽根に重力推進を」哲斗。

 「防御の面から考えれば

身体の中にあった方がいいのでは」

 「羽根に組み込まれているということは-----。

 羽根を攻撃して

飛べなくしてくれと

言っているようなものですか」

 「どうして体内に

組み込まなかったのでしょう。

 モンロー先生は」

 「どうしてか-----

と言われても。

 当・然・-----だろう。

 羽根がなくなっても-----

飛べたら都合が悪いだろう。

 怪獣が。

 体内に組み込む方が

簡単なんだが-----。 

 考えて見たまえ。

 リドニテスなり何なりに

羽根を吹き飛ばされても

墜落もせず

怪獣がそのまま

飛んで行ったという事にでもなれば

どうするね。

 マ・ン・ガ・じゃあるまいし。

 その時の怪獣の姿を想像して見たまえ。

 それこそ

あの羽根は何だったんだ

となってしまう。

 しかし飛ばすからには

羽根をつけないわけには

いかないしねえ。

 翼もないのに飛べるわけがないしね。

 しかしそうなると

翼を失った場合

どうするかだよ。

 怪獣は重力推進で飛んでいるしね。

 君の言う通り。

 それでは翼を失っても

飛べることになってしまうし。

 そうなると

それこそモノ笑いのタネだしね。

 だから-----モンローに-----

羽根に重力推進機構を組み込めば-----

その問題は解決すると 

アドバイスしたんだよ。

 私が」枠沢。

 「なるほど」守山。

 「そうすればいいわけか」空幕長。

 「先生が-----アドバイスを」海幕長。

 “納得”

 「はい。

 モンローはバーザス人ですし

その辺の事情には 

あまり詳しくはないですし。

 それで私が。

 おかしな怪獣を造りますと

後で何を言われるか。

 その手の手きびしい方々に。

 それはまあ

その手の○○映画を

造る場合も同じでしょうが」枠沢。

 「いろいろ苦労があるものだ。

 怪獣一匹造るのにも」誰かがポツリと。

 つぶやいた。

 シオリはあぜん。

 しかし

何も言わなかった。

 リドニテスは

地上へ落下したボグルへ向け

BB線を。

 ボグルの胸を直撃。

 ハズしようもない。

 ボグルの胸が

頭部が白熱化。

 溶け出した。

 ボグルが倒れる。

 「やった」守山。

 リドニテスは

確認するかのように

ゆっくりとボグルへと眼を落した。

 そして空へと。

 南の空へと消えていった。

 「しかし先生。

 モンロー先生は

あと何体くらいリドニテスを」統幕議長。

 「日本にアメリカか」陸幕長。

 「もしかするとバーザスにも」海幕長。

 「当然。

 そうなりますか。

 バーザスはモンロー先生の

母国ですし」守山。

「彼はベータですか」

「なら、アルファは」

「まあ推測のいきはでませんが」

「まずそうだろう」

全員、同じ思いだ。

 「それに怪獣の来襲が

もっとも多いと考えられますし」哲斗。

 「多いといえば

怪獣が来襲する恐れのある国には

全て」シオリ。

 「それはあるか」

 守山は枠沢の表情を探るように。

 何を考えているのか。

 「さあ、私には」枠沢。

 テレビの画面を。

 「それよりも

あのボグルの死骸から

細胞の一つでも

手に入れられませんか」枠沢。

 「どうしてですか」

 「奴がどうして

大西洋に行ったのか。

 それを調べたいので」枠沢。

 「大西洋ですか。

 しかし-----奴は空を。

 それで活動範囲が広がったのでは」統幕議長。

 「それならばいいのですが」 

 枠沢はあらぬかなたを

ジッと見つめていた。


      リドニテス2ー2     完


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