2-2-10 枠沢
御刀哲斗はヘリの中にいた。
季沢シオリも上司の陸月もいる。
アメリカにボグルが現れたため
枠沢を向えに行くところだった。
怪獣が現れるたびに
なぜ枠沢を呼び出すのか?
哲斗にはわからないが
上司の命令だ。
仕方がない。
その手の○○映画では当然なのだろうが
実際には-----どうなのだろう。
民間人をこの様な形で
事あるごとに呼び出すというのは。
「また、枠沢先生。
不機嫌になるな]陸月も。
「はい。何せ真夜中ですし」シオリ。
「事あるごとだしな。
しかし-----
我々としては
先生がいてくれれば
安心していられるしな。
幾分だが]陸月。
「なるほど。
それはありますか]哲斗。
“幾分か-----。
まあそうだろう。
これがモンロー先生なら”陸月は。
防衛省から枠沢の研究所までは
数十分。
研究所近くにはヘリポートを新設してある。
ヘリポートには。
陸月の部下たちが
出迎える。
枠沢の護衛のために
研究所へ詰めている者たちだ。
そこかしこにプレハブが建っている。
もちろん隊員たちの宿泊のためだ。
「枠沢先生は]陸月。
「怪獣出現をお知らせしたところ。
スマフォで。
いえ-----まだ休んでは
おられませんでしたので」
「それで」
「それが-----怪獣なら
そちらで対処してくれと。
今は忙しい-----と」
「枠沢先生にも-----。
しかしまあ
対怪獣用の武器を
造っていただいている事だし」陸月。
“防衛省からも電話したが
反応は同じか。
せかしすぎたか。
イヤ-----しかし-----
対怪獣用の武器は。
急いでもらわなければ”
「はい」
技官たちの協力もことわり
枠沢は一人、
深夜遅くまで。
その部屋には誰も入れない。
まあそれらの部屋にも盗聴用のカメラが。
それにより枠沢が何をしているかは-----。
しかし全ての部屋に
盗聴用のカメラを仕掛け終えているわけではない。
まだ。
部下の一人がその手にモニターを。
そのモニター画面に映る枠沢の姿を
確認する。
「ですが
この監視カメラの事を知れば
枠沢先生」シオリ。
「ああ、怒るだろうな」哲斗も。
「とにかく」
哲斗たちは迎えの高機動車で
枠沢邸へ。
枠沢へ来訪を告げる。
合カギはあるが
それを使って中へ入るわけにはいかないし。
しばらくして枠沢がインターフォンに 。
「どうしても行かなければ
ダメかね」枠沢。
アメリカから帰ってきたばかり。
何とかうまく-----。
「はい。
先ほど電話でも
お伝えさせていただいたとおり
怪獣が」陸月。
「それがどうも-----
ボグルのようで」哲斗も。
「ボグル?
奴がアメリカに」枠沢はとぼけた。
「はい。ボグルです。
例の無人島の
五頭の中の一頭です。
それで先生に
防衛省までご足労いただきたく」哲斗。
「私が。
ボグルだろう。
私を呼び出しても
仕方ないだろうに。
ちょっと待ってくれ」枠沢。
怪獣が現れるたびに呼び出されては
イロイロと都合が。
何とかここで
踏みとどまって-----。
少し待つと玄関のドアが開いた。
哲斗たちは中へ。
枠沢はいかにも研究をしていた-----
というラフな格好。
白衣姿。
「どうしてもかね」
「はい]陸月。
「防衛大臣の命令で
我々はお迎えに」陸月。
「対怪獣用の武器の製造に
支障が出てもいいのかね」枠沢。
「それは困ります-----が。
そこを何とか」
枠沢はあきらめ顔。
「仕方ないか。
少し待ってくれ」
数分後
枠沢は高機動車に。
そしてヘリで防衛省へ。
「それでボグルは今どこに」枠沢。
「ニューヨークへ真っ直ぐ向って来ています。
アメリカ軍が阻止行動に入ってはいますが
全く。
相当な被害が出ている模様です。
今ごろはもう
上陸しているかも」哲斗。
「こんな時
リドニテスさえいてくれれば」シオリ。
「モンローかね」枠沢。
「いえ-----はい。
その後-----連絡は」シオリ。
「これだけ厳重に警戒されていて」枠沢。
“モンローはすでに。
しかしそれを言うわけには”
「それは-----ありますか。
とても-----出ては来れませんか」シオリ。
陸月が防衛省へ連絡。
それによると
すでにニューヨークへ上陸したらしい。
ヘリは防衛省へと
到着した。
枠沢は中へ。
そこには大臣はじめ。
「先生。これはこれは。
夜分遅く」大臣。
「-----」枠沢は。無言。
「それでボグルはどうなりました」陸月が気をきかせた。
「あれを見たまえ」
テレビが。
衛星回線で直接送られてきている。
そこには
ボグルが。
ニューヨークの街を。
BB線を口から吐き出す。
ビルが
人が
溶け、消滅していく。
戦車が
装弾筒付翼安定徹甲弾を。
しかし全く。
「劣化ウラン弾でも無理か」陸幕長。
最新鋭自走砲も直照準で撃っているが
ボグルは何事もないかのように。
ボグルは戦車へ向けBB線を。
戦車や自走砲が
一瞬にして白熱化
消滅する。
上空の戦闘機がレーザー誘導爆弾を。
爆発。
「あんなものではなあ」陸月。
日本もバルーグにより。
その時の光景が眼に浮かぶ。
戦闘機もボグルにより
次々に撃ち落とされていく。
ボグルはニューヨークの街を。
兵士が肩撃ち式携帯BB砲を撃ち出した。
無反動砲のように肩に担いで-----
しかし数が少ない。
合わせても数門程度だ。
携帯BB砲がボグルへ。
しかしボグルはカテゴリー“3(スリー)”
逆にボグルのBB線により
全滅。
「やはりダメか」
哲斗はいても立ってもいられない様子。
今すぐにでも
飛び出して行きそうな雰囲気。
枠沢も気が気ではない。
「こんな時
モンロー教授がいれば」
テレビのニュースが。
キャスターが。
モンローに呼びかけるように。
「モンロー教授。
この放送を見ておられれば-----」
である。
別のレポーターが。
「これはまだ未確認なのですが。
モンロー教授が
このニューヨークに姿を現されたという
情報もあります」
「どこに」キャスター。
「はい。
ニューヨーク○○番街の
ビルの屋上に
今から一時間ほど前に。
多数の目撃者からの情報です」
哲斗たちは顔を見合わせた。
「やはりモンロー先生は」哲斗。
「怪獣の事が気になって
ニューヨークまで」シオリ。
「しかしそれならば、なぜ。
我々にリドニテスの薬を」守山大臣。
キャスターが。
「それでモンロー先生は今どこに」
「それが-----信じられないことですが-----
軍の兵士がモンロー先生を逮捕しようと」
「それで」
「はい。
それが。
これも未確認なのですが。
携帯BB砲で撃ったと」レポーター。
「そんな」シオリが思わず。
「それでモンロー先生は」
キャスターの顔から血の気がひいていく。
「それが
モンロー先生は-----。
いずこへともなく
飛び去ったということですが」レポーター。
「そうですか。
それは-----よかった。
しかし-----」キャスター。
その間もボグルは。
「これではモンロー先生。
我々にリドニテスの薬を
提供してくれるかどうか」守山。
「それはありますか。
しかし-----
怪獣を造ったのはモンロー先生ですし」統幕議長。
ボグルはさらに街を。
その時
レポーターが。
「あれは」
カメラがそちらを。
「あれは」哲斗。
「リドニテスだ」陸月。
遠目にもそれは明らか。
「モンロー先生が」議長。
「いや
日本に。
それにバーザスに現れたリドニテスかも知れん」陸幕長。
哲斗は枠沢を
枠沢は無言。
首を横に振る。
リドニテスは地上へ
降り立った。
ボグルに対する。
「違う。
あの時のリドニテスではない」守山。
「バーザスの時とも違う」陸幕長。
「ライグともエリオットとも違います」議長。
「もちろんモンローとも」付け加えた。
資料を-----。
「これです。
モンロー先生のデザインの」哲斗。
「新しいリドニテスか」陸幕長。
「リドニテス・ベータ-----ですか」幕僚が資料を見ながら。
「ベータ。
ではアルファはどこに」
リドニテスアルファのデザイン画も資料のなかにある。
「さあーーー」
「敵か味方か。
バーザスでの事もある」
全員。息を詰めて見守る中
リドニテス・ベータはボグルへ。




